本日の『絵本太功記』![歌舞伎]
 死への壮絶な覚悟を決めた武智十次郎光義役の尾上菊之助からあふれ出る思い――その演技に導かれた果て、浄瑠璃がただただ心に沁みて、涙を流す自動装置になったかのようだった――。そして、その母、光秀妻操役の中村魁春が心情を舞う――そのとき、あたり一面が真っ白な世界に、ただ魁春だけがいた。ふっと魂が呼び寄せられ、その世界にただ二人きりで存在した、その時間がたまらなく幸せだった――。

(四月大歌舞伎第二部、歌舞伎座)
2021-04-08 23:59 この記事だけ表示