藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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ナチス・ドイツ占領下のパリでレビュー劇場の灯を守ろうと奮闘する人々の姿を描く『アルカンシェル〜パリに架かる虹〜』は、花組トップコンビ柚香光&星風まどかの退団公演(作・演出:小池修一郎)。レビュー・シーンもふんだんに盛り込まれ、さまざまなジャンルの曲で踊りまくる柚香光が観られる――男役として完成した彼女のそのダンスには、男役としての可動域を超越した魅力が光る。パリの空に虹がかかるラスト・シーンの味わいに至るまでどこか削ぎ落された感があり、これまでの小池作品とは少し異なる印象を受けた。専科の一樹千尋と輝月ゆうまの演技が大いに効いている。