藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
ご意見・お問い合わせ等は
bluemoonblue@jcom.home.ne.jp まで。
「中国杯2019」男子フリースケーティングの演技[フィギュアスケート]
チー・イー・ツァオ。
ステップ・シークエンスあたり、思いが乗っていた。途中からさらに乗ってきて、音と振付の意味を入念に確認しながら滑っていっていて、その行為を彼自身が非常に楽しんでいた姿が好印象!
コンラッド・オーゼル。
『レ・ミゼラブル』のドラマティックな音楽に向き合おうとする演技姿勢が◎。
チャ・ジュナン。
すばらしい演技! 気持ちが前に、前に行っていた。途中から乗ってきて、ジャンプがビシバシ気持ちよく決まることといったら! 滑ること、生きることを、全身で謳歌する姿に、涙…。少年の美しさから青年の美しさへ、着実に変化しつつある。この世にただ一人しかいない、貴方だけが体現し得る氷上の美を追求していって! 衣装の背中の部分の開いた感じだけ若干謎(色彩的にもうちょっとコントラストがついた方が美しく見えるような…)
アンドレイ・ラズキン。
振付はブノア・リショー。男性スケーターが氷上に咲かせる情熱の花、素敵! 演技に滑らかさがあり、後半、ずっと涙していた…。身体の内から熱さを感じさせるところに、寒い国の人ならではの表現の魅力がある。ロシア人スケーターとしての誇りを感じさせる演技に、…ロシアという国の風土や文化をもっと深く知っていきたい! と強く願った。
ブレンダン・ケリー。
曲は『シャーロック・ホームズ』より。考え込むポーズがおもしろい。ユーモア・センスとサービス精神に恵まれた人のようなので、その魅力をさらに発揮していく姿が観たい。チャップリンをも思わせる、早回しのような楽しさのあるステップ・シークエンス。頑張っちゃうぜ〜と張り切っていて、終盤とてもおもしろかった!
田中刑事。
曲は『シャーロック・ホームズ』より。コンビネーション・ジャンプ、素敵! プログラムの中のドラマがだんだん見えてきて、おもしろい!
カムデン・プルキネン。
『ラスト・エンペラー』の雄大な曲を感じ、曲とスピードを合わせて滑ろうとしているところがよかった。
キーガン・メッシング。
…私は、貴方の演技を通じて、今はこの世にいないその人を感じるのです。その人が、貴方の中に確かに生きていることを――。
フライングシットスピンに入る際の浮遊感! 魂の炸裂のようなラストのスピン。泣いてしまった…。美のため共に闘わん!
フー・ジャン。
しなやかさが感じ取れた箇所の演技はよかった。
ボーヤン・ジン。
中国のエースが、地元大会で雄々しく立ち上がった! 凄まじい気迫。魂のステップ。悠久の大河を思わせる演技。…その姿を観ていた人々の胸に、フィギュアスケートのすばらしさが確かに刻み込まれたと思うのです。
ちょっと気は早いですが、2022年北京冬季オリンピック、みんなで手を取り合って、平和の祭典にしましょう!
ハン・ヤン。
…氷上に、男が一人、たそがれて。余裕綽々といった感じのジャンプ。飄々と口笛を吹いて、「俺、平気だよ」と強がっているような、でも、どこか、男の覚悟を感じさせるような。強がる男の背中を、「…ここにいるから!」とつついてあげたくなる。――氷上に描き出される4分間のドラマ。この主人公なら、ヒロインはどう寄り添ったらいいかしら…と、あれこれ想像をふくらませてしまう演技。
マッテオ・リッツォ。
振付はマッシモ・スカリ。
フラメンコという踊りにはさまざまな魅力がある。彼の氷上の舞は、自分自身の内的世界と向き合い、これに分け入っていって真摯に探求しようとする、フラメンコのストイックで峻厳な一面を存分に味わわせてくれた。
追伸:「全日本フィギュアスケート選手権」の12月22日のチケット、当たりました。
ステップ・シークエンスあたり、思いが乗っていた。途中からさらに乗ってきて、音と振付の意味を入念に確認しながら滑っていっていて、その行為を彼自身が非常に楽しんでいた姿が好印象!
コンラッド・オーゼル。
『レ・ミゼラブル』のドラマティックな音楽に向き合おうとする演技姿勢が◎。
チャ・ジュナン。
すばらしい演技! 気持ちが前に、前に行っていた。途中から乗ってきて、ジャンプがビシバシ気持ちよく決まることといったら! 滑ること、生きることを、全身で謳歌する姿に、涙…。少年の美しさから青年の美しさへ、着実に変化しつつある。この世にただ一人しかいない、貴方だけが体現し得る氷上の美を追求していって! 衣装の背中の部分の開いた感じだけ若干謎(色彩的にもうちょっとコントラストがついた方が美しく見えるような…)
アンドレイ・ラズキン。
振付はブノア・リショー。男性スケーターが氷上に咲かせる情熱の花、素敵! 演技に滑らかさがあり、後半、ずっと涙していた…。身体の内から熱さを感じさせるところに、寒い国の人ならではの表現の魅力がある。ロシア人スケーターとしての誇りを感じさせる演技に、…ロシアという国の風土や文化をもっと深く知っていきたい! と強く願った。
ブレンダン・ケリー。
曲は『シャーロック・ホームズ』より。考え込むポーズがおもしろい。ユーモア・センスとサービス精神に恵まれた人のようなので、その魅力をさらに発揮していく姿が観たい。チャップリンをも思わせる、早回しのような楽しさのあるステップ・シークエンス。頑張っちゃうぜ〜と張り切っていて、終盤とてもおもしろかった!
田中刑事。
曲は『シャーロック・ホームズ』より。コンビネーション・ジャンプ、素敵! プログラムの中のドラマがだんだん見えてきて、おもしろい!
カムデン・プルキネン。
『ラスト・エンペラー』の雄大な曲を感じ、曲とスピードを合わせて滑ろうとしているところがよかった。
キーガン・メッシング。
…私は、貴方の演技を通じて、今はこの世にいないその人を感じるのです。その人が、貴方の中に確かに生きていることを――。
フライングシットスピンに入る際の浮遊感! 魂の炸裂のようなラストのスピン。泣いてしまった…。美のため共に闘わん!
フー・ジャン。
しなやかさが感じ取れた箇所の演技はよかった。
ボーヤン・ジン。
中国のエースが、地元大会で雄々しく立ち上がった! 凄まじい気迫。魂のステップ。悠久の大河を思わせる演技。…その姿を観ていた人々の胸に、フィギュアスケートのすばらしさが確かに刻み込まれたと思うのです。
ちょっと気は早いですが、2022年北京冬季オリンピック、みんなで手を取り合って、平和の祭典にしましょう!
ハン・ヤン。
…氷上に、男が一人、たそがれて。余裕綽々といった感じのジャンプ。飄々と口笛を吹いて、「俺、平気だよ」と強がっているような、でも、どこか、男の覚悟を感じさせるような。強がる男の背中を、「…ここにいるから!」とつついてあげたくなる。――氷上に描き出される4分間のドラマ。この主人公なら、ヒロインはどう寄り添ったらいいかしら…と、あれこれ想像をふくらませてしまう演技。
マッテオ・リッツォ。
振付はマッシモ・スカリ。
フラメンコという踊りにはさまざまな魅力がある。彼の氷上の舞は、自分自身の内的世界と向き合い、これに分け入っていって真摯に探求しようとする、フラメンコのストイックで峻厳な一面を存分に味わわせてくれた。
追伸:「全日本フィギュアスケート選手権」の12月22日のチケット、当たりました。
2019-11-11 23:08 この記事だけ表示