宝塚月組「Rhapsodic Moon」第6章“砂漠の月”に寄せて――[宝塚]
――いいえ、月にかけて誓わないで、不実な月は
一月ごとに丸い形を変えてゆくもの
あなたの愛もそのようにうつろうものになってしまう(『ロミオとジュリエット』より)

春――
二人
同じ景色を見ていた
別々の場所で
靄がかった空気の中、ほの白い月の光に照らし出される景色を

秋――
月はやはり闇夜を照らして、でも、二人は同じ景色を見ない
同じ輝きが二人の心を満たすことはもはやない
貴方の鈍い光の矢は
月を陰らせ
夢を壊す

そのためだけに生きる、そう誓った喜びは、貴方が殺した
他の何にも代え難い喜びを、貴方は殺した
今、貴方の歌声が虚しく響いて、誰にも届かない
かつて、月の夜に多くを告げた貴方の歌声が、何も伝えない

広大な砂漠に愛を注ぎすぎて
私の心は干上がってしまった

美しい想い出は霧散し
瓦礫と崩れ去り
荒れ果てた城跡だけが
貴方の生きる縁(よすが)

私の想念の中、浮かぶ貴方はもはや、幻に過ぎず
貴方の想念の中、私はもはや、浮かばない

ほんのひととき、すれ違って、同じ景色を見ていた二人
今は遠く、違う景色を見ている二人
――月だけが、すべてを見透かし、心を射抜くように、今夜も、光る――