藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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「五木ひろしコンサート in SHIBUYA」
9月19日15時の部観劇(LINE CUBE SHIBUYA<渋谷公会堂>)。五木ひろし75歳のパワー全開。楽しい趣向が凝らされているこのコンサート、来月同じ構成で大阪で開催されるとのことなので、まずは少しだけ。私、この日の朝、たまたま山本譲二の「みちのくひとり旅」について考えていたのですが(母方の祖父が会津若松出身ということもあり、小さいころから気になる歌だった)、その曲を五木ひろしの歌唱で聴けるとは! コンサートの後、令和5年8・9月文楽公演第三部『曾根崎心中』(19時の部、国立劇場小劇場)をハシゴ、五木ひろしのギター弾き語り(「よこはま・たそがれ」!)を聴いたのと同じ日に文楽の太夫の語りと三味線を聴いたのも非常に興味深く。そして、文楽が心中物だったので、「♪ここでいっしょに 死ねたらいいと/すがる涙の いじらしさ」と歌い出す「みちのくひとり旅」は、男が女の心中の願いを受け入れなかったところから始まる歌なんだな……と改めて。