ええ回やった…(笑)。タイトルバックまでに泣いちゃったじゃんね〜、二回観て二回とも。
 久々登場の金栗四三(中村勘九郎)。養子に入った池部の家で仕事に励み、じゃなかった、押し花に興じ。あひるの記憶が確かならば、押し花しているときの四三さんは、あかん。そんな四三さん、ロサンゼルス・オリンピック、女子200メートル平泳ぎ決勝、前畑秀子の実感放送が始まると聞き、大急ぎでラジオの前に。
 レース前、相変わらずまーちゃん(阿部サダヲ)のテンション、高っ。そして、秀子さん(上白石萌歌)も落ち着かない。そんな彼女を、チームメートは励まして言う。緊張したら、まーちゃんの顔を見て、きゅうりを食べているところを想像してみて、と。というわけで秀子さん、タバコをくわえるまーちゃんを、きゅうりをかじるまーちゃんに、幻視。神様に祈る。どうか、2着、3着に入りますように――。
 泳ぐ姿が、気持ちよさそうだな…と思った。
 ここでタイトルバック!
 第三十一回『トップ・オブ・ザ・ワールド』。
 レース中、またもや係員に、プールサイドに近づきすぎないよう止められるまーちゃん←おなじみの光景(笑)。日本食レストランで、日本人が西洋人に勝てるわけがないとまーちゃんに言った日系人のウェイトレス、ナオミ(織田梨沙)も、まーちゃんにもらったチケットで前畑の泳ぎを観にやってくる。白熱したレースに、次第に声援を送り始めるナオミ。ゴールの瞬間−−無音ですべてが展開して、前畑秀子が耳に入った水を抜いた瞬間、うわあっと歓声が聞こえる演出がいい。僅差で、2位! これが日本女子初の水泳種目でのメダル。「よく頑張ったぞ、前畑くん」と、まーちゃんも素直にねぎらう。「神様が助けてくださったのです」と、実感放送で秀子さん。闘争心がなさそうなのに、あっけらかんと実力を発揮してしまう感じが、いいなと。うれしそうにラジオを聞き、ラジオをなでて秀子さんをねぎらう四三さん。
 死角と思われていた男子100メートル背泳ぎで、日本は金銀銅を独占! 泣いてすがってしまい、嘉納治五郎先生(役所広司)に「しっかりしろ」と言われる岸清一(岩松了)。客席の日系人の間から、自然流れ出す「君が代」の合唱。日本人選手の活躍に、IOCのラトゥール会長もびっくり。そんな彼に、治五郎先生は言う。日本は急に強くなったのではない。日本には400年の伝統をもつ古式泳法がある、これは人と競うためにではなく、水と一体となるためにあるものであると。観てみたいというラトゥールに、お見せしましょうと治五郎先生。そういうわけで、エキシビション、決定〜。「駅舎美人?」とまーちゃん。…カタカナに弱いタイプ? 鶴さん(皆川猿時)以下、水泳チームが乗り気な中、いまいちやる気のないまーちゃんに、「泳げんのとちゃいます?」と、”河童と呼ばれている割にまーちゃん泳げないかもしれない疑惑”をぶつけるノンプレイングキャプテン高石勝男(斎藤工)。
 続く男子1500メートル自由形でも日本は金銀メダルを獲得。そして、200メートル平泳ぎ決勝前夜。寝られず、鶴田義行(大東駿介)にしりとりしようと持ちかける小池礼三(前田旺志郎)。「寝ろ」と言われ、「ロサンゼルス」と、先輩の語尾に勝手にしりとり。そんなこんなで決勝〜。鶴田は高石に言っていた。今回は来るんじゃなかったと。小池の練習台として来たけれども、ついて行けず、かえって気を遣わせていると。けれども、彼は決意する。やるか、老体にムチ打って、と。
−−抜かれなかった。抜かせなかった。小池に。鶴田1着。アムステルダム・オリンピックに続き、二大会連続金メダル! …自分の役目は小池くんに一位を取らせることだったけれども、実は、一日一本だけ勝つ気で本気で泳いでいた。でも、いつも勝てなかった。今日は、彼は年寄りに気を遣ってくれたのだと思う−−と鶴田先輩。そう語るときの、大東の表情がとてもいい。人との勝負ではなく、己との闘いに勝った人間の清々しさ。そして、レースの描写、泳ぎの描写が、とても美しかった。スポーツに躍動する人間の心身、その美しさをしみじみと感じた――。
 お待ちかね、エキシビション〜。まーちゃんもふんどし姿で参加! 手と足を後ろで縛ってそのまま泳ぐ「手足からみ」に始まり、「いな飛び」、「大抜手」「一重伸し」等々、…懐かしい。小中学生のとき、学校でのデモンストレーションで見たあれあれ〜。同じ学校出身で、やはり日本泳法になじみのある母は、テレビの画面を見ながら昔覚えた型を実演しており。そしてまーちゃん、泳げたよ。河童の如くスイスイと日本泳法を。最後はみんなで、立ち泳ぎしながら文字を書く「水書」を披露〜。痛快痛快! これぞ、理想的なエキシビション。勝者が、その競技について、己の信じるところ、思うところを表明する場としての。その表明によって、その表明が与える感銘によって、その競技はますます発展していく。エキサイトした海外選手も次々とプールに飛び込み、花火も上がり、これぞ平和の祭典なり!
「オリンピック最高!」「帰りたくねえなあ」と、まーちゃん。そんな彼に、選手村の黒人守衛デイブは聞く。ここに貼ってある「一種目モ失フナ」って、どういう意味? 「所詮戯言さ」とまーちゃん。目標を剥がした下にあったのは。「オリンピックで大切なのは、勝つことではなく参加することである」との、有名なクーベルタンの言葉――。
 ロサンゼルスを旅立つ水泳チームのバスを、日系人もアメリカ人も、日の丸を振って讃える。そして、バスを止めた日系人のおじいちゃん曰く。自分は今日初めて、白人から話しかけられた。日本の水泳選手はすばらしいと。−−日系人はそれほどまでに、白人社会に受け入れられていなかった。ナオミも、「ミスター・カッパ」とまーちゃんに呼びかける。日本人と言うだけで、どんなに肩身の狭い思いをしてきたことか。でも、祖国を見直したと。己のルーツに誇りを持てた人々は、往来で叫び出す。「俺は日本人だ!」「I am Japanese American!」と。その声に、周りの人々も、誇りをこめて、「I am Irish American!」等々、己のルーツを叫び出す――観ていて、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』の、祈りのように美しいナンバー「サムホエア」を思い出した。人種を越えて、人々が分かり合い、共に生きることのできる”どこか”−−。「俺も日本人だ!」と叫び、帽子を飛ばすまーちゃん。「私も日本人だ!」と、そこに現れた治五郎先生も。まーちゃんより高い場所に昇って、東京にオリンピックを呼べたら、皆さんを招待します! と宣言。出た! 治五郎先生の大きく出たなシリーズ! 「知らないぞ〜」と岸清一の見せる何とも微妙な表情が好き。それにしても治五郎先生、いつもいいところで登場していいところを持っていくな(笑)。
 前畑秀子さんの活躍に刺激を受け、奇声を上げての四三さんの冷水浴、ひさびさ復活〜。再び走り始めて。
 新聞社に戻って来たまーちゃん。誰もいない職場で、お土産の板チョコをそれは無造作に配る姿を、一人、菊枝嬢(麻生久美子)は見ていた。その前で、大横田勉(林遣都)に金メダルを取らせられなかったことを悔やみ、床に手をついて涙ぐむまーちゃん。俺が牛鍋を食べさせていなかったら…。一生悔やむのだろうな。田畑のバカヤロメ。…メダルの鬼が、人間に戻った瞬間。それを見ていた菊枝嬢は言う。「全部取らなくてよかったと思います、私は」←これが、『いだてん』での菊枝嬢の第一声! これからの目標がなくなってしまうし、一つ残したのは、田畑さんの品格かと。って、いいこと言ってくれてるのに、「変な声」ってまーちゃん、そりゃないぜ。早速、「品格です」と他の人に菊枝嬢の言葉を引用するまーちゃん調子のいいお方。そして、事件が。東京市長永田秀次郎(イッセー尾形)が、「なぜ金メダルを取って来なかったんだね」と前畑秀子に。はたしてまーちゃん、どう出る? …というところで次回のお楽しみ〜。来週の土日は「高円寺阿波おどり」だよ!
2019-08-18 23:59 この記事だけ表示