藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
ご意見・お問い合わせ等は
bluemoonblue@jcom.home.ne.jp まで。
玄界灘の潮風に吹かれて[福岡]
先週後半まで20日間ほど福岡に行っていました。ちょうど福岡ソフトバンクホークスのリーグ優勝が決まろうかという頃、福岡の家のある唐人町は本拠地「みずほPayPayドーム福岡」のお膝元なので、夜分、近所を晴れやかな感じではなく歩いている人々の姿で、……あ、今日は勝てなかったのね、と察したり。そしていざ優勝したらば、博多阪急の素敵なカフェでお茶していても「♪玄界灘の潮風に〜」と応援歌「いざゆけ若鷹軍団」が流れてきて、街をあげて応援しているんだなと。優勝の夜は唐人町商店街も大変盛り上がったそうなのですが、あひるはその日、導かれるようにたどり着いた父方のルーツにつながる街で、ちょっと不思議な体験をしていたという。その話はまたいずれするとして、街を探索したり、本を読んだり、向こうではのんびり過ごしており。白鳥ボートが池に浮かぶ大濠公園&舞鶴公園散歩がすっかりお気に入りになったのですが、夫が開発した散歩コースというのがけっこうアップダウンが激しく、体力がつきました。その際、……昔、ここで野球やってたんだな……と、今は原っぱとなった平和台野球場跡にたたずんだり。昨年秋の博多座観劇の際にも足を運んだ大好きな街、門司港(近代建築と現代建築の調和がすばらしい)にも行くことができ、……去年来たときには、一年後に夫と一緒にまた来ることになるなんて思ってもみなかったな、と。生まれてからこの方、東京とカナダのオタワ以外住んだことがなかったので、日本の地方都市での生活に刺激を受け、少し新たな視野が拓けたみたいだなと、帰京して劇場の客席に座っていて思ったり。残りの10月は東京で頑張ります〜。