『麒麟がくる』最終回に思う [ドラマ]
 今に生きる我々は、歴史上に起きた過去の出来事の顛末を知っている――その顛末の帰結の果てに、我々が生きる今がある。しかしながら、今を生きる我々が、今起きている事態の成り行きを知らないのと同様、過去の時点においての“今”を生きる人々は、その顛末の成り行きを知らない。最終回を観て強く違和感を覚えた次第である。
 主人公明智十兵衛光秀を演じた長谷川博己の盤石の受けの演技が周囲に好ましい影響を及ぼしていくのを見守った一年だった――印象に残った役者についてはその都度記した。また、正親町天皇役として登場した坂東玉三郎の存在感が終盤の展開をぐっと締めた。ジョン・グラム作曲のテーマ音楽も勇壮でよかった。
2021-02-14 14:10 この記事だけ表示