藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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月組東京芸術劇場プレイハウス公演『BLUFF(ブラフ)−復讐のシナリオ−』!
[宝塚]
月組の久世星佳主演で1990年に初演された作品の待望の再演(作・演出=正塚晴彦)。作品も音楽(作曲・編曲=高橋城、高橋恵)も演者たちもかっこよく、おもしろい! 最後までハラハラドキドキ。主人公の天才詐欺師ドノヴァンを演じる風間柚乃が、……こんな風にエスコートされたら素敵だろうな……と思わせる男役の魅力を発揮。ヒロイン・シャロンを演じる花妃舞音は、恩人を殺された復讐を果たすためのドノヴァンによる詐欺、“芝居”に参加することになり、これをきっかけに冴えない日々から抜け出そうとする。自分の殻を破ろうともがくシャロンを演じる花妃に、磨けば大いに光るのではないかと思われる鉱脈のきらめきのような瞬間あり。ドノヴァンのシャロンへの指南がそのまま演劇論に感じられたりするのがおもしろかったり。ちょっとゆっくり整理したく。