『いだてん』二十回目〜 [ドラマ]
「レアな新種、キタ〜〜〜〜〜!!!!!」(「ポケモンgo」の)
 と、昨夜、夫と夜道をいきなり全力疾走することになったあひるであった(ポケモンがある場所に出現する時間は限られているため)。ジョギングをするわけではないので、全力で走る機会はめったにない。「遅れてきたら、私をおいて先に行っていいから」と夫には言った。しかし。何ということでしょう、最近時間を作って夜な夜な夫と母と散歩するように心がけていたからか、知らず知らずのうちに脚がものすごく鍛えられていた。走れる! 息が切れそうになっても、脚が自然と前に進む! 以前の自分より明らかに走れるようになっている! 途中、歩きも挟みましたが、約1.2キロをかなりのスピードで駆け抜け、無事レアポケモンをゲット。同時に自信もゲット。人間、鍛えれば向上できる…! どんどん前に進んでいける、それが走る楽しさだったりするのかな…と、『いだてん』について考えながら爆走していました。
 嘉納治五郎(役所広司)のクーベルタンへの手紙が功を奏し、マラソンはアントワープ・オリンピックの正式種目に! そして、岸清一(岩松了)のおかげで渡航費も支給されることに。監督は誰? ――ストックホルムのとき、監督をめぐってプチ争いを繰り広げるも、大森兵蔵にその座を奪われた体協の可児徳(古舘寛治)と永井道明(杉本哲太)の凸凹コンビ。今度こそ二人のうちのどちらかのはず、もしや? と可児が問うたところ、確かに永井は打診を受けていた。けれども。意外なことに、断っていた。自分はもはや、古い人間だからと。退こうとする人間の決意、その美学。明治男のせつなさが胸を打つ、杉本の演技。じゃあ監督、可児さん? と思いきや。アントワープに出発していったのは、辰野保というこれがいきなり初登場の人物だった。見送る人々の「バンザーイ」の声にまぎれ、一緒に手を上げつつ「辰野〜、誰だ〜」と可児さん。演じる古舘寛治の情けなくも実に微妙な表情。爆笑。可児さんと同じく「誰だ〜」と訝しみつつ、でも、その名字で東大出の弁護士ということはもしや…と思いきや、やはり、東京駅の建築で名高い建築家、辰野金吾の息子でした。
 船でアントワープへ向かう選手団――横浜・山下公園(今、バラ園が見頃!)に浮かぶ氷川丸のアールデコ様式の船内やデッキ等が画面に登場〜。そして。いざ下船というとき、金栗四三(中村勘九郎)は遂に皆に告白することとなる。養子縁組したため、自分は池部姓であること、妻と子供もいること。妻子の写真を見せてもらえたのは治五郎先生オンリー――口に両手をやって「キャ」と言わんばかりの反応を見せる役所広司がめちゃめちゃかわいい。しかし。他の人々は妻の正体わからずじまい。妻、誰だ〜。予想をめぐらす人々。
 ロンドン勤務となっていた三島弥彦(生田斗真)、自腹を切ってやって来た永井らの現地での励ましを受け、走る金栗と日本のいだてんたち。――しかし。世界の壁は厚かった。報告会。芳しい成績を上げられなかった日本選手団――金栗は、ハードワークがたたって足を痛めていたこともあり、16位だった。日本選手たちに、集まった記者から怒号が飛ぶ。「非国民!」――あひるも、あるとき、ある競技のワールドカップにあまり興味を示さなかったら、言われたことがあります。「藤本さんは非国民だ!」と――言った人、記者だったな、そう言えば。多様な声をすくい上げ、健闘をまずはたたえる、そんなジャーナリズムが理想かつ信条なり。
 怒号飛び交う中、一人、敢然と記者たちに言い返したのは、スヤ(綾瀬はるか)だった。「金栗四三の妻、誰だ〜」と皆に思われていた、その人。マラソンの選手たちが完走したことをたたえ、夫四三の走りは自分にとっては金メダルだと宣言する。強い人。ぶれない人。こういう人に支えられているからこそ、四三さんも己の道に邁進できるんだろうな…って、四三さん、傷心でさまようベルリンで女子槍投げにびっくりしてないで、早く日本へ、スヤさんのもとへ帰ってきてあげて〜。
 今回、青年時代の田畑政治が登場しましたが。最初、阿部サダヲ本人が演じているのかな…と思った。それくらい、この役を演じる原勇弥は、阿部の演技の特徴をとらえていた。一人の人物の人生を複数の人間で演じる場合、つながりがきちんと意識されていると、おお、やるなあ! と思う。そんな演技。
2019-05-26 23:59 この記事だけ表示