心はずむ笑いたっぷりの回!
 ベルリン・オリンピック中止も何のその、いだてん転じて暴走機関車と化し、日本全国を走り回る金栗四三(中村勘九郎)。出産を控え、放っておかれた感じでせつない妻スヤ(綾瀬はるか)。四三宅に居候中の美川秀信(勝地涼)に唆されて夫の日記を読み、その気持ちを知り――夢のシーン、綾瀬はるかの、クラシックな白いレースのドレスの似合うこと! 帰路についたスヤの乗った市電を走って追いかける四三、さすが足が速い。黙って安産御守をスヤの手に握らせる四三――「好き」とか「愛してる」とか、そういう言葉の出ない時代の、愛情表現。しかし。以前は夏目漱石に憧れていた美川氏、今度は竹久夢二に憧れて絵描きになりたいと言い出し、『ロミオとジュリエット』のセリフまで口にし。しかも、ヤクザの愛人となった小梅(橋本愛)と駆け落ちしていた。おかげで孝蔵(森山未來)に大トバッチリ。孝蔵の将来をひたすら信じる、友達思いの車引きの清さん(峯田和伸)。友情に篤い男を大熱演。先週、失意のいだてんを、走れ! と励ますシーンもよかったですばい。
 一方、東京女子高等師範学校では、女子の体育教育をめぐって論争が。イギリスから持ち込んだ“メイポールダンス”を生徒たちに踊らせる二階堂トクヨ(寺島しのぶ)。それをトホホの表情で見つめる恩師永井道明(杉本哲太)。生徒たちが着用するは、ハリマヤ黒坂辛作(三宅弘城)製作の、チュニック! ――ゴールデンウイーク、『セーラー服と女学生』(内田静枝編著)という本を読む機会があり、…世の中にはいろいろかわいい制服があるんだな…と眺めていた、その中に、「二階堂トクヨの日本女子体育専門学校では体操服がチュニック」という写真を偶然見つけ、『いだてん』に出てきたりするかな…と思ったばかりだったのですが、早速出てきてびっくり。自分の興味対象がそもそも『いだてん』の世界と非常に重なるところがあるのか、シンクロ率が凄いなと――。そしてそこに、アメリカかぶれの可児徳(古舘寛治)まで乱入。女子体育教育の現場、大混乱。それにしても。チュニック着用で一人、一心に踊り続けるトクヨの姿は、何かに取り憑かれたかのようであった…。
 …俺が作ってるのって、足袋なの? 靴なの? 悩める足袋職人黒坂辛作。しかし、彼は遂に自ら引いた一線を越え、底をゴムに。日光から東京まで130キロを一人走り抜いた四三の足元から運動足袋を脱がせ、勝利宣言。鬼気迫るその職人魂。
 日曜の夜に笑った笑った。さあ、来週も頑張るぞ!
2019-05-12 23:25 この記事だけ表示
 …こんなにちゃんと休んだの、いったいいつ以来だろう…というくらい、ゴールデンウイーク、休みました。5月3日の東京宝塚劇場の月組のGPに行き、後は読書三昧。後半には夫の一家と伊東で合流。川奈でひたすら相模湾を眺める他は何もしないという一日を過ごし。またまた富士山も見えました! ――東京に帰って来たら相変わらずのバタバタで、なかなか前回分観られず。今日は二本立てとまいりたく。
 金メダルが期待されたベルリン・オリンピックが中止となり、失意の金栗四三(中村勘九郎)。自分はいったい何のために走るのか――取り乱す四三に、上京してきた妻スヤ(綾瀬はるか)が水をぶっかけたところで、涙。いざというとき、四三をがっちり支えるしっかり者の奥さん。嘉納治五郎(役所広司)は、四三にかける言葉が見つからず、涙する――。…モスクワ・オリンピックに懸けた人々の無念を思った。出ていたら。メダルを取っていたら。人生は変わっていただろうか――。何もアスリートに限らない。人の人生はそんな問いの繰り返し。
 それでも。金栗四三という人は、前を向いて、明日の方を向いて、走っていく。そんな姿に、励まされて。
 …紐で結んじゃったら、それは足袋じゃなくて、靴なんじゃねえか。足袋職人としてのアイデンティティ・クライシスに悩まされる、ハリマヤの黒坂辛作(三宅弘城)。宮藤官九郎脚本が、ときに実はけっこう深刻なところを笑いでさらっと救ってくれるところ、三宅の演技がしっくりフィット。そして、いろいろ言いつつ調子に乗ってあれこれ改良してくれちゃいそうな気が非常にする。店のガラス戸に貼られたポスターも、何だかそんな感じ(笑)。
 自分のようなランナーが50人いたら。そんな発想から、駅伝を思いつく四三。50人もの金栗四三が走ったり体操したりする光景、大変シュールでした。そして。最近、金栗実次(中村獅童)が画面に映ると、池部幾江(大竹しのぶ)に盛大にドヤされるのを期待してしまう。いわんやこの日も。何だか名コンビとなりつつある二人。
 世界初の駅伝の最終ランナーとなり、走る四三。沿道で見守るスヤ。その目と目が合い――。走っているスピードだと目は合うのか。スケートだと早すぎて合わなそうな。え、劇場だとどうかって? それはもう、凄い人は二階席、いや、三階席…。いえ、その話はまたいずれ〜。
2019-05-12 23:22 この記事だけ表示