Kバレエカンパニー『New Pieces』初日[バレエ]
 2月27日18時半の部観劇(オーチャードホール)。テオフィル・ゴーティエの短編小説を題材にした熊川哲也振付の新作『死霊の恋』がすばらしい。原作のエッセンスをぎゅっと一場面に凝縮、死して吸血鬼となった高級娼婦クラリモンドと彼女に狂おしく恋焦がれる聖職者ロミュオー、そしてロミュオーに密かに恋心を抱く先輩聖職者セラピオンの三者のみで織り成す緊迫した作品を創り上げた。音楽はショパン「ピアノ協奏曲 第1番」。ピアノがオーケストラの音に絡み始める、その刹那に姿を現す、この世のものではない“女”。ロミュオーを翻弄するその舞を観ていると、ピアノの音色がぎゅっと心臓を締め付けるかのように鳴り響くのだった。クラリモンドが愛ゆえにロミュオーの元を去るという、原作とは異なる解釈も興味深い。クラリモンドを踊る浅川紫織の、足音や重力を感じさせないような、その浮遊感。
2018-02-27 23:19 この記事だけ表示