『ラ・ボエーム』[オペラ]
 1月28日14時の部、新国立劇場オペラパレス。
 僕は文無しの詩人だけれども、夢と空想があるから魂は大金持ち…と、ヒロイン・ミミ(ニーノ・マチャイゼ)に愛の歌「冷たい手を」を歌いかけるロドルフォ役のマッテオ・リッピの情熱的な歌唱。パオロ・カリニャーニの指揮のもと、甘く流れる音楽に、英語で言うところの“sweet surrender”――…もう、どうにでもして…の境地――を感じて。しかし。そのときあひるの胸にあったのは、…ミミみたいに歌いかけられたい…という気持ちではなく、ロドルフォになってこの歌を歌いたい! という熱い思いなのだった――オペラを観ていてそのように男性キャラクターに感情移入したのは初めてかもしれず。終幕のミミ臨終のシーンでは、…亡き人の魂を近くに感じるような、そんな思い。美しい音楽に耽溺することのできるオーソドックスな演出。ブロードウェイ・ミュージカル『RENT』の基ともなった、1830年代のパリが舞台の若き芸術家たちの青春群像劇、普段あまりオペラを観ないという方にもお勧めします。公演は残すところ、1月31日と2月2日のあと二回〜。
2020-01-28 23:59 この記事だけ表示