壽初春大歌舞伎(歌舞伎座)昼の部から帰って、ベジブロス入り肉じゃがを無心に作っていたら、…『STARS ON ICE』横浜公演が当たっていました。
2020-01-22 23:19 この記事だけ表示
 河内山宗俊を演じる松本白鸚が、河竹黙阿弥の手によるせりふを語る様を聴いていて、…自分が、今、過去の時代の人々と確かにつながっているという感覚を覚えた――2年前、コクーン歌舞伎『切られの与三』(串田和美演出・美術)を観ていて、江戸時代に同じ作品を楽しんでいた観客とつながっているという感覚を覚えたことがあったのだけれども、そのときともまた異なる感覚だった。
 それは、こよなく愛する近代建築の建物を心ゆくまで眺め、その内部で心ゆくまで佇んでいるときに覚える感覚に似ていた――私がとりわけ好むのは明治から第二次世界大戦くらいまでの建築であって、…よくぞ、戦火や高度経済成長期といった激動の時代を超えて、今このときまで残っていてくれた、残してくれていた…との感慨をもって接してきた――あるときから、…きっと、私の命の長きを超えて残り続けていくのだな…とも感じるようになったけれども。そのような感慨をもって古い建築に接するとき、そうして、過去の時代、過去の人々との確かなつながりを感じるとき、私は心地よい安堵感に満たされる――自分が歴史の一部であると感じられる瞬間。興味深いのは、河竹黙阿弥のこの作品が初演されたのが明治十四年だということである――演劇においても、建築においても、西洋化、近代化の荒波が押し寄せていた時代。

(1月22日昼の部、歌舞伎座)
2020-01-22 23:17 この記事だけ表示