『エレクトラ』初日[オペラ]
 指揮=大野和士、演出=ヨハネス・エラート、合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京フィルハーモニー交響楽団。新制作のプロダクションの初日。
 作曲家リヒャルト・シュトラウスと原作者フーゴ・フォン・ホフマンスタール、オペラ史上に輝くコンビの最初の共作。――新たな時代到来の予見。使命の自覚。志を同じくする者との邂逅の至福、その者への祝福。そして、女性たちの内なる声を聴き、その声を音に乗せること――初演時の1909年から時を超えて、21世紀の今、否、その先まで見晴るかすような。
 スポーツを観るようになって、声を出して応援をする。そのとき、自分の中からこんなにも声が出てくること、自分の中にこんなにも声があることに驚いた。そのあたりから、オペラもさらに身近なものとして聴くことができるようになった。そして、自分の中にあるものを言葉として出すためらいを以前より感じなくなった。作曲家は、言葉を得て音を紡ぎ出した。舞台評論家は、舞台を得て言葉を紡ぎ出す。

(19時、新国立劇場オペラパレス)