新国立劇場オペラパレス2015/2016シーズン・オープニング「ラインの黄金」初日[オペラ]
 今年から新国立劇場で新たにシリーズ上演が始まるリヒャルト・ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」序夜「ラインの黄金」の初日を観劇(10月1日19時の部)。火の神ローゲを初めて演じるステファン・グールドが素晴らしい! 人間味と説得力あふれる演技と、聴く者を酔わせる神々しい声、まさに半神という存在にふさわしく。グールドは2017年まで続く今回の“指環”シリーズ四作品にすべて登場、ジークムントとジークフリートも歌う予定なので、シリーズの今後も非常に楽しみに。スーツ姿のローゲが神々の“黄昏”を予見し、どこかしたり顔にも見える表情で眼鏡をかけ直したラストが、まさに今後の予告編。今回観ていて、天上界と地上界と地底界の抗争に、革命家でもあったワーグナーが身を置いていた時代の実際の階級闘争に思いを馳せ、自分自身、新たな“指環”が見えてきそうな予感。いつも心にきらりと引っかかる印象を残す妻屋秀和は巨人族のファーゾルト役が上品にぴったり。7月の東京二期会「魔笛」(宮本亜門演出)では、肥大した脳のかぶりものを着こなしてザラストロを怪演していたのだけれども、今回は、高さが30センチはあろうかという厚底靴を履き、宇宙服にも海底服にも見えるいでたちで登場。何だかコスプレづいているけれども、新国立劇場「アラベッラ」の、とぼけた賭け事好きのパパ、ヴァルトナー伯爵役も温かみがあって好きだったなと。
 明日はまた一人のリヒャルト、シュトラウス先生の「ダナエの愛」の初日!