「うたコン」[テレビ]
 今夜も谷原章介&赤木野々花アナウンサーの司会コンビは絶好調!
 オープニングはさだまさしの「関白宣言」――率直に言います。少女のころからあの歌詞、苦手でした。大人になった今ならわかる。あのような言い方でしか愛情表現できない不器用な人もいるということが。そのあたり、私よりさらに下の世代にも説得力をもって伝える方法がきっとあると思う。
 大黒摩季の「ら・ら・ら」は、聴く者を優しく包み込むような歌。…私にも、“逢いたい”、けれども、“逢えない”人がたくさんいます。でも、近いうち逢える、そう信じているから!
 細川たかしが「2020 イヨマンテの夜」を絶唱――圧巻。耳に響くは太古のリズム。“熊祭り(イヨマンテ)”で出逢う、男と女。闇夜に炎がゆらめいて――情熱の夜。心の中にゆるぎないものがある。だから、歌いながら、観客のいないNHKホールを大きく見渡しても、まったく動じることはない。日本国民全員を相手に、45年歌ってきた者の凄み。伊藤久男が遠縁であると私に教えてくれた母も、今宵の歌声に涙したと、夜の散歩で語ってくれました。
 クミコ×井上芳雄で「小さな手」。――顔は笑って、心で泣いて、そんな歌に、泣いてしまった…。4月の『桜の園』、5月の『エリザベート』大阪公演と、井上芳雄の舞台を観損ねました。でも、歌詞の通り、「♪明日は今の積み重ね」――あひるも、生き物を観察することで観る力を鍛えたり、“観ない”ことを通じて“観る”ことを考えたり。次に劇場で逢える機会を心待ちにしています。谷原章介と井上芳雄のトークは前々からの期待通り、しびれるものあり。
 大黒摩季の新曲「OK」。パンチが効いた歌声の中に、包容力と、祈りと。頼れる姐御!
 ジャニーズWEST「証拠」。――7人それぞれのエネルギーは感じた。それをきちんと束ねて発信すると、さらにパワーアップするのでは?
 真田ナオキ「恵比寿」。線が細いルックスからは想像できないハスキーボイス。「♪惚れちまったの俺!」と勢いよく歌う、それはあくまで歌の主人公の内面の声であって、惚れちまった女(ひと)を前に実際にはナイーブにドギマギしているような、そんな心のドラマを感じさせて。
 さだまさし「柊の花」には、澤和樹がバイオリンで参加。さだの歌声に寄り添う旋律に聞き惚れる至福――以前、サントリーホールで聴いたチェリストのヨーヨー・マが、…君はそう思うんだね…と、共演者の心に寄り添い、“対話”しながら演奏していたことを思い出した ――そして、自分が、生の演奏に餓えていることに気づかされた。惜しむらくは、せっかくのそんなひとときを、歌い手自身が楽しめていなかったように見受けられることである。ENJOY!!!
2020-06-23 23:58 この記事だけ表示