早くも落涙(笑)、宝塚月組「スカーレット ピンパーネル」記者会見![宝塚]
 ちょっと時間が経ってしまいましたが、3月12日夕方、東京宝塚劇場で行われた公開記者会見のお話。
 一音一音と真摯に向き合い、一字一句をていねいに響かせ、楽曲のもつ壮大なスケール感を大劇場空間に確かに醸し出してゆく、月組新トップスター霧矢大夢さんの「炎の中へ」「ひとかけらの勇気」の歌唱を聴いて、「やっぱり『スカーレット ピンパーネル』の世界はこう来なくっちゃね!」と、大好きな作品に再びめぐり会えてすっかりうれしくなってしまい、思わず一緒に歌っていたあひる(もちろん、口パクで)。続いての新トップ娘役蒼乃夕妃さんの「あなたを見つめると」では、せつなさあふれる歌声に、ヒロイン・マルグリットの心境と何だか思いっきりシンクロしてしまい、ついつい涙…。会見なのに〜(苦笑)。いつもと違い、劇場で行われたということで、会見に出席しているというより客席で観劇しているような気分になっていたのかもしれませぬ…。
 実際、セリ上がりあり銀橋登場あり、星組公演の舞台装置の使用ありと、かなりショーアップされた会見。丸の内のコットンクラブで行われた前担当作「カサブランカ」の会見も、会場を主人公リックのアメリカン・カフェに見立てて、リックに扮した宙組トップスター大空祐飛さんが芝居仕立てで「お水を」というと実際にお店のウェイターの方が水の入ったグラスを持って出てきたりして(そして、どのお客様に水を出せばいいのかわからずちょっとおろおろしていたりして)、小池修一郎氏演出作の会見は粋な趣向多し。しかし、最近は一般の方を招いての公開記者会見というのが流行っているようで、「マルグリット」や「絹の靴下」の会見でもそんな趣向がありましたが、何だか質問する方としてもいつも以上に緊張するものが。そして今回、司会が月組組長・越乃リュウさん&副組長・花瀬みずかさんというのも新しい趣向。残念ながら時間切れになってしまいましたが、時間がもっとあったらこのお二人にもぜひ意気込みのほどを聞いてみたかった次第。
 さて、会見でいつも楽しみなのは、演出家による各出演者評。この日の小池節も絶好調、ショーヴラン&アルマンを役替わりで演じる好対照の個性のお二人、龍真咲さん、明日海りおさんについての魅力分析の箇所など、会場から何度も笑いが起きるほど。主人公パーシーを演じる霧矢さんについての評はおおむね同感、ふむふむと思って聞いていたのですが、エンターテイナーぶりと宝塚の男役としての見せ方の“霧矢ブレンド”を模索中…というあたりで、心の中でちょっとだけ「異議あり!」。というのは、2月のショー「Heat on Beat!」において、この二つの資質は高次元において融合をみた! とあひるは思っているので。もちろん、その融合をとくと見せられるのがこの作品という小池見解については100パーセント同意。
 「スカーレット ピンパーネル」という作品については、近年上演された中で、宝塚の世界に見事にフィットした海外ミュージカルのヒット作ということで、待望の再演では、いかに今後の上演につなげていけるか、大きな期待がかかるところ。再演ものというと、すでにできあがったイメージがあるため、出演者にとってプレッシャーになる部分も大きいとは思うのですが、これまで、海外ミュージカル作品の再演において、いつもオリジナリティを追求し、作品および登場人物に新たな息吹を与えてきた霧矢さんを主演に迎えたからには、きっと新たな「スカーレット ピンパーネル」の世界が必ずや広がるであろうことをあひるは(勝手に)確信済み。実際、前回の上演ですでに作品や登場人物について考え尽くし、書き尽くした…と思ったはずなのに、この日、会見で歌唱を耳にしただけで、新たに胸に湧き上がる感情や思考あり。この夜の歌唱を聴くだに、霧矢パーシーからは“信念の人”という印象を非常に強く受けたなと…。心のこもらない歌、真剣さに欠ける舞台なんて吹っ飛ばしてやる〜という強い信念。その心意気で、4月中旬からの舞台、新トップコンビ&月組一丸となってのパワー大爆発に期待大!