「世界フィギュアスケート選手権2019」男子フリースケーティングの演技[フィギュアスケート]
 本日、地元の商店街を歩いていたらば。それぞれに異なるふくろう(本物です!)を肩に乗せた方たち総勢四人とすれ違い。年がら年中、学園祭が行なわれているみたいな自由な街、高円寺の長年の住民としてもかなり動揺、思わず近くにいた方に「…今の、ふくろうでしたよね???」と同意を求め。少し歩いて、はっと思い出す。…あれはもしや、高円寺駅近くでふくろうカフェを経営していた、フィギュアスケート元オリンピック代表…。
 放映順〜。

 キーガン・メッシング。
 最初はちょっともやっとした感じだったけれども、「スマイル」のあたりから想いがにじんで、見応えあり。
 笑いの感覚は国によって異なるので、このあたり、非常に難しいのだけれども。「僕、おどけてます」というのがあまり前面に来るより、あくまで真面目に演じている様が他人から見るとおもしろいという感じで自然に笑いを誘った方が、コミカルな演技にもバリエーションが出るような。そこのバランスがいいときの演技は楽しく観ています。

 ウラジミール・リトビンツェフ。ところどころスケールの大きさが感じられて、今後に期待。

 アレクサンデル・マヨロフ。ラストは晴れやかに。

 チャ・ジュンファン。長い手足を大きく使えているときはとても目を引く。自分自身の個性を発揮しようとしつつあったのもよかった。

 田中刑事。
 グランドでエレガントな彼のスケーターとしての魅力が発揮された演技だった。息を呑むコンビネーション・ジャンプ。スピンの際の手の動きをきちんと表現に高められている、世界でも数少ない存在。軽やかなステップの浮遊感。スリルとアドレナリンでゾクゾクした。
 名前を知っている人だとしても、挨拶をする仲だとしても、必ずしも人と人としてきちんと出会っているわけではないように思う。ただ、私は、演技を通じて、その人ときちんと出会ったな…と感じられる瞬間があって、その時々が幸せである。いろいろ書きました。そして、今、思う。田中刑事選手に出会えて、よかった!

 ミハイル・コリヤダ。
 子供のころから滑りたいと願っていたというだけあって、『カルメン』の楽曲の多様な魅力を引き出し、氷上に描き出す、素晴らしいパフォーマンスだった。身体の奥からカーッと燃えてくる感じ。その演技に、昔、スウェーデンのストックホルムで観たオペラ『カルメン』における熱さ、暑さの表現を思い出した。暑い国だと気候と体温とが同化するのに対し、寒い国では熱さは寒さとの対比で表現される傾向にあるような。

 モリス・クヴィテラシビリ。
 途中から気持ちが入ってきて、ぐっとよくなった。優しい人である。私にとってグルジアは、振付家ジョージ・バランシンのルーツであると同時に、ニーナ・アナニアシヴィリの母国と、バレエに秀でた才能を輩出した国のイメージがある。これからの彼の表現も楽しみ。

 アンドレイ・ラズキン。
 淡い色彩のパステル・タッチで、幸せそうな恋人たちの姿がフラッシュバックのように描き出される、実に見応えのあるパフォーマンス。こんな素敵なロミオに愛されるジュリエットは幸せ者!

 ケビン・エイモズ。
 個性的な振りを端正にこなす姿が印象的。――デモに揺れる昨今のフランスに、『ベルサイユのばら』で描かれるフランス革命の様を重ねて見てしまっているところのある自分に気づかされた。

 ボーヤン・ジン。髪型もかなり改善、ジャンプ以外の要素、動きも磨かれてきていて、演技全体、楽しめるようになってきた。ラスト、魂の炸裂!

 ミハイル・ブレジナ。
 ハードでワイルドな踊り。私も、黒の革ジャンとスカートでばっちり決めて、挑発的なまなざしで、彼を見据えて一緒に踊りたかった!

 ヴィンセント・ゾウ。手の動きや上半身の開きといったあたりが中途半端で、止めるの? 伸ばすの? 流すの? と疑問を抱かせるところを、きっちり調整していったらいいのでは? それと。エキシビションでa-haの「Take On Me」を滑るなら、せっかくプロモーション・ビデオのモートン・ハルケットの服装までバッチリ再現しているんだから、ポップで軽快な表現を頼む!!!

 宇野昌磨。
 …舞台や演技を観ていて、「この人、素敵!」と思うと、私の心の中には、その人に対する想いを貯めるダムがボンと出現する――レッドカードやイエローカードで土砂が溜まって、肝心の想いが溜められなくなって閉鎖せざるを得ないこともたまにあるけれども。そうやって次々ダムを出現させる力があるというか、世間的には“惚れっぽい”って言うんでしょうね。思えば、幼稚園三年で毎年好きな男の子が変わったり、昔から惚れっぽかった。今は職業上活かせているから、よし。
 スケート以外でも世界が広がる方が、スケートに新たな魅力が増すと思います。それと、念のため。くれぐれも、せっかく退治しかけた“魔物”の場所に、新たな“魔物”を置くようなことはしないように。けれども。“翻弄する月の光”という表現はセンスがいいと思うし、翻弄される男も演じられる方が芸の幅も広がって◎。

 マッテオ・リッツォ。
 クイーンのメドレーに乗って、楽しい演技を披露。氷上で演じる才能を非常に感じさせる人である。「Don't Stop Me Now」は観ているこちらもノリノリ。願い通り、イタリアでフィギュアスケートがもっともっと盛んになっていきますように! 止めるものはない!

 ネイサン・チェン。
 自嘲。愚痴。観ている方がよっぽど空しいって。
2019-03-23 23:59 この記事だけ表示