ベッド&メイキングス『こそぎ落としの明け暮れ』
 …三日後の20時、高田馬場駅の早稲田口で会おうと男は言う。女は返す。三日後、確かに存在するかどうかわからない場所ではなく、今この瞬間存在する場所がいいと。二人のやりとりに、――瞳にいっぱいになった涙をこぼすまいと、目を大きく瞠ってしまうような、そんな美しさを感じた。
 福原充則(演出も)の手によるセリフは、おもしろうて美しく、やがて哀しいような、けれども、やはり、おもしろく。「あ」と「い」、結合しては「愛」となる二文字の消えていく世界。日常と不条理とのあわいを行き交うような、宇宙的な広がりさえ感じさせる、風変わりなラブロマンス。キャスト全員がそんな世界の住人にふさわしい演技を見せるが、なかでも、野口かおるのはっちゃけ具合は助演女優賞ものだと思う。
 27日までの東京公演に続き、ベッド&メイキングスとしては初めて旅公演もあるとのこと。4月の松本公演、四日市公演、北九州公演をお見逃しなく!
(3月20日14時の部、東京芸術劇場シアターイースト)
2019-03-20 23:16 この記事だけ表示