というわけで、本日、昼は中劇場で歌舞伎、夜はオペラハウスで『プリティ・ウーマン』を観劇、その合間には東京オペラシティアートギャラリーで展覧会「田賢三 夢をかける」を鑑賞と、ずっと初台にいました。展覧会には1993年の宝塚星組公演『PARFUM DE PARIS』の衣装もあり、これかわいいなと思ったドレスがマリー・アントワネットの装いにインスピレーションを受けたものだったり、着物の影響を受けた形や柄のものがあったり、『プリティ・ウーマン』公開のころのファッションを思い出させる空気感もあり。あひるが一番……これ欲しい! と思ったのは、ピンクの薄い生地に約20年かけて集めたという20種類以上の花柄のリボンを縫い合わせて作ったウエディングドレス。自身でデザインした花柄ではないのにたまらなくKENZO感があって、KENZOの花柄のハンカチを集めていたことを思い出し。
 リチャード・ギアとジュリア・ロバーツの主演で一世を風靡した映画のブロードウェイ・ミュージカル版の来日公演が本日スタート、その初日を観劇(18時の部、新国立劇場オペラハウス)。映画版とはまた違う魅力のある、夢見るすべての人を祝福するハッピーな作品に仕上がっていました。オリジナル演出&振付は『キンキーブーツ』のジェリー・ミッチェル、ダンス・シーンの展開や振付がキュートでおしゃれで、一幕でヒロイン・ヴィヴィアンがダンスを習うシーンあたり、宝塚のショーのような楽しさもあり。主人公のエドワードが映画版よりさらに不器用な風なのもせつなく。
 作品の公式ホームページ(https://prettywomanjapan.jp/)で<公演紹介>と<ストーリー>、そして公演プログラムで<ストーリー>及びミュージカル版への期待について執筆しています。改めて映画を見返して、今の目で見るとここが印象に残るなと思った、まさにそこがミュージカル版で発展&展開されており。映画版に登場するとある人物がミュージカル版では大出世大活躍するのですが、その奮闘ぶりをぜひ劇場でお確かめあれ。
 ただいま、新国立劇場中劇場の令和6年9月歌舞伎公演と、新国立劇場小劇場の令和6年9月文楽鑑賞教室で、『夏祭浪花鑑』を同時上演中。9日夜の部の文楽と11日昼の部の歌舞伎を観劇、同じ時期に観られると、それぞれの分野の人間描写の違いが改めてよくわかって非常におもしろいなと。例えば、<釣船三婦内の段>で、女の意地を通すため自分の顔に傷をつけた徳兵衛女房お辰が、そんなことをして徳兵衛に嫌われないかと三婦女房おつぎに言われ、夫が惚れているのは私のここ(顔)ではなくてここ(心)と身振りで示すくだりが好きなのですが、文楽にはない。けれども、竹本織太夫の語りは、お辰が釣船三婦に顔の美しさをほめられて満更でもない虚栄心や、顔を傷つけたお辰とその心意気に感じ入った三婦との間に年齢や性別を超えた友愛が生まれる様を描き出し。歌舞伎では、ここのくだりで、お辰役の片岡孝太郎とおつぎ役の中村歌女之丞との間に、「あなたのとこもそうでしょ」みたいな女同士の心の通い合いがあったのが楽しく。文楽も歌舞伎も見どころいっぱいの名作だなとしみじみ。
 キャリル・チャーチルの2作品をジョナサン・マンビィが演出。日本初演の『What If If Only−もしも もしせめて』(2021)、『A Number−数』(2002)の順に上演。『What If If Only−もしも もしせめて』、あと5回か7回観たいくらい心に刺さり――その都度、記憶がまっさらに戻った状態でまたあの体験ができても素敵なのだけれども。これ以上は書けませんので、劇場へGO。

(18時の部、世田谷パブリックシアター)
 はっと息を吞んだ遠藤航の先制点! ――しばし高揚感おさまらず。
 攻める姿勢がはっきり見える試合展開に、……恐れてばかりいたら、前には進んでいけないんだ……と、勇気をもらえた思いで涙を流していたのですが、三苫薫のゴールにハハハハハとhirariousに笑う。やっぱりオーラが不思議。そして、見たことのないような身体の使い方も。ふうっと球のスピードを操ったりする様にも見入ってしまうものが。普段、目はボールを追っているのですが、……今、三苫何してる? みたいに気になる。
 うれしく楽しくなって微笑んでしまった南野拓実の明るいゴール! そして続いてのゴールにはうわあ! と歓声。乗せたら怖い男。
 一瞬のスキにふっと入り込むような伊東純也のゴール! そして、存在感を放っていた前田大然が泰然とゴール! そしてそして最後に「俺がいる!」とばかりに久保建英が心を切り裂くようにシュート、決めた! 終了〜。
 非常にチームワークのよさを感じる試合で、いろいろと気づきが多く。去年久保選手のプレイを観ていて文楽を観る際に新たな視座が生まれたりしたので、また多方面に活かしていきたく。
 先月下旬に配信された、森保一監督のいじめ体験を語るインタビュー(読売新聞オンライン)に心打たれました。その優しさの源にふれた思い。
 月組の久世星佳主演で1990年に初演された作品の待望の再演(作・演出=正塚晴彦)。作品も音楽(作曲・編曲=高橋城、高橋恵)も演者たちもかっこよく、おもしろい! 最後までハラハラドキドキ。主人公の天才詐欺師ドノヴァンを演じる風間柚乃が、……こんな風にエスコートされたら素敵だろうな……と思わせる男役の魅力を発揮。ヒロイン・シャロンを演じる花妃舞音は、恩人を殺された復讐を果たすためのドノヴァンによる詐欺、“芝居”に参加することになり、これをきっかけに冴えない日々から抜け出そうとする。自分の殻を破ろうともがくシャロンを演じる花妃に、磨けば大いに光るのではないかと思われる鉱脈のきらめきのような瞬間あり。ドノヴァンのシャロンへの指南がそのまま演劇論に感じられたりするのがおもしろかったり。ちょっとゆっくり整理したく。
 『ベルサイユのばら』初演から50年。記念の年を寿ぐ公演は、大切に上演され続けてきた作品を次世代に引き継がんとする気迫が光る力演揃いの舞台。そして本日9月4日はハンス・アクセル・フォン・フェルゼンの誕生日。そんな日にふさわしく、不思議な力に満ちた公演でした。
 7月中旬に夫が福岡に転勤になり、新生活立ち上げの手伝いで最初の十日間ほどついていっていました。6月下旬に『blast ブラスト!』の取材で山形に出張して以来忙しく、福岡でもオンライン取材をしたり原稿を書いたり。そして東京に戻ってからも忙しく、パリ五輪もほぼ観られず、気づいたら8月が終わっていたという。
 去年秋も博多座観劇で訪れ、楽しく近代建築めぐりをした福岡。住まいがある唐人町は、近くのバス停から天神までバスで15分ほど、博多座まで地下鉄経由で30分ほど。天神までのバスは高速道路を走るのですが、車窓から見える湾岸風景が昼も夜も心に残り。海にも「みずほPayPayドーム福岡」にも歩いて行ける距離で、玄関のドアを開けると潮の香り、近所で福岡ソフトバンクホークスのユニフォームを着たファンを見かけるのですが、ケーブルテレビの工事ができないので、久方ぶりの地上波オンリー視聴生活、大河ドラマ『光る君へ』(全然書けていませんが観ています)も18時からのBSプレミアムでの放送は観られず。8月には夫が出張兼お盆休みで東京に帰ってきていたのですが、……何だか、唐人町の家にも私たちがいて、のんびりした生活を送っているようなパラレル・ワールドを夢想したり。
 それにしても福岡は食べ物がおいしい! 焼肉、水炊き、寿司、ブイヤベース、豚骨ラーメン、鉄鍋餃子……といろいろ食べてみるうち、これは気をつけないと、と夫とひたすら散歩。ちなみにタイトルは博多土産「博多の女(ひと)」(あひると同じ1972年誕生!)から来ていますが、ようかんをバームクーヘンで包んだこのお菓子を食べたことがあるかどうかはっきりと記憶にございません。ので、今度チェックしないと。それと、ローソンの九州限定商品「近藤の熱弁 鹿児島黒豚とんかつおにぎり」(福岡ソフトバンクホークスの近藤健介選手監修)も気になっており。ということで、これからしばしば福岡を訪れる予定です。夫も私も父方のルーツが九州なので、その地をたどる旅もしてみたく、東京と福岡の中間地点あたりで夫婦落ち合うのもおもしろいかも等いろいろ計画中。
☆プリンシパル・キャスト・インタビュー記事

*ベニー役アーロン・ジェームズ・マッケンジーさん

https://rent2024.jp/interview_vol1/

*ロジャー役アレックス・ボニエロさん

https://rent2024.jp/interview_vol2/

*ミミ役チャベリー・ポンセさん

https://rent2024.jp/interview_vol3/

*コリンズ役アーロン・アーネル・ハリントンさん

https://rent2024.jp/interview_vol4/

*エンジェル役ジョーダン・ドブソンさん

https://rent2024.jp/interview_vol5/

☆<公演プログラム>衣装デザインのアンジェラ・ウェントさんインタビュー記事

 ブロードウェイ初演から『RENT』に携わっているアンジェラ・ウェントさんのインタビューを担当。作詞・作曲・脚本を手がけたジョナサン・ラーソンさんが衣装について発した言葉もお聞きしました。

☆初日観劇レポート

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002725.000012949.html

 初日から「What You Own」で山本耕史スペシャル、炸裂。

☆ブロードウェイ初演の演出家マイケル・グライフさんインタビュー

 https://rent2024.jp/interview/

 私、グライフさんが演出したブロードウェイ・ミュージカル『グレイ・ガーデンズ』も大好きで。クライマックスで歌われる「Another Winter in a Summer Town」と、『リトル・ナイト・ミュージック』の「Send in the Clowns」が、女性が年齢を重ねることについて歌った二大ソングだと思っていて、楽譜も買ってキーボードで練習したり。『グレイ・ガーデンズ』のお話もできてとても楽しいインタビューでした。

 ロンドン初演(1998。ブロードウェイ初演と同じプリンシパル・キャストが多数出演)で出会い、衝撃を受けた『RENT』。今回のプロダクションの取材に関わり、いろいろなお話を聞くことができて、幸せでした。
☆『A Number―数』堤真一さん×瀬戸康史さん対談記事

https://spice.eplus.jp/articles/330516

 あの戯曲からいったいどんな世界が立ち上がるんだろう……と、同時上演の『What If If Only―もしも もしせめて』共々非常に楽しみ。9月10日初日。

☆『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』ビリー役全員観劇レポート

*浅田良舞ビリー

https://spice.eplus.jp/articles/330817

*石黒瑛土ビリー

https://spice.eplus.jp/articles/330927

*井上宇一郎ビリー

https://spice.eplus.jp/articles/330928

*春山嘉夢一ビリー

https://spice.eplus.jp/articles/330999

 大人キャストについても盛り込んでいます!

☆『Empathy−ヤドリギの詩−』脚本・演出・プロデュース・出演の音咲いつきさんインタビュー記事

https://spice.eplus.jp/articles/331237

 公演が終わってからのご紹介となってしまいましたが、宝塚星組『JAGUAR BEAT−ジャガービート−』での女豹役の歌唱が忘れがたい音咲いつきさんの宝塚退団後の挑戦についておうかがいしました。『JAGUAR BEAT』に出ていた方と不条理演劇やナイロン100°Cの舞台について楽しくお話ししているというのが個人的には非常にツボでした。

☆『リア王の悲劇』演出の藤田俊太郎さん×木場勝己さん×水夏希さん座談会記事

https://spice.eplus.jp/articles/330708

 木場勝己さんに取材するという長年の夢が叶いました。9月16日初日。

☆『SONG WRITERS』屋良朝幸さん×中川晃教さん対談記事

https://spice.eplus.jp/articles/331129

 同学年の仲良しトークをお楽しみください。11月6日初日。