…自分自身でも、書いた後にその意味がわかる文章を、羽生結弦の演技にまた書かされてしまった…と、ショートプログラムのあった2月7日の深夜、一人、さめざめと泣いていて…。
 ――自分はいったい、誰に対してそんなに「鎧」をつけなくてはいけないと思ったのか。いったい、何のために? はっきり、わかったのです――日本舞台芸術界の話なのですが。
 そして、フリースケーティングの「SEIMEI」を観て、決意を新たにして。
 人と人として接したときにのみ、信頼関係は生まれる。だから。
 私、これからも「鎧」なしで行くわ――「鎧」じゃなくて、愛で行く。
 競技において「SEIMEI」を観るのは、2年前の平昌オリンピック以来である。…結界、張らないんだな…と思った。張らないで、闘うんだな…と。――生を謳歌していて。愛と楽しさと幸せにあふれていて。だから、今の「SEIMEI」の方が、同じ時間を生きる人間として、より深く心ひかれるのだろうと思う。

 「Hope & Legacy」を滑ったエキシビション。
 フィギュアスケートへの愛が、ますます深く、激しく、強く、燃えているんだな…と感じた――隣で一緒に観ていた夫が、「綺麗だね」と言っていた――。
2020-02-15 18:57 この記事だけ表示
 クリストファー・カルーザ。
 気迫は感じた。ちょっと気持ちが先走り?

 マイカ・カイ・リネット
 手を上げる、腕を伸ばす等、一つ一つの動作にもっと明確さ、思い切りがほしいところ。

 ジョーダン・ドッズ。
 猫背気味に見える。背筋が伸びている方が万事綺麗に見えると思う。

 ハリソン・ジョン・イェン・ウォン。
 一つ一つの動作の始まりと終わりを意識した上でつないでいくと演技に流れが出るような。

 チーイー・ツァオ。
 スローパートに入ってからは気迫も乗ってきているように見えた。

 ジェームス・ミン。
 曲と、表情(笑顔)&身振りの関連性がいまいちピンと来ず。

 フー・ジャン。
 音楽を感じて滑ろうとしている姿勢がよかった。

 イ・シヒョン。
 上半身と下半身の動きがバラバラに見えてしまい…。もっと統一性がほしいところ。

 イ・ジュンヒョン。
 音楽、演技にしっかり入り込めている個所は好印象。

 ロマン・サドフスキー。
 演技中は自分に集中〜!

 エイドリアン・ポール・セレスティーノ。
 スピードのコントロールに若干手こずっていた印象が…。

 ドノバン・カリーヨ。
 熱いものは感じた。終盤は色気も少々。

 ブレンダン・ケリー。
 コミカルな部分が演技上よく効いていた!

 ハン・ヤン。
 …背中にせつなさとやるせなさを感じた。

 カムデン・プルキネン。
 毎日の練習が苦しいときもあるかもしれない。それでも、その苦しみを超えて、楽しさ、幸せを感じながら滑ってくれたなら、毎日の生活、やはり苦しいこともある観客も、観ていて楽しさ、幸せを分かち合うことができるのだと思う。「威風堂々」という言葉が浮かんで、じわじわ涙しながら観ていた。芝居心、演じようとする心を非常に感じる人である。

 友野一希。
 この日、一番おもしろかったで賞。シリアスなんだけど、あまりに発想がユニークで、つい笑ってしまった――“化け物”たちが主要登場人物に配された、パッショネイトな純愛物語。爆発的におもしろすぎ! 魂の叫びを、途中、本当に大声出して叫んでいるんじゃないかと思ったほど。このパフォーマンスで、友野一希に、フィギュアスケートに、惚れた! という人、多いと思う。

 樋渡知樹。
 演技に流れがあるのと、演技が流れていってしまうのとでは違うと思うのだけれども、「NHK杯2019」のときより音楽を意識して滑っていると感じた。

 ナム・ニューエン。
 肩の力が抜けた感じが大人の男の余裕を感じさせて。手で「来いよ」と会場をめちゃめちゃ煽って、本人が楽しんでいることが伝わってくる演技でした。

 キーガン・メッシング。
 この日は、「特急キーガン号」暴走気味の回…(ときどきありますよね…)。落ち着いて〜と祈るように観ていた。いつかきっと機会はあります。フライングシットスピンのフライングにふわっと浮遊感。

 鍵山優真。
 …その音楽を聞いてどんな気持ちになる? どういう風に身体を動かしたくなる? 音楽を聞いて、感じよう。その上で滑ろう。若さはじけていっちゃって!

 チャ・ジュンファン。
 美しく滑ろうという気迫が最後までみなぎっていて、よかった!

 ボーヤン・ジン。
 豪快なジャンプがいくつか観られた!

 ジェイソン・ブラウン。
 ――愛に満たされている者の滑りは、観る者をも愛で満たす。
 …悲しい出来事は、自分の身にも他者の身にもできれば起こらない方がいいけれども、自分自身の身に起きてしまったときは、…これから同じ経験をする人を励ますことができるな…と思って生きています。
 その使命、全力応援!!!
2020-02-15 18:55 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。

 キム・イェリム。曲は映画『ある愛の詩』より――この映画の有名なセリフ、「Love means never having to say you’re sorry」を、何だかちょうど思い出しており。優しさに心満たされていって、せつなさで胸がきゅっと締め付けられるような演技。音楽を感じて滑ろうとしている姿勢が伝わってきた。

 アンバー・グレン。
 ショートプログラムとは一転、しっとりした世界を展開。演技の時間とは、それを見せている演者と、観ている人間とが、限られた人生の中の大切な時間を濃密に分かち合うことのできる一瞬なんだな…と、慈しみたくなるような演技。

 カレン・チェン。
 かけがえのないものを自分の中で大切に育てていって、あるとき、自分と世界を信じて、広い世界へと解き放って、羽ばたかせてゆく――。人と人とが手を取り合って生きていく平和への希求、その結晶としての、ラストのスピン。

 イム・ウンス。
 少女から大人へ、夢や憧れがいっぱいつまった世界。お気に入りのオルゴールの中、大好きな音楽に合わせてくるくる回る人形、…その回転に、いつまでも見入っていたいような、そんなスピン。

 樋口新葉。
 自分の使命に気づき、それをしっかり生き始めた人は、生の輝きが内からあふれてくる。今の樋口新葉にはその輝きがある。一つのプログラムの中で、さまざまな表情を見せ、刻々と変化していく女性像。そのきらめき。
 トリプルアクセル、世界選手権でも観たい!

 坂本花織。
 四回転トーループに挑んだ自分をまずはほめる! その上で、もう一回自分と向き合おう。『マトリックス』、途中何だか物憂げになってたぞ〜。元気な貴女がみんな好き。

 ブレイディ・テネル。
 曲は映画『ニュー・シネマ・パラダイス』より――父方の伯父が亡くなり、今朝、水戸に赴き、告別式に出席してきたのですが、お棺に花を入れているとき、この曲が流れてきたのでした…。
 ――心に落ちる影、その形が、繊細に切り取られたレース模様を描き出していくのを、どこかせつない想いで見つめているような。そして彼女は、自分の人生におけるフィギュアスケートの意味を見出していった。心に残るフィギュアスケートの美を、滑りながら追体験していった――。

 ユ・ヨン。
 ジャンプが高い! 綺麗! …15歳の若さにして、表現する喜びに目覚めていった――観ていて、ぞくぞく。貴女は表現者向きです。今後が非常に楽しみ!
 『エビータ』の曲だから、キッと強い目線がもっとあってもいいかも&「ブエノスアイレス」のところはもっとノリノリにはじけちゃって!

 紀平梨花。
 ENJOY!!!

追記)明日の男子フリースケーティング、一応LIVE配信にチャレンジしてみます――自分が観て書けるだけの画質でなかった場合は観るのを止めます――最初の視聴が肝心なので。
2020-02-08 22:24 この記事だけ表示
 …うれしくて、悔しくて、でも、幸せで。素直な心のままに接することのできる人がいること。
 2020年に入って、めちゃめちゃ張り切って頑張っていて。評論家として、もっともっと上を目指さなくてはいけないと思って――そこはもう、先に生まれてしまった人間としての意地というか。
 でも、ショパンの「バラード第1番」に乗せた今夜の演技を観ていて――自分がどこか、そうして心に鎧をまとおうとしていたこと、そして、美とは、そんな鎧をいとも簡単に取り払ってしまうものなんだと気づかされて…。鎧を取り払われて、怖くて、震えるようで、でも、包み込まれてしまえば、まるでこの世ではないような世界での、魂の共鳴だけがあって…。――二度の、波。
 肩書とか、人生において果たすべき役割であるとか、そういったものの前に、…心と身体をもった一個の生き物だったんだ…と感じる喜び。その至福。本気で魂をぶつけ合えること。そうして、この先に続く道を一緒に歩んでいけること――。
2020-02-07 23:45 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。

 ロマン・サドフスキー。
 ラストのスピンは綺麗でした。

 鍵山優真。
 …音楽…。
 単独ジャンプは二つとも綺麗でした。

 ナム・ニューエン。
 曲は「ブルース・フォー・クルック」。コンビネーション・ジャンプのタイミングを二つとも音楽と合わせてきた。余裕のある感じの表情もいい。「来いよ!」みたいな“ニヤリ”な顔も混ぜてみるとさらに効くかも。

 樋渡知樹。
 …何だか、終始、力押し一辺倒に見えてしまい…。

 カムデン・プルキネン。
 …「死」を超えて生き続けていく「記憶」の強さを思った。

 ブレンダン・ケリー。
 肩からもっとやわらかく腕を動かすようにすると表現の幅が広がるような。

 友野一希。
 …炎が見えた。宇宙的な世界観。真空の中、自分自身がきゅーっとふくらんだり、縮んだりするような、不思議な変容。

 キーガン・メッシング。
 …人生、雨の日もあれば晴れの日もあるよね…と、しみじみ、涙してしまった…。でも、楽しんで滑っている姿を観て、それを書き記すときは間違いなく楽しくて幸せです。今日の演技もありがとう!

 チャ・ジュンファン。
 男性らしい意思の強さが演技全体ににじむように。ただ、腕にしても身体にしても、スピードに煽られている感じというか、動かすのではなくつられて動いていってしまっているように見えるときがあり…。

 ジェイソン・ブラウン。
 …せつなさと、大人の男の翳りと。

 ボーヤン・ジン。
 人と人とが、一対一で、個人で向かい合う上では、「国境」という人為的な境界線は必要ないわけで、そういった関係を、ほんの少しずつでも、世界中に押し広げていけたら…と思います。
 心優しい貴方の様子で、その大会の雰囲気がわかるところがあって。今回の大会はとてもいい雰囲気なのですね!
2020-02-07 23:44 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。

 カレン・チェン。
 晴れ渡った空の下、視界の大きく開けた場所で、晴れやかな気持ちで、前を、未来を見つめているような演技に、じわじわと涙。スケートへの愛がにじみ出ていく様に、観ているこちらも、今、生きていることへの愛がにじみ出していって…。生きることを励まされるような、あっという間の演技!

 カイラニ・クレイン。
 軽妙な音楽に乗った、ときにコミカルな演技に、中盤から次第に引き込まれていった。

 アンバー・グレン。
 ジャンプにダイナミックな迫力。スピンでの爆発的な感情表現。ときに生のエネルギーを炸裂させる様がパンチとして効いていて、それでいて流れのある演技。

 ホンイー・チェン。
 ところどころ、肘と膝が角張って見えすぎてしまうのがもったいないような…。さらに優美に見える動かし方を模索してみては?

 キム・イェリム。
 腕遣いが美しい。音楽表現はまだまだ全然行けると思う。

 ブレイディ・テネル。
 気の強い女、好き。
 クールに律されていて、それでいて、肩を動かすといったちょっとした仕草だけで大人の妖艶さがあふれて…。完成度高し。肩を組んで共に闘わん。

 ユ・ヨン。
 …闇の中に差し込んできた、希望にも似た光に向かって一途に手を伸ばしていくような演技。――祈り。感謝!

 紀平梨花。
 美のためならジャンル問わず。そして、心を豊かにする経験は大いに推奨。
 …今日みたいなシャキッとパキッとした感じなら、大いに行く方向で。

 イム・ウンス。
 音楽に溶け入るような優美な演技を展開。

 樋口新葉。
 自由を得た鳥を滑る演技にあひる鳥肌。
 衣装の上半身、左半身はノースリープで白、右半身は長袖で黒とアシンメトリーになっているのだけれども、それが、画面上、白だけ、黒だけの半身に見えるとき、…善と悪、光と闇、さまざまな物事の両面を示すかのようで、――ぞくっとした。
 必ず変わります。というか、もう確実に変わっていっています。頼もしき友、共に大いに闘わん。

 坂本花織。
 ちょっと緊張したのかな…とも思うけれども、ダイナミックでスピーディ、久々に彼女らしい思いきりのいい演技が観られて一安心。フリーの『マトリックス』はさらにはじけていっちゃって〜。
2020-02-06 22:34 この記事だけ表示
 チケット運に恵まれなかったため、「四大陸選手権」はテレビで観戦します。ショートプログラムのみライブで、フリースケーティングは録画というのが少々残念ですが。
 Wishing you all the best!
2020-02-05 23:28 この記事だけ表示
 生観戦が楽しすぎた!

 渡邊純也。
 …「全日本選手権」ラストにして、まだまだ上を目指す人がそこにいた。そして彼は、『ある愛の詩』のメロディに乗せて、自分がいかにフィギュアスケートを愛してきたか、振り返っていた。その様に心揺さぶられて、涙…。

 山田耕新。
 後輩思いの優しい先輩は、全日本の舞台をめちゃめちゃエンジョイしていた! 銀行で働く日常と、銀盤で滑る非日常と…。私も劇場通いの身、一日の中での変化が激しいです――夢のような舞台に酔いしれた後、スーパーで肉や野菜を吟味していたりする、でも、その落差を日々楽しんでいます。来年の全日本でまた会えたらいいな!

 山本恭廉。
 曲は『ロミオとジュリエット』。――そのジュリエット、いいと思う。運命信じて突っ走っていっちゃって!

 本田太一。
 優しくて思いやりがあるお兄さんで、本田姉妹がうらやましい。自分をどんどん磨いていっちゃって!

 櫛田一樹。
 キュイーンと広がる彼の内的世界にふれるうち、…自分の中でつらい記憶が甦って、それが浄化されてちょっと涙したり、茶目っ気にふれるおもしろい瞬間があって笑ったり、忙しく楽しい四分間!

 鈴木潤。
 ラスト全日本。…今、この瞬間が最高に楽しくて、でも、やっぱりさみしくて泣くという感じで、…泣くの? 笑うの? どっち? と自分で自分にツッコミながら見入っており。――彼の演技を観た回数は決して多くない。けれども、私は彼と確かに出会った…と確信させる演技だった。

 日野龍樹。
 曲は『カルメン』より。…長い手足の使い方が本当に、本当にかっこよくて、宝塚の男役もぜひこういう風に踊ってほしい〜! と。こんなにかっこいいホセの元を去るカルメンはおかしいと思う(笑)。

 吉岡希。
 力強い滑りだった。もう少し曲の表現もあるといいな。

 山隈太一朗。
 逞しさ、男らしさを非常に感じる演技だった。そして、…話題が豊富で、話が尽きなさそうな人だなと…。一人語り、一人芝居を堪能するような感覚!

 山本草太。
 …すっきりさっぱり男らしく頼りがいのある人! というのがこの日の大発見。これからも人生の一瞬一瞬を精いっぱい楽しんで!
PS …結果、大丈夫だった!

 高橋大輔。
 …自分でも、自分のことを、お節介だな…と思っている。しかし。高橋大輔は、そんな私からさらにお節介を引き出していく…! と驚愕したショートプログラム。そして、フリー。
 …やっぱりすごい! 吸い付いて、音がしないかのようなスケーティング…。…身体を張って、観客に何かを刻み込んでゆくその滑りを、一瞬たりとも見逃すまいと、目を見張って、こぼれそうになる涙をこらえながら観ていた…終わった瞬間、滂沱の涙。未だ言語化できない不思議がやはりあって、それがとても悔しい(笑)。だから、これからも言語化の挑戦は続く! 共に闘いましょう! …後輩へのエールはしかとこの胸に受け止めた! 身の引き締まる思い!

 中村優。
 気迫! …次第に演技の楽しさに目覚めていったところが◎〜。その内面を素直に表現に昇華していったら、演技に深みと奥行きがさらに増すと思う。

 須本光希。
 …浄化されていく思い。そして、楽しさの内の、決意! 貴方の優しさが必ずや周囲を照らします!

 友野一希。
 …かっこよすぎて何だかわなわな(笑)。2018年の「世界選手権」フリー以来の高揚! …クラシックの指揮者でも、指揮し終わった後、そんな感じになっている人がいます(友野選手みたいに泣くところまで行った人は観たことがないけれども)。そのスケート観で、これからも突っ走っちゃって〜! …夫は『常陸坊海尊』千秋楽を観に行っていて中継には間に合わなかったので、後でちゃんと見せておきました(笑)。

 本田ルーカス剛史。
 若いながらダンディで、一歩一歩確かに歩んでいこうとする着実さもあって。…途中、なぜか、雨の中、傘もささず、見つめ合っているような感覚に。

 木科雄登。
 スピンの際、はためく手袋に、アンニュイな魅力を感じた。

 鍵山優真。
 老練な滑りだった。

 島田高志郎。
 …もしかしたら、自分時間が強固に流れている人なのかな…という印象が。その自分時間が競技の時間とうまく合うと力が爆発しそうな。…ちょっと背伸びしてみたせつなさと、でも、確かに何かをつかんだ感覚と。

 佐藤洸彬。
 …本当にやめちゃうの?(涙) ――雷に打たれるような、天啓が下るような、ビリビリとした何かを感じる瞬間があり…。骨太で頼もしい人、どうかこれからも心の仲間でいてください! &ショートでの提案はとてもよかったと思います! おかげで生観戦がさらに楽しくなりました!

 田中刑事。
 …かっこいい! …しか思わない四分間だった。そして、心の中の<男性のかっこよさ>アーカイブの未収蔵部分にすぽっと収蔵されていった…。

 佐藤駿。
 15歳にして、彼は、表現者としての道を歩み始めた――表現することの喜びに目覚めていた。そのロミオ、いい! ――「ジュニアグランプリファイナル」のときの“ロミオとジュリエット”は、一昨年秋、スケートではないですがすでにやった人がいてですね…。自分の物語を演じていこう!

 宇野昌磨。
 その“演技”を舞台評論家の前でやろうったあ、いい度胸だ! …強引すぎる男も嫌だけど、自分の人生の主役を堂々生きていない男も嫌! 舞台でも、主人公じゃないからって「自分は脇役です」っていう演技を見せている人がいたら嫌! …と、大変な剣幕で怒りまくっていたら、ショートプログラムのときと真逆の展開になっていって、そのことについては大いに笑った(笑)。

 羽生結弦。
 …観ながら、「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である」という、聖書の一節を思い出していた(日本聖書協会『新共同訳 新約聖書』「コリントの信徒への手紙 一」13章13節)。
2020-01-11 21:02 この記事だけ表示
 …やっとまとまった時間が取れました…。

 山田さくら。
 音楽をきちんと意識して滑っていて、ステップシークエンスのあたり、引き込まれるものがあった。

 磯邉ひな乃。
 曲は映画『SAYURI』より。全編、凛とした気迫に満ちていて◎。今を生きる日本女性のりりしさが表現できていた。

 佐藤伊吹。
 若干せわしなく落ち着いていないように見えるところと、落ち着いてできていて音楽にもしっくりはまって見えるところとがあった。

 津内胡菜。
 肩からしっかり腕を動かせているから可動域が広くて、その動きに非常に魅せられた。

 吉田陽菜。
 落ち着いて、ていねいに、楽しんで!

 松原星。
 ジャンプの跳び上がり方と回転の様に魅力を感じた。

 千葉百音。
 ジョージ・ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」に乗って、素直な伸び伸びとした演技を披露!

 河辺愛菜。
 曲は映画『ブラック・スワン』より。スピード感、存在感はあったので、黒鳥としての迫力や大胆さがもっとほしいような。

 三宅咲綺。
 タンゴの名曲「私はマリア」に乗って、すべての要素がしっくり溶け込んだ、非常に完成度の高い演技を披露! 見応えがあった。

 廣谷帆香。
 ジャンプの着地の際等、手の動かし方にもっと工夫があると◎〜。

 松田悠良。
 曲はバレエ『海賊』より。エレガントさ、華やかさ、あでやかさに満ち満ちていて、大劇場の舞台をそのオーラで圧するプリマ・バレリーナの如き演技。

 浦松千聖。
 やわらかな腕の動きは魅力的なので、キメでぴしっと止める等の動きも入るとメリハリがついて見えるようになると思う。

 竹野比奈。
 終始落ち着いた、ていねいな滑りが好印象。

 新田谷凜。
 素晴らしい演技! 一つ一つの要素を本当にていねいに滑っていて、引き込まれて涙…。静かでおだやかで確かな愛に、心がどんどん満たされていく演技――それが、彼女がフィギュアスケートに傾けてきた愛なのだった。一人として同じ滑りを見せる人はいない。スケーター一人一人に、その人だけの滑りがある。だからこそ、観衆はフィギュアスケートに魅せられるのだと思う。幸せな思いが伝わってきて、重ねて涙。

 吉岡詩果。
 高みを目指す姿勢が◎。表現力アップのためには、心の中のイメージをさらに増やして、もっと大きくふくらませていくといいのでは?

 川畑和愛。
 曲は「Yumeji`s Theme 〜夢二のテーマ〜」「シクリアダス」。
 ジャンプに流れ! スピード感。ダイナミックさ。――前半、しっとりしとやかでたおやかな日本女性が、スケートの内に表現されていた。そんなちょっと古風な女性が、古い殻を脱ぎ捨てて、ぱっと世界に飛び出してゆく。――その様に、子供のころから心に在る、杉田久女の「花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ」という俳句を思い出した。「ぬぐやまつはる紐いろいろ」の一切を我が身から捨て去って、飛躍しようとする一人の女性。世界ジュニア選手権の舞台で見せる、今様大和撫子の魂に期待!

 横井ゆは菜。
 曲は『オペラ座の怪人』。…エグい着想を堂々の表現力で滑り切って、観ていて爽快におもしろすぎた! 怪人の美の世界にいざなわれるクリスティーヌ、を観ているもう一人の存在が、世界をスパイシーにおもしろくする。…この演技を観て、年末、ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』に関する文章が実にスムーズに書けました。感謝!

 永井優香。
 曲は「アディオス・ノニーノ」。…祖母の死の後、喪失感を埋めるために、一時期、タンゴばかり聞いていたことを思い出した…。
 楚々とした美しさが印象的だったのだけれども、この曲を滑る彼女は実に妖艶で…。妖しい香りを放って咲く花の、内に秘めていた毒に魅せられる、そんな思い。

 山下真瑚。
 途中、音と一つになっていて、…音そのものになっていて、観ていて本当に気持ちよかった…。見事な女の闘いでした。かっこよかった!

 樋口新葉。
 あっという間に終わっていて、頭をガーンと殴られるような衝撃のある演技! 一皮むけて、とても綺麗だった。彼女が本気を出すと実に痛快である。闘う大人の女同士、これからも本音で行こう!

 本田真凜。
 本音真凜、いい! 妖艶な美しさが増した。まずは自分のためにやる、それが人のためになっていたら、それが一番! …観ていてちょっと愛希れいかを思い出した。ということは、まだまだ伸びる。

 宮原知子。
 真摯に自分に向き合う演技だった。…年末年始、ゆっくり休んで気分転換できているといいな。

 坂本花織。
 …難しいことなのだけれども、人間、まずは自分自身の親友にならなくてはいけないと私は思っています。

 紀平梨花。
 …皆さん、なかなか本音でよろしい…と思った女子フリースケーティングを締めくくるにふさわしい女王の舞でした!
2020-01-11 21:01 この記事だけ表示
 ――全身で、叫んでいた。魂が、叫んでいた――。
 …転火した炎に、胸が焼き尽くされそうだった。
 そして彼は、――演技後のインタビューで、泣いていた…。

 その姿に、私は、かつて自分が受けた愛に思いを馳せる。その愛すべてに値するだけの感謝を返すことができていただろうか――。
 今、この胸に広がる爽快感――見渡す限り雲一つなく澄み渡り晴れ切った大空の下、360度、視界をさえぎるものが何もない地平に立って、両手を大きく広げ、胸いっぱいに大気を吸い込み、生きる喜びを一身に謳歌するような――。二年ほど前、私は彼の演技について、「美を司る大いなる存在よ、この気高き魂を守りたまえ――」と祈りを捧げた(http://daisy.stablo.jp/article/454392036.html)。祈りは既に叶えられていた――と記して数日後、私は、『新約聖書』の「ヨハネの手紙 一」第五章の中に、神の御心について同様の言葉が書かれているのを見つけたのだった。

 そして私は、目の前にある、<「スケートカナダ2019」エキシビションの羽生結弦の演技に、宝塚の男役を思うhttp://daisy.stablo.jp/article/471222081.html>の文章を眺めていた。とにかく、書くには書いた。けれども、自分の内からなぜそんな文章が出てきたのか、自分自身でもさっぱりわけがわからなかった。
 ――自分はこれまで、男というものにいまいち真剣に向き合って来ていなかったんだな――と、はっきり気づいたのは、数日経ってからである。めっちゃ腰が引けていました! ――恐らく、結婚した23歳のその前後から。あくまで人と人として接すればそれでいいと思っていた。…でも、何だかそれではうまく行かないときもあるな…と、評論家として歩んできてから、…ここ最近かな…、思うようになった。女の気持ち、女の人生を長時間考えてきてしまっていて、男心の理解が圧倒的に足りない。だから、男性と最前線で切り結んでいるところの女優についての理解も深まらない。でも、それではいけないのである。舞台評論家としてさらなる高みを目指す上では、女を理解するように、男も理解するように努めていかなくてはならない。そうしてこそ、人間存在すべてを愛して書くことができる。
 自分の限界に気づいて、それを超えたとき、――そこが天井だと思っていたところに実はガラスのように透明な層があって、それがパリパリパリッと粉々に砕け散って自分に降り注いでくるような、そんな感覚にとらわれる――。視界がうわあっと開ける。慣れるまで、心が不安定になる。――それが、美の一つの凄まじい効用なのだろうと思う。それほどまでに、あの「パリの散歩道」は圧巻だった。
2019-12-29 19:29 この記事だけ表示