愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』←→「世界フィギュアスケート選手権2019」男子ショートプログラムの演技[フィギュアスケート]
 先日の観劇があまりに楽しかったので、愛のレキシアター『ざ・びぎにんぐ・おぶ・らぶ』を二度目の観劇、ラストでは夫と共に稲穂を振ってきました(13時、赤坂ACTシアター)。好きなシーンはいっぱいありますが、一番心ときめくのはやはり、長年引きこもりニートだった主人公(山本耕史)が恋を知り、自分を変えようとし――それが、恋が人にもたらす一番の効用である――、ちょっと「SEIMEI」の羽生結弦を思わせる衣装を着て、白馬(人間二人による)に乗って己の内の“魔物”と対峙しに行こうとする「キラキラ武士」のキラッキラの場面――一体全体どうしてそんな展開になるのかは、赤坂ACTシアター&オリックス劇場でお確かめを(作品について詳しくは後日必ず書きます)。ハイテンションのカンパニーによる大盛り上がりの舞台に大興奮、そして、山本耕史のキレッキレの芸と美により心の中の男性美の基準がますます高くなった状態で、フィギュアスケート観戦。以下、放映順。

 ミハル・ブレジナ。クイーンの「リヴ・フォーエヴァー」の音楽を体現しようという気持ちが伝わってきて、よかった。

 田中刑事。
 すべてをさらけ出した、強い男がそこにいた。
 確固たる思い。稲妻に貫かれるような気持ちで、その様を見ていた――めちゃめちゃかっこよかった! フリーも思いっきりはじけちゃって!!!(昨晩、あひるの頭の中で突然、「ウィリアム・テル序曲」が高らかに鳴り出して、しばし止まず)

 マッテオ・リッツォ。
 「ヴォラーレ」のしっとりピアノ・アレンジに乗って、心に染み入るような演技を披露。コーヒーにクリームを注いで、カップの中で漆黒と白とが静かに交じり合っていく様を見守るような、そんな余韻を残して。

 オレクシイ・ビチェンコ。ベテランらしい味わい深い演技。スピンの音の取り方が◎。ステップにも引き込まれた。

 羽生結弦。
 リンクで無事な姿を観られて、まずはホッ。――ああ、この世にこんなに美しいものがあるんだ――と、しみじみ思える瞬間もあり、重ねてホッ。今日の演技、私は好きかも。率直で。人と素直に向き合おうとしていて。何より、スケートを愛していて。その気持ちがあれば、いつか自然と世界は広がってゆくのでは? ちなみに、私自身が若き日、人とふれあって生きていくことの大切さを教えてもらったのは、橋本治の名著『恋愛論』。

 宇野昌磨。
 …たぎりすぎ。前半と後半とで気持ち相反〜。落ち着いて〜〜〜。――人の心を惑わすという、今宵の満月のせいか。しかし。これまでになかった、ゾクッとさせるような男っぽい表情が見られたことは、自信の表れとして◎。

ジェイソン・ブラウン。
完成された世界観。初めて、彼に男性としての魅力を感じた――これまではどちらかというと、キュートで親しみやすい印象だったので。
日本の社会のすべてがいいとは決して言いません。克服すべき問題も多い。けれども、ある面においては寛容なところもあり、自由で暮らしやすい部分もあると思っています。私の母国を愛してくれて、ありがとう。理想は、差別のない世界です。

 話を山本耕史に戻して。
 ただただ己を恃みに芸を磨き上げて、ここぞというときにその芸をカーンと発揮している姿が美しかった。彼が、舞台に立つことを愛していて、その場、そのとき、人生の時間を分かち合っている観客に、自分のすべてを見せたいと励む姿が美しかった。もちろん、フィギュアスケートは勝ち負けのある競技ではあるけれども、でも、その根本は、舞台と変わらないのでは?
 本日、東京では桜の開花宣言がありました。大好きな季節。美しい季節。スケーターの皆さん、関係者の皆さんも、日本の美しさを堪能していってください。
2019-03-21 23:36 この記事だけ表示