12月2日14時の部、サンシャイン劇場。
 三島由紀夫のユーモア小説、初の舞台化。脚本・演出・出演のノゾエ征爾は、“芸術家・三島由紀夫”ではなく、“人間・三島由紀夫”に、実に果敢に挑んでいった。そうすることで、三島由紀夫の作品世界、その内的世界へと迫る鍵をいくつも引き出していった。だから今、これまで以上に三島由紀夫という存在が気になる。けれども。あひるの中では、“生者の世界では、生者が優先”という鉄則があるので、三島由紀夫に興味を抱かせてくれたノゾエ征爾という存在への興味を優先させることにする。観ていて、今年いろいろ抱いた美についての思考の断片が頭をぐるぐる。そして、こまつ座『父と暮せば』と『エリザベート』との相関関係について、文章を書き洩らしていたことも思い出し。まずは皆様、9日までの東京公演&22日の大阪公演をお見逃しなく。
 昨年のさいたまゴールド・シアター『薄い桃色のかたまり』での岩松了(作・演出)の仕事と、今年の<世界ゴールド祭2018>ゴールド・アーツ・クラブ『病は気から』でのノゾエ征爾(作・演出)の仕事にふれることがなければ――二人が、故蜷川幸雄の仕事を追体験するという尊い営為に乗り出していなければ――私は、先月半ば、ある一人の若者に対して書いたような文章は書けなかったと思う。その意味でも、大いに感謝!
2018-12-02 22:54 この記事だけ表示