――光
 夜の散歩の際、近所の神社にたびたびお参りしているのですが、最近めっきり境内が暗くなっていて、しかもなぜかそこに人々が蠢いている。何が起きているのやらと思っていたら。
 ――光った!
 蛍がいるのでした。子供のころからこのあたりに住んでいますが、東京で見るのは生まれて初めて。
 それから夜な夜な蛍狩り。最初のうちはなかなか自分で発見できなくて、教えてもらったりしていたけれども、だんだん目が慣れてきて。飛んで行った蛍が降り立ったあじさいの花の上に、もう一匹を見つけたり。今夜も雨の中、あちらこちらに。ゆらめき瞬いたり、電球のように激しく光ったり、暗闇の中、幻惑するようなその光に一心に見入っていると、――何だかそれが、希望のように思えてきて。
2020-06-06 23:31 この記事だけ表示