今回が国際大会デビューの二人が、…限界を超えていこうとする様、超えていく様に、泣いてしまった…。前夜のショートプログラムは要素をひたむきにこなしていっている印象だったけれども、フリーは一転、未知へと解き放たれていっていて…。そのさわやかさ!
 コンビを組んでまだ四カ月弱、余裕が出てからで全然いいのですが。リフト等で大変なときも、「全然大したことないんです!」的な空気をまとえるようになると、より素敵かも――木原龍一は包容力の人であることだし。基本姿勢を確立した上で、プログラムごとに変幻自在なカラーを出せるペアを目指して、フレーフレー三浦&木原組!
2019-11-26 23:20 この記事だけ表示
 ――直前練習で、二人ですーっとまっすぐ滑っている。…ただそれだけで、二人は、どうしてあんなにも、互いでなくてはならない、そんな、コンビとしての唯一無二感を感じさせるのだろう…。見つめ合って立っているだけで、二人の世界。
 詩の言葉を、踊る――氷上のコンテンポラリー・ダンス。二人の肢体は一つになり、そしてまた分かれ――その様に、プラトンの『饗宴』で言及されるアリストパネスによるエロス(ギリシャ神話の愛の神)についての演説――人間はかつては二体一身であったのが、ゼウスによって半分に切られ、互いにその半身を求めるようになった――を思い出さずにはいられなかった。
 氷上の演技に見入る。――芸術上、誰かと、こんな風にコンビを組めたら――と渇望する。私の憧れをいつも引きつけてやまないのは、オペラ『エレクトラ』『ばらの騎士』『アラベッラ』等を生んだ、作曲家リヒャルト・シュトラウス&詩人・劇作家フーゴ・フォン・ホフマンスタールのコンビである。けれども。私は評論家である。誰か一人の相手とだけコンビを組むようなことはあってはならない。誰か一人の人間の美しさだけを書き表しているようでは、相手の世界も、自分の世界も、狭い範囲に限られてしまう。
 だから、願う。――その瞬間、私の目の前で美を体現している相手と、その都度、最高のコンビを組みたいと――でき得ることなら、パパダキス&シゼロンのように。欲張りな話だけれども!
 一人で、できること。一人では、できないこと。二人で、できること――。
 それをこれからも限りなく追求していくことを誓って。
 観ていて、途中で、…ああ、これ、もう一回、最初から観たい! くりかえし観たい! と心に切望が湧き上がる、そんな二人の演技だった。
2019-11-26 23:10 この記事だけ表示
 12時15分より22時近くまでという長丁場でしたが、それぞれの演技を心ゆくまで楽しみました。
 すぐに書き記したいところですが、東京での非常に大切な仕事のため、明日午前中には札幌を発たなくてはならず、フィギュアスケート関連の記事のアップは明後日以降とさせていただきます。かけがえのない思い出を胸に帰京します。皆様も帰国帰郷の旅、どうぞお気をつけて!

追伸)今回大成功した実験ですが、今後、私が生中継で試合を観られるときに発展利用させられないかなと考えています。
2019-11-23 23:25 この記事だけ表示
 ロマン・サドフスキー。
 スピンがどれも非常に印象的。

 アントン・シュレポフ。
 滑っているときの姿勢が綺麗〜。

 コンラッド・オーゼル。
 トリプルアクセル高!
 …私、寒がりなので、札幌の寒さに耐えられるか心配だったのですが。…スノーブーツで氷結した路面を歩くの、けっこう上手いな…と思って、思い出した。私、カナダで3年過ごして、寒い冬には慣れているんだった。ということで、冬の札幌にてカナダでの日々を懐かしく思い出していたのですが、カナダ出身の彼の演技を観ていたら、その思い出がますます愛おしくぶわーっと心にあふれてきて…。それにしても、名作少女漫画に出てきそうな男性である。

 山本草太。
 「フィンランディア杯」のときは、白い雲の波間の中を船が雄大に進んでいくようでしたが、本日の演技は、その先に、輝かしい光に包まれた未来が見えた! コンビネーション・ジャンプで思わず「美しい!」と声に出してしまった…。
 彼にとって、滑ることは生きること。私はそれを書くことが生きること! 思い出してじわじわ泣ける演技でした。

 マカール・イグナトフ。
 最後のスピンで、私も一緒に目が回ってしまった…。歌舞伎の四代目市川猿之助の『独楽』を観たときと同じ感覚。芸術的な可能性を非常に感じる!

 島田高志郎。
 演技のスケールが一気に大きく&いきなり大人に! 大きなものの中でたゆたっているような心地よさ。

 樋渡知樹。
 身体能力高し! キレのある演技でした。

 セルゲイ・ヴォロノフ。
 曲は「Somebody to Love」。不屈の精神で、…負けるものか! とぐっと立ち上がるような、これぞクイーンの魂! という演技を堪能。生の祝福! 身体の内から熱くなってきた…。先輩!(←と呼ばせてください) 共に闘いましょうぞ!

 ケビン・エイモズ。
 身体能力、高!

 ジェイソン・ブラウン。
 スピンに力強い美しさと哀愁があった。貴方は本当に優しい人です。明日は自分集中!

 羽生結弦。
 …3分弱で欲張りすぎ(笑)。しかし、それだからこそ、前半と後半で今までにない羽生結弦を体感。
 この間の「スケートカナダ2019」のエキシビション「パリの散歩道」&その後のインタビューで、心のレーダーが一回めちゃめちゃに壊れまして(苦笑)、回復するのに十日くらいかかりました――新しいプログラムをインストールした後のパソコンが若干不安定になるみたいな感じ? しかし、レーダーは一回壊れると回復したとき性能がよくなるのである。本日ちゃんと戻れてこうして文章を書けているのは、そのとき一度パワーアップしたからである。明日はどうなるかわからない(苦笑)。

 オレクシイ・ビチェンコ。
 ラストのスピンがドラマティックでした。

 本日の総括。
 実験大成功〜!!!
2019-11-22 23:30 この記事だけ表示
 メーガン・ウェッセンベルク。
 もっと腕を大きく使うと◎〜。

 横井ゆは菜。
 …誘うような手に妖しい魅力。演技中にどんどん大化けしてきて、ラストのセクシーさに感涙。まだ行ける! 生のエネルギーを演技で爆発だ!

 カイラニ・クレイン。
 スピードがもっと欲しいような…。

 マエ=ベレニス・メイテ。
 曲は宝塚でもおなじみの「マシュケナダ」。観ていて思わず踊り出したくなるような演技! 南洋の森の中で、一緒に身体を動かすうち、…トランス状態に入っていくような、不思議な感覚。

 カレン・チェン。
 感謝と愛、そして感情すべてをぶつけるような滑りに涙! とても美しい思いで心が満たされていく演技でした!

 スター・アンドリュース。
 音楽にゆったりと乗れていた箇所はよかった。

 イム・ウンス。
 清らかな水の流れに心が洗われていくような演技!

 山下真瑚。
 会心! 思わず微笑んで見入ってしまう伸びやかさ。去年と同じプログラムだからこそ、一年分の確かな成長を感じさせて。大人っぽくなった!

 アリョーナ・コストルナヤ。
 私は私の道を行くだけなので、貴女は貴女の道をどうぞ。

 アリーナ・ザギトワ。
 …貴女の演技を観ていて、初めて泣きました…。しっとりと心が乗ったスピンが美しい。
 フィギュアスケートを大好きな気持ちを大切にして、ずっと続けて行きましょう!

 ソフィア・サモドゥロワ。曲は「Bamboleo」。
 …人々を陶酔へと引きずり込む、一人の踊り子。しかし、彼女自身はどこかクールにその熱狂を見つめている、そこが魅力。片手をあげてのジャンプで、全身がムチのようにしなる瞬間が好き。

 紀平梨花。
 …靴を脱いで裸足で踊り出した女(ひと)に誘われ、異界へと…。迷宮のような中東の街、その混雑を抜けて、たどり着く場所は、何処――? 何かが細胞に刻み込まれていくような、この感覚は、何――? …私の魂は確かにトリップしていた。それにしても美しいトリプルアクセル!
2019-11-22 23:28 この記事だけ表示
 本日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナにて「NHK杯2019」全競技観て来ました! 12時半から21時近くまで長丁場〜。
 アイスダンスとペアについては、今後、宝塚のデュエット・ダンスの発展にも活かしたく、二人で行なう競技ならではの妙についてじっくり研究していきたいと思うものなのですが――男性が前に出るコンビ、女性が前に出るコンビ、いろいろなコンビがいるんだな…と感服――、あまりに凄い演技を観てしまったので。
 日本では“パパシゼ”の愛称で親しまれる、フランスのアイスダンスのコンビ、ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン!!!
 直前練習でリンクに出てきたときから、その衣装に目が釘付け。攻めすぎだろう! 口元ムヒムヒ。めっちゃエイティーズなワークアウト・ルック! 二人の頭にはバンダナ、レオタードにレッグウォーマー…。そのいでたちからあひるがとっさに連想したのは、オリビア・ニュートン=ジョンの「フィジカル」。
 そして、本番の演技。
 最初のポーズからしてめっちゃ攻めてる! スタジオでのウォームアップから始まって、…OK、じゃあ実際、踊ってみる? な流れで、最終的には『フェーム』に乗って繰り広げられるダンス。その濃厚な人間ドラマ!!! 大真面目! なんだけど面白すぎ! 一体感超絶すぎ! なんだけど面白すぎ! 凄すぎる演技に感動して涙したいのだけれども、面白すぎて涙が出るに出られなくて目のところで困っているという初体験のジレンマ。一心不乱に見入った果て、世界最高得点が叩き出されたのでした。いやあ、凄いものを観た。フィギュアスケートの可能性の奥深さに心打たれた…。明日も楽しみです!
2019-11-22 23:16 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。

 横井ゆは菜。『オペラ座の怪人』の曲に乗って、演じるはヒロイン・クリスティーヌ。
 実に面白い人だと思う。面白すぎると思う。あひるの中で存在赤丸急上昇中。そして、このフリーのプログラムに関して言えば、持ち味の面白さが、クリスティーヌの清純さからはみ出てしまっている。宝塚雪組トップ娘役真彩希帆がクリスティーヌを演じた『ファントム』DVD視聴をお勧めする――真彩希帆も実のところ面白すぎる人なのだが、強力な娘役芸によってその面白さをクリスティーヌ造形に注ぎ込むことに成功している。それにしても、観られるとどんどん伸びるタイプの人である。まだまだ行ける。

 白岩優奈。
 気持ちが前へと攻めて行っているのがよかった――それがあせりに変わってしまうとよくないけれども。意志の強さが感じられて、表情も含め、きりっとした魅力があった。

 宮原知子。
 流れの中にそっと置きに行くようなジャンプが綺麗。自分の美を信じ切れていないようだったのがもったいない…。

 エカテリーナ・リャボワ。
 全体的にもっと流れがあるといいかな…。

 エフゲニア・メドベージェワ!
 フィギュアスケート愛炸裂! の、見事な演技。
 3回転‐3回転の迫力。ひらひら揺れる衣装の裾とあいまって実に魅力的なスピン。美しいスピード感。やわらかさ。
 先週金曜日、カナダ・ケベック州出身の世界的演出家ロベール・ルパージュさんのインタビューをしていたのですが、その中で、『蝶々夫人』の話にもなって――来年日本で上演される『HIROSHIMA 太田川七つの流れ』にも『蝶々夫人』が感じられるところがあるし、かつて来日公演が行なわれた『The Blue Dragon』は『蝶々夫人』及び『ミス・サイゴン』のような物語へのアンチテーゼである――。そのインタビューの席で、思っていた。自分自身、日本の女性の一人として、もっと発信していかなくてはいけない。今の日本女性の姿を世界に伝えていかなくてはいけない。いつまでも『蝶々夫人』や芸者じゃない――日本の文化や日本女性に興味をもってもらうきっかけとして、それらを否定するわけではないのですが。
 だから、本当にありがとう! 日本という国に興味をもってくれて。貴女が、着物風のコスチュームで力強く美しく氷上を舞う姿に、日本の女性の一人として大いに勇気づけられました。ますます自分の使命に邁進します。この日、貴女が、貴女の使命を氷上で生きたように。

 マライア・ベル。
 スピンの一つ一つが、美術館に飾っておきたいように美しい。飛び上がった瞬間、きゅっと回転軸が締まるジャンプが観ていて心地いい。心に確かな灯をともすような、最後のスピン。――心の奥深く、大切な場所に、そっと静かにしまっておきたいような演技。遠く離れた世界中の人々と心つながることのできるフィギュアスケートの美しさを思った。

 アレクサンドラ・トゥルソワ。
 貴女の道は絶対にある! あきらめたら終わり! ところどころ美しさを感じるところもありました&おでこがふっくらした方が絶対にかわいい!
2019-11-19 16:20 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。
 昨日も今日も魔物が(怒)。

 友野一希。曲は『ムーランルージュ』。
 …大人の男の哀愁を感じた! 「ロクサーヌ」、ぐいぐい来て◎。かっこよかった! 魂のコレオシークエンス。演技にどんどん太い芯が通ってきている印象。役者・友野一希を堪能した4分間。

 宇野昌磨。
 前を向いて進むのみ!

 ナム・ニューエン。曲はビートルズ・メドレー。
 ちょっと慎重に行っちゃっていたかな…という印象もあったけれども、「カム・トゥゲザー」の肩の力が抜けた感じが◎。腕はまだまだ活かしていけると思う。

 デニス・ヴァシリエフス。
 若いながら、どっしりとした貫録がある。身体の動き、長い腕の使い方が、とても大きくて美しい。…何だか、不思議な真空状態の中にいるように感じた。人間存在の大きさと比しての自然の大きさではなく、大地や風といった自然そのものの雄大さがそのまま描き出されているような。世界観、スケール感のとても大きな演技!

 マカール・イグナトフ。
 ちょっと後半疲れちゃったかな…とも思ったけれども、前半のジャンプは綺麗だった。
2019-11-16 23:40 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。

 横井ゆは菜。
 『黒い十人の女』の曲に乗り、演じるは“悪女”。先月の「フィンランディア杯」より見応えアップ! しかし。このおもしろいプログラム、まだまだ全然行ける! 「この世の男はすべて私のものよ!」くらいの自信と勢いで、もっとぐいぐい来い!

 アレクサンドラ・トゥルソワ。
 演者には負担が多いと思われる衣装チェンジなれど、色彩的にあまり効果があるようには感じられず…。やるならもっとド派手な方が…。
 というか。本調子じゃなかったみたいだけど、心、大丈夫? 貴女の美しい心で、美しい音楽をもっと感じて滑りましょう! 貴女の人生は貴女だけのもの。美の力で自分の人生を切り拓いていこう! トリプルルッツは綺麗でした。

 白岩優奈。
 17歳、夢見る乙女の可憐さ、かわいさがたっぷり詰まったプログラム。これまで観てきた彼女の演技の中で一番よかった。楽しかった! スケートを楽しんでいる幸せ感がある。青春エンジョイ!

 スタニスラワ・コンスタンティノワ。
 壮絶な決意が感じられる演技だった。

 エフゲニア・メドベージェワ。
 …心に深い愛を宿した人の演技は、とても大きく、そして美しかった…。
 人の心と心は、美によってつながっていくと私は信じています。

 マライア・ベル。
 スピンがすばらしかった! 安定感。たっぷりとした余裕。スピード。ポジション。スピンとはこんなにも美の可能性を秘めているものなのだと、見惚れずにはいられなかった…。

 宮原知子。
 最初のうち、ちょっといつものキレがないかな…と思ったけれども。大丈夫、多少の失敗で貴女の美は損なわれやしません!
2019-11-16 23:26 この記事だけ表示
 地上波放映順〜。

 マカール・イグナトフ。
 片足で座っているみたいな最後のスピンがおもしろかった。長い腕は活かせば武器になると思う。

 友野一希。
 コンビネーション・ジャンプの二本目の細い回転軸に、キュルキュル心も巻き込まれていきそうで…。トリプルアクセル! 引き込まれるステップ。演技全体通しての緊迫感が曲調にマッチしていて、何かが爆発する寸前のようなぞわぞわした思いが残り。

 ナム・ニューエン。曲は「Blues For Klook」。
 男のかっこよさが増していた。ステップ◎!

 モリス・クヴィテラシヴィリ。
 落ち着いて演技できている個所は、大人の男性の魅力を感じさせた。

 ミハル・ブレジナ。
 スピードがあって爽快! ステップ・シークエンスも伸びがある。全身を使って演技していて、その躍動感を堪能。

 デニス・ヴァシリエフス。
 祈りを捧げているようなポジションでのスピンがとても魅力的。回転速度の緩め方、速め方の巧みさに見とれる。静と動のコントラストがはっきりついたスケールの大きな演技で、見応えあり。

 宇野昌磨。
 気迫!!! 曲のリズムと演技と気持ちとが噛み合っていた。たぎる気持ちを演技に落とし込んでいく、そのコントロールが、以前より上手くいくようになってきているように思う。着実に前進!

 ドミトリー・アリエフ。曲はロックオペラ『モーツァルト』。
 彼自身が音楽を深く聴いて、心を動かして滑っているから、観ている方も、音楽の魅力をより深く味わえる。曲に合わせて細かなところまで感情が表現された、非常にドラマティックな演技!
2019-11-16 18:15 この記事だけ表示