天上の愛〜Kバレエカンパニー「ロミオとジュリエット」[バレエ]
 美を司る大いなる力に、バレエを通じて深い愛を誓う熊川哲也のロミオにとって、ジュリエットとは、その誓いの姿を見守り、そこに美を感じ取る観客に他ならない。今夜、客席に座っていた幸せな一人として、私はジュリエットとなり、ロミオの魂と共に、美しか存在することを許されない天上の世界で、舞っていた。清らかな愛。至高の愛。美に守られた愛。
 そして私は思い出す。バレエダンサー熊川哲也は、私に「書く喜び」を教えてくれた初めての表現者である。舞台評論家・藤本真由の歴史をたどるようなことがもしあったとしたら、始まりの章「修業時代」の最初のページにまず記されるべきは彼の名前なのである。青春物語である。
 今週末から公開される映画「ジュリエットからの手紙」ではないけれども(あひるは残念ながら試写を逃して未見)、今回のKバレエ再演版でもジュリエットは二度、ロミオに手紙を書く。お正月に書く〜と言って書かずじまいの分も含め、あひるもブログを書かなくては。