東京国際フォーラムホールA(収容人数約5000。巨大!)にて19時より聴いてきました。素晴らしい! シンシア・エリヴォ――人間の尊厳のため、己の芸をもって、厳しく、激しく、闘い続ける人。その闘いの軌跡が、歌声の中に確かに聴こえる。それと同時に、しなやかなその心も――。歌声と共に、聴いているこちらの心も宙へと舞い上がっていくような「A Piece of Sky」(『イエントル』より)。『ヘアスプレー』のナンバーを一人メドレーで歌い、ワイヤ&スタンドのマイク・アクションでも大いに会場を沸かせたマシュー・モリソンのエンターテイナーぶりに、この三人が同じ舞台に立つことの意味を深く感じて。三浦春馬も二人によく食らいついて行っていて、このコンサートを経ての成長が楽しみ。ゆっくり書きたいので今宵はここで止めますが、皆様、明日の昼夜二回限りの公演をお聴き逃しなきよう!
2020-01-16 23:20 この記事だけ表示
 昨年11月に新装なった渋谷パルコの8階に、今月24日に開場する新生PARCO劇場。3月から始まるそのオープニング・シリーズの記者会見には、『ピサロ』より渡辺謙さん、宮沢氷魚さん、『佐渡島他吉の生涯』より森新太郎さん、石田明さん、<三谷幸喜 三作品三ヶ月公演>より三谷幸喜さん、そのうち『其礼成心中』より吉田一輔さん&吉田さんが操る文楽人形の「三谷くん」、『大地』より大泉洋さん、山本耕史さん、竜星涼さん、『ゲルニカ』より長田育恵さん、『獣道一直線!!!』より宮藤官九郎さん、河原雅彦さん、生瀬勝久さん、池田成志さん、古田新太さん、『前川知大 作・演出作品(タイトル未定)』より前川知大さん、『藪原検校』より杉原邦生さん、市川猿之助さん、『レディ・マクベス』より天海祐希さん、『月とシネマ』よりG2さんが登壇するという、非常に豪華な顔ぶれ。司会を務めたのは『大地』に出演する藤井隆さん、本日は劇場サイドの人間に徹するということで、パルコの方を敬称略の名字呼び捨てで何度もいじる様に笑いが。東京オリンピックと公演期間が丸かぶりすることについて、「スポーツに興味のない方よろしくお願いします。(オリンピックに勝つ秘策は)ないですね。相当敵は強大」と語る三谷幸喜さん(PARCO劇場といえばまずは思い浮かぶ客席の「赤」を思わせるネクタイが印象的)、「下ネタ大好きな人は来て下さい」とさらっとかます古田新太さんなど、笑いの宝庫の会見でした。2021年2月からの公演について、…一番客が入らない月、貧乏くじを引いた、客席の半分は招待ではなく埋めたい、本当は三谷さんの作品に出たかった、そもそも来年の2月まで無事に過ごせるのか今から非常に不安…と暗いトークを展開する市川猿之助さんには、…私、亡き父の“芸風”を思い出し。あんな感じで間髪入れずにどんどんどんどん暗い話を繰り広げて、あまりにそれがよどみないものだからついつい聞いている方も話している方も笑ってしまう、そんな語り口を、父がこの世を去って以来、本当に久しぶりに聞いたな…と、何だか懐かしくてうれしくなり。席も178増え、舞台も広がり、けれども旧劇場を懐かしく思い出せる劇場空間、客席下に設置された女子トイレの動線もいい感じ。今月24日からの「志の輔らくご PARCO劇場こけら落とし」での初観劇が楽しみです。
2020-01-15 22:48 この記事だけ表示
 1月16日・17日に東京国際フォーラムホールAにて行なわれるコンサートの囲み取材会に、出演のお三方が登壇。シンシアさんは、主演映画『ハリエット』にてアカデミー賞主演女優賞&歌曲賞にノミネートされたことが昨夜発表されたばかり。今回のコンサートでは、その歌曲賞候補である「スタンド・アップ」が、3月末の映画の公開に先駆けて生で聴けることも非常に楽しみ。三浦さんが、ハードなワークアウトを行なう理由をシンシアさんに尋ねたところ、「歌うことは全身での行為だから、声帯だけをウォームアップするより全身を温めた方が早い」と答えていたのが興味深く。ユーモア・センスあふれるマシューさんはこの3年で4回目の来日、「歌うことで観客とコミュニケーションできる、そこに言語の壁はない」との答えも印象的。このコンサートについて三浦さんに取材させていただいたインタビュー記事がSPICEにアップされています。

https://spice.eplus.jp/articles/262779
2020-01-14 23:31 この記事だけ表示
 「剛」という名前ながら、柔らかな印象を与える人である。それでいて、彼の舞台を観ると、漢字の熟語が黒々と浮かび上がる。昨年、『家族のはなしPART1』を観たときには、「諦念」(http://daisy.stablo.jp/article/465985395.html)。そして、今宵、『アルトゥロ・ウイの興隆』を観ていて浮かんだのは、「豹変」という熟語なのだった――そうして、草g剛は、私に、人間存在の根源に関する奥深く大切なものを、またもや突きつけてくる。ジェイムズ・ブラウンの楽曲の渦の中に存在するその姿は、めちゃめちゃかっこいいのですが! ――でも、かっこいいとばかり言っていてはいけない作品でもあって。するめの如くかみしめてから書く〜。明日も昼から劇場!
2020-01-12 23:39 この記事だけ表示
 1月2日16時の部、東京国際フォーラムホールB7。
 …まさか、新年早々、老浮浪者姿でシケモク(死語でしょうか)を拾う山本耕史を観られるとは思わなんだ…(笑)。歌詠み志望の青年(市川染五郎)の前に現れたその老いた男は、ぱっと大海人皇子の姿へと早替わりして、青年を万葉集の歌の世界へといざなう。…愛について。死について。風景について。万葉集の時代から、人々の詠む題材は今と変わらない。そこに、いにしえから変わらぬ人の心を知る。そして今の人々の心を映したミュージカル・ナンバーを歌い出す山本耕史――大海人皇子の姿で、英語で――。『ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ』の「The Origin of Love」。眼鏡とマフラーを装着して、新納慎也と掛け合いで歌う『レント』の「What You Own」。そして楽器も演奏! ドラム! ベース! ギター! ホットにゴキゲン! 正月早々、山本耕史の芸がぎゅう詰めになったおせちのお重を前にしているかのよう。多芸多才。八面六臂。…思った。ここに、こんなに頑張っている人がいる! 己の芸の向上に欲張っている人がいる! だから、自分一人で頑張ろうとしなくていい! 一緒に頑張っていけばいい! …そう思ったら、何だかものすごく気が楽になり。2020年は迷惑をかけない範囲で頼ったり甘えたりすることもテーマにしようと思います(笑)。
『ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ』からの、「Midnight Radio」…。女性ロックンローラーへのオマージュが捧げられた、誇りをもって生きることについての歌。最後の「♪Lift up your hands」のくだりでは、舞台で上演されるときと同じように、(ちっちゃくだけど)右手を上げるあひるであった。
 額田王の扮装で、昨年亡くなった柴田侑宏の名作『あかねさす紫の花』の主題歌を歌う夢咲ねねの、圧倒的な姫感。コミカルなシーンでは、彼女ならではの天衣無縫で無垢な明るさを輝かせて。新納慎也の機転の利いた客席いじりも楽しく――彼は、私に、ブロードウェイ・ミュージカル『パジャマゲーム』のシド役の不思議を教えてくれた人である。ブロードウェイ公演のハリー・コニック・ジュニアも、彼も、シド役を演じるのを観るまで実は内心苦手だった。でも、シドという役は、演じる男性の素敵な部分を素晴らしく引き出してくるところがあるのである――。邦楽、日本舞踊、ミュージカル・ナンバーと盛りだくさんで、でも、芸の力、歌の力によってきちんとまとまっていて、お正月気分も大いに味わえる充実の80分間でした!
2020-01-11 21:05 この記事だけ表示