藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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bluemoonblue@jcom.home.ne.jp まで。
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宝塚
風間柚乃、自由と理想とジャズへの愛に燃える骨太な主人公を力演!
2021-10-18 15:46 この記事だけ表示
月組宝塚バウホール公演『LOVE AND ALL THAT JAZZ』千秋楽ライブ配信観ます。
2021-10-17 23:58 この記事だけ表示
見応えあり。入団7年目にして、冴羽獠の男のやせ我慢を表現した主演・縣千の役作りにしびれた――観終わった後、何だか放心してしまったほど。新人公演の演出担当は指田珠子。来年、花組で作・演出を手がける『冬霞の巴里』も非常に楽しみに。本公演についてまだ書いていないので、詳しくはまた後日。新人公演の初めてのライブ配信の実現により、全国津々浦々の人々が若手の躍進を観られるようになったことの意味は大きいと思う。
2021-10-14 23:15 この記事だけ表示
雪組東京宝塚劇場新人公演『CITY HUNTER』ライブ配信観ます。
2021-10-13 23:21 この記事だけ表示
『CITY HUNTER』の物語の舞台は1989年、新宿。――翻って。その1年後、晴れて女子大生となったあひるは、今から思えば少々ボディコン風の服に身を包み、コンパが行なわれる歌舞伎町目指し、新宿駅東口付近を歩いていた。と、一人の男性に声をかけられ。
「暇とお金を持て余している社長のお相手をなさいませんか。私、その運転手です」
ひゃあ〜〜〜。何と答えたか忘れたけれども、動揺して逃げた。新宿は家から一番近い盛り場で、子供のときからデパートや映画館にはよく行っていたけれども、歌舞伎町方面には近づかないよう、親に厳しく言われていた。それが。その日はコンパだからしかたなく…。歌舞伎町の居酒屋選んだの、誰〜! と、後に夫となる人間に愚痴った覚えが(笑)。
…そんな風に、あの頃の街の雰囲気を濃厚に思い起こさせる作品である――懐かしさと楽しさが同時に押し寄せてくる。と同時に、「彩風咲奈&朝月希和、雪組新トップコンビ就任おめでとう!」の盛大なお祭り作品でもある。音楽的にも多様な試みがなされている。ライブ配信で一度観ているにもかかわらず、劇場に行ったら、あまりの情報量に頭クラクラ。「アルタビジョン」と思しきLEDスクリーンパネルに映る、1989年当時の宝塚歌劇の公演情報やら雑誌の広告やら、芝居以外にも観るところが多すぎてあっけにとられ、…脳の処理スピードが追いつかないよ〜! と、終演後、カフェインと糖分を摂取しないと家にたどり着けないあひるであった(笑)。
ショー『Fire Fever』でも新トップコンビの相棒ぶりが素晴らしい。そして、“コンビ”は宝塚版『CITY HUNTER』のテーマの一つでもあって、――改めて深く考えてみたいな…と思った次第。夫が「俺まだ舞台観られてないから!」とこれ以上のネタバレを拒否しているので(笑)、今宵はこれにて〜。
「暇とお金を持て余している社長のお相手をなさいませんか。私、その運転手です」
ひゃあ〜〜〜。何と答えたか忘れたけれども、動揺して逃げた。新宿は家から一番近い盛り場で、子供のときからデパートや映画館にはよく行っていたけれども、歌舞伎町方面には近づかないよう、親に厳しく言われていた。それが。その日はコンパだからしかたなく…。歌舞伎町の居酒屋選んだの、誰〜! と、後に夫となる人間に愚痴った覚えが(笑)。
…そんな風に、あの頃の街の雰囲気を濃厚に思い起こさせる作品である――懐かしさと楽しさが同時に押し寄せてくる。と同時に、「彩風咲奈&朝月希和、雪組新トップコンビ就任おめでとう!」の盛大なお祭り作品でもある。音楽的にも多様な試みがなされている。ライブ配信で一度観ているにもかかわらず、劇場に行ったら、あまりの情報量に頭クラクラ。「アルタビジョン」と思しきLEDスクリーンパネルに映る、1989年当時の宝塚歌劇の公演情報やら雑誌の広告やら、芝居以外にも観るところが多すぎてあっけにとられ、…脳の処理スピードが追いつかないよ〜! と、終演後、カフェインと糖分を摂取しないと家にたどり着けないあひるであった(笑)。
ショー『Fire Fever』でも新トップコンビの相棒ぶりが素晴らしい。そして、“コンビ”は宝塚版『CITY HUNTER』のテーマの一つでもあって、――改めて深く考えてみたいな…と思った次第。夫が「俺まだ舞台観られてないから!」とこれ以上のネタバレを拒否しているので(笑)、今宵はこれにて〜。
2021-10-06 23:32 この記事だけ表示
長年観ているタカラジェンヌともなれば、その出身地のニュースまで気になるものである。昨年夏、熊本県人吉市の水害のニュースを見ていて、夫とこんな会話を交わしていた。
「…石ちゃんのご実家、大丈夫かな…」
我が家では、人吉市出身の轟悠のことを、愛称にちなんで「石ちゃん」と呼んでいる。そして「石ちゃん」は、夫が初めて宝塚歌劇の舞台を観劇したときのトップスターである。夫は、1999年、東京宝塚劇場の建て替え期間中に公演が上演されていた有楽町駅前の「TAKARAZUKA1000days劇場」に、雪組『再会』『ノバ・ボサ・ノバ−盗まれたカルナバル−』の二本立てを観に一人出かけて行き、「男の人がいた!」と轟悠に興奮して帰ってきた――『ノバ・ボサ・ノバ』での、土着の神を降ろすかのようにソウルフルな歌声と踊りは、私自身、今も忘れられない。「石ちゃん」がそのとき夫に魅力を教えてくれていなければ、宝塚観劇が夫婦揃っての楽しみにはなっていなかったかもしれず。
『銀ちゃんの恋』のヤスも人吉市出身である。ヤスが故郷に帰った際、人吉市出身の著名人として「川上哲治」の名前が挙がるシーンがあるけれども、宝塚ファン的には断固、「石ちゃん」! 今年の花組公演でもそう思っていた。
ご実家が水害の被害に遭っていたことを知ったのは、彼女が今年3月に退団を発表した後のことである。――胸が痛んだ。
トップスターとなった者は、組を数年率いて、退団する。しかし、轟悠は、雪組トップスターを経て、2002年には専科に移り、男役道を追求し続けた。彼女にとっては平坦なばかりではない道ではなかったかと思う。けれども、今、私の心にしみじみ浮かぶのは、…こんなにも長い間、その男役姿を観て来られたんだな…という、幸せな思いである。
轟悠の男役姿を思い浮かべるとき、「剛柔」という言葉が浮かぶ。豪胆でいて、繊細。硬質さの中の柔らかさ――雪組トップスター時代の、三菱財閥の創業者・岩崎彌太郎を豪快に演じた『猛き黄金の国−士魂商才! 岩崎彌太郎の青春−』と、鉄とガラスでできたパリのレトロなアーケードをモチーフにしたレビュー『パッサージュ−硝子の空の記憶−』は、そんな彼女の魅力が堪能できた二本立てだった。そして、剛柔の魅力あったればこそ、『オネーギンEvgeny Onegin−あるダンディの肖像−』や『ドクトル・シバゴ』のように、凍てつくロシアを舞台にした作品がよく似合ったのではないかと思う。
男役としての立ち姿、その重心がビシッと低いところが好きである。舞台に対して決まっていて、安定感がある。戦いに赴いたり、何か大きな運命に立ち向かったりする役どころが似合ったのも、その立ち姿あってのことかもしれない。『風と共に去りぬ』のレット・バトラーはたびたび演じた当たり役で、私としては、映画版より轟悠の印象の方が強い。負け戦とわかっていながら南軍に参加しに行く心意気、男の美学が心に深く残っている。
そして、轟悠と言えば、レット・バトラーでも似合っていた「ヒゲ」である。『For the people−リンカーン 自由を求めた男−』、『ドクトル・ジバゴ』、『チェ・ゲバラ』と、演出家原田諒と組んでのヒゲ3連発。というか、次は轟悠にどんなヒゲをつけさせようか、演出家自身が楽しんでいたのではないかと思うほど。ギリシャ彫刻のようにクールで硬質な美貌の持ち主で、それでいてヒゲが実によく似合うのである。”ヒゲ3部作“のポスターには、今でもしみじみ見入ってしまう――女性でこんなにリンカーンヒゲが、チェ・ゲバラヒゲが似合う人がいるなんて!
その一方で、コメディにも心に残る作品がある。『再会』は軽妙なオリジナル作品だったし、ニール・サイモン原作の『おかしな二人』や『第二章』といった作品にも主演している。この3作品及び『猛き黄金の国』を担当したのが石田昌也。その石田と組んでの『黎明の風−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−』で、轟悠は、ダグラス・マッカーサー率いるGHQを相手に、日本の“独立”を成し遂げようと闘う快男児白洲次郎を快演した。吉田茂首相の懐刀として活躍した白洲次郎は“日本で初めてジーンズをはいた男”と言われていて、この作品でもジーンズ姿で登場するシーンがあったけれども、その着こなしのかっこよかったこと! 汝鳥伶扮する吉田茂に「じいさん!」と食って掛かるその声音と共に、忘れられない。また、酒井澄夫と組んでのショー作品でも、洒脱で粋な世界を見せた。
そして、『凱旋門−エリッヒ・マリア・レマルクの小説による−』。レマルクの同名小説を原作に、柴田侑宏が脚本を手がけ、謝珠栄が演出を担当したこの作品。雪組トップスター時代に演じた主人公ラヴィックに、2018年雪組公演で再び挑んだ。――時を経て深まったその演技に、私自身、初演時には気づかなかった愛についての真理を教えられた。主題歌「雨の凱旋門」の「♪パララパララパララ〜」の哀切な響きと共に、永遠に忘れない。
最後の主演作となった戯作『婆娑羅の玄孫』の作・演出を手がけたのは、『風と共に去りぬ』でも轟悠の魅力を存分に引き出してきた植田紳爾。この作品では、これまで彼女が演じてきた作品群を思い出させつつ、その明るい未来を祝福するような、晴れやかなせつなさあふれる世界を展開した。
轟悠が演じる細石蔵之介は、“婆娑羅大名”と呼ばれた佐々木道誉の子孫。外様大名の次男でありながら、十三歳のときに父に廃嫡され、素性を隠して江戸は神田稲荷町の長屋でよろず指導を商いとして暮らしている。彼を見守るのが、佐々木家の用人である“じい”の小久保彦三(汝鳥伶)。言いたいことをポンポン言い合う焼き芋屋の娘お鈴(音波みのり)は「石さん」に気がある様子。そんな「石さん」に、佐々木家のお家断絶の危機の知らせが届き――。
正義感にあふれ、学問や剣術に秀で、長屋の皆に「石さん」「石先生」と慕われる――その名はもちろん、轟悠の愛称にちなんでいる――主人公をからっと豪快に演じる轟悠は、若々しかった。そして、いつになく肩の力が抜けていた。…これまでずっと背負ってきた重い荷物を降ろすことができたのだ…と思った。と同時に、自分が今直面している“退団”という状況に、どこかはにかんでいるようでもあった。胸を衝かれた。
――そうだよな。退団するのは、初めてだもんな…。
「石さん」は元の名に戻り、佐々木家へと帰っていく。自分が好きなのはあくまで「石さん」であると言うお鈴は、富士山見える品川宿で、長屋の皆が主人公に別れを告げに来るそのとき、一人姿を現さず、「石焼き芋〜」と澄んだ声だけを響かせる――「石さん」の名を呼ぶ代わりに、彼女はそう言うのである。轟悠という男役の去り際にあたって、演出家がこめた万感の思い。じい役を演じる汝鳥伶から伝わる深いさみしさも心を締め付けた…。
そのとき、しみじみ思ったのである。彼女の人生に「退団」という選択肢があったことを、心から喜びたいと。
2021年10月1日をもって、轟悠は、1985年から在籍した宝塚歌劇団を去る。
――退団の日の会見がなく、トップスター退団にあたって、「これまでも、これからも、幸せに」の思いをこめて聞いてきた質問が聞けないのが残念なので、この場で。
「宝塚での最後の舞台を終えて、今、改めて、轟さんにとって宝塚とはどんな場所でしたか」
「今後の活動のご予定を、寿含め、差し支えない範囲で教えてください」
(「寿含め」のところは、一度、聞かれなかったことに怒った人がいたそうなので、欠かさず聞くことにしています)
いつか、風の便りにでも、――OG公演ででも、教えて!
人生の長きにわたって舞台を通して接してきた人だから、お別れという感覚は私にはなく、だから、別れの言葉は言いません。私はこれからも、轟悠と出逢った宝塚歌劇を、轟悠が愛した宝塚歌劇を、客席から見守り続けます。
「石焼き芋〜」!
「…石ちゃんのご実家、大丈夫かな…」
我が家では、人吉市出身の轟悠のことを、愛称にちなんで「石ちゃん」と呼んでいる。そして「石ちゃん」は、夫が初めて宝塚歌劇の舞台を観劇したときのトップスターである。夫は、1999年、東京宝塚劇場の建て替え期間中に公演が上演されていた有楽町駅前の「TAKARAZUKA1000days劇場」に、雪組『再会』『ノバ・ボサ・ノバ−盗まれたカルナバル−』の二本立てを観に一人出かけて行き、「男の人がいた!」と轟悠に興奮して帰ってきた――『ノバ・ボサ・ノバ』での、土着の神を降ろすかのようにソウルフルな歌声と踊りは、私自身、今も忘れられない。「石ちゃん」がそのとき夫に魅力を教えてくれていなければ、宝塚観劇が夫婦揃っての楽しみにはなっていなかったかもしれず。
『銀ちゃんの恋』のヤスも人吉市出身である。ヤスが故郷に帰った際、人吉市出身の著名人として「川上哲治」の名前が挙がるシーンがあるけれども、宝塚ファン的には断固、「石ちゃん」! 今年の花組公演でもそう思っていた。
ご実家が水害の被害に遭っていたことを知ったのは、彼女が今年3月に退団を発表した後のことである。――胸が痛んだ。
トップスターとなった者は、組を数年率いて、退団する。しかし、轟悠は、雪組トップスターを経て、2002年には専科に移り、男役道を追求し続けた。彼女にとっては平坦なばかりではない道ではなかったかと思う。けれども、今、私の心にしみじみ浮かぶのは、…こんなにも長い間、その男役姿を観て来られたんだな…という、幸せな思いである。
轟悠の男役姿を思い浮かべるとき、「剛柔」という言葉が浮かぶ。豪胆でいて、繊細。硬質さの中の柔らかさ――雪組トップスター時代の、三菱財閥の創業者・岩崎彌太郎を豪快に演じた『猛き黄金の国−士魂商才! 岩崎彌太郎の青春−』と、鉄とガラスでできたパリのレトロなアーケードをモチーフにしたレビュー『パッサージュ−硝子の空の記憶−』は、そんな彼女の魅力が堪能できた二本立てだった。そして、剛柔の魅力あったればこそ、『オネーギンEvgeny Onegin−あるダンディの肖像−』や『ドクトル・シバゴ』のように、凍てつくロシアを舞台にした作品がよく似合ったのではないかと思う。
男役としての立ち姿、その重心がビシッと低いところが好きである。舞台に対して決まっていて、安定感がある。戦いに赴いたり、何か大きな運命に立ち向かったりする役どころが似合ったのも、その立ち姿あってのことかもしれない。『風と共に去りぬ』のレット・バトラーはたびたび演じた当たり役で、私としては、映画版より轟悠の印象の方が強い。負け戦とわかっていながら南軍に参加しに行く心意気、男の美学が心に深く残っている。
そして、轟悠と言えば、レット・バトラーでも似合っていた「ヒゲ」である。『For the people−リンカーン 自由を求めた男−』、『ドクトル・ジバゴ』、『チェ・ゲバラ』と、演出家原田諒と組んでのヒゲ3連発。というか、次は轟悠にどんなヒゲをつけさせようか、演出家自身が楽しんでいたのではないかと思うほど。ギリシャ彫刻のようにクールで硬質な美貌の持ち主で、それでいてヒゲが実によく似合うのである。”ヒゲ3部作“のポスターには、今でもしみじみ見入ってしまう――女性でこんなにリンカーンヒゲが、チェ・ゲバラヒゲが似合う人がいるなんて!
その一方で、コメディにも心に残る作品がある。『再会』は軽妙なオリジナル作品だったし、ニール・サイモン原作の『おかしな二人』や『第二章』といった作品にも主演している。この3作品及び『猛き黄金の国』を担当したのが石田昌也。その石田と組んでの『黎明の風−侍ジェントルマン 白洲次郎の挑戦−』で、轟悠は、ダグラス・マッカーサー率いるGHQを相手に、日本の“独立”を成し遂げようと闘う快男児白洲次郎を快演した。吉田茂首相の懐刀として活躍した白洲次郎は“日本で初めてジーンズをはいた男”と言われていて、この作品でもジーンズ姿で登場するシーンがあったけれども、その着こなしのかっこよかったこと! 汝鳥伶扮する吉田茂に「じいさん!」と食って掛かるその声音と共に、忘れられない。また、酒井澄夫と組んでのショー作品でも、洒脱で粋な世界を見せた。
そして、『凱旋門−エリッヒ・マリア・レマルクの小説による−』。レマルクの同名小説を原作に、柴田侑宏が脚本を手がけ、謝珠栄が演出を担当したこの作品。雪組トップスター時代に演じた主人公ラヴィックに、2018年雪組公演で再び挑んだ。――時を経て深まったその演技に、私自身、初演時には気づかなかった愛についての真理を教えられた。主題歌「雨の凱旋門」の「♪パララパララパララ〜」の哀切な響きと共に、永遠に忘れない。
最後の主演作となった戯作『婆娑羅の玄孫』の作・演出を手がけたのは、『風と共に去りぬ』でも轟悠の魅力を存分に引き出してきた植田紳爾。この作品では、これまで彼女が演じてきた作品群を思い出させつつ、その明るい未来を祝福するような、晴れやかなせつなさあふれる世界を展開した。
轟悠が演じる細石蔵之介は、“婆娑羅大名”と呼ばれた佐々木道誉の子孫。外様大名の次男でありながら、十三歳のときに父に廃嫡され、素性を隠して江戸は神田稲荷町の長屋でよろず指導を商いとして暮らしている。彼を見守るのが、佐々木家の用人である“じい”の小久保彦三(汝鳥伶)。言いたいことをポンポン言い合う焼き芋屋の娘お鈴(音波みのり)は「石さん」に気がある様子。そんな「石さん」に、佐々木家のお家断絶の危機の知らせが届き――。
正義感にあふれ、学問や剣術に秀で、長屋の皆に「石さん」「石先生」と慕われる――その名はもちろん、轟悠の愛称にちなんでいる――主人公をからっと豪快に演じる轟悠は、若々しかった。そして、いつになく肩の力が抜けていた。…これまでずっと背負ってきた重い荷物を降ろすことができたのだ…と思った。と同時に、自分が今直面している“退団”という状況に、どこかはにかんでいるようでもあった。胸を衝かれた。
――そうだよな。退団するのは、初めてだもんな…。
「石さん」は元の名に戻り、佐々木家へと帰っていく。自分が好きなのはあくまで「石さん」であると言うお鈴は、富士山見える品川宿で、長屋の皆が主人公に別れを告げに来るそのとき、一人姿を現さず、「石焼き芋〜」と澄んだ声だけを響かせる――「石さん」の名を呼ぶ代わりに、彼女はそう言うのである。轟悠という男役の去り際にあたって、演出家がこめた万感の思い。じい役を演じる汝鳥伶から伝わる深いさみしさも心を締め付けた…。
そのとき、しみじみ思ったのである。彼女の人生に「退団」という選択肢があったことを、心から喜びたいと。
2021年10月1日をもって、轟悠は、1985年から在籍した宝塚歌劇団を去る。
――退団の日の会見がなく、トップスター退団にあたって、「これまでも、これからも、幸せに」の思いをこめて聞いてきた質問が聞けないのが残念なので、この場で。
「宝塚での最後の舞台を終えて、今、改めて、轟さんにとって宝塚とはどんな場所でしたか」
「今後の活動のご予定を、寿含め、差し支えない範囲で教えてください」
(「寿含め」のところは、一度、聞かれなかったことに怒った人がいたそうなので、欠かさず聞くことにしています)
いつか、風の便りにでも、――OG公演ででも、教えて!
人生の長きにわたって舞台を通して接してきた人だから、お別れという感覚は私にはなく、だから、別れの言葉は言いません。私はこれからも、轟悠と出逢った宝塚歌劇を、轟悠が愛した宝塚歌劇を、客席から見守り続けます。
「石焼き芋〜」!
2021-10-01 00:17 この記事だけ表示
心のケーキバイキングを存分に堪能! 客席も一緒になって踊る振り、画面の前で踊りました。三本締めも掛け声つきで。千秋楽まで無事公演できて、本当によかった!
2021-09-26 23:25 この記事だけ表示
宝塚でシャーロック・ホームズが観られて、幸せ!
2021-09-26 15:14 この記事だけ表示
宙組東京宝塚劇場公演『シャーロック・ホームズ−The Game Is Afoot!−』『Délicieux!−甘美なる巴里−』千秋楽ライブ配信観ます。
2021-09-26 01:38 この記事だけ表示
…一時期、日々刻々と増加する感染者数に恐れをなし、暗い気分で家に引きこもっていた。外出できないなら家で何か別の形で楽しもう、そんな気にすらなれない。…人生をENJOYする力が自分から失われたのではないか、そんなことで今後やっていけるのか、そう思いつめた日まであったほど。そんなとき、宙組宝塚大劇場公演千秋楽ライブ配信を観た。宝塚は変わらず楽しかった。…大丈夫! そう思えた。引きこもっていたから、スウィーツをテーマにした『Délicieux!』を観ていて、…あの衣装はあのケーキがモチーフかな、今度外出できたら買いに行きたいな…と思った。でも、いざ宙組の東京公演が始まって、劇場で実際に舞台を観たら、お菓子を買いたい、食べたいという気持ちが不思議なほど湧かないのである。…ライブ配信を観ていた日の自分は、お腹ではなく、心が飢えていたのだ…と悟った。心を満たす二本立て。
子供のころ、まずはアルセーヌ・ルパン・シリーズを読みふけり、そこからシャーロック・ホームズ・シリーズへと至り、現在NHK BSプレミアム版で再放送中のジェレミー・ブレット主演のテレビドラマにはまり。20代はじめにロンドンに初めて行った際にはベーカー街にあるシャーロック・ホームズ博物館へ。その後、やはりベーカー街にあるシャーロック・ホームズ・ホテルに泊まる機会があったのだけれども、クリスマスだったので、ハドスン夫人の賄いが出なくて…じゃなくて、ホテルのレストランがクローズしていて、近くのお店もエスニック系しかやっていなくて、食べられる場所を探して寒い中歩き回った記憶があり。作品ゆかりの地をめぐってロンドンの街を散策したのも楽しい思い出。ヴィクトリア朝の文化に尽きせぬ興味があるのも、シャーロック・ホームズの存在が大きかったように思う。
『シャーロック・ホームズ−The Game Is Afoot!−』の作・演出は生田大和。“サー・アーサー・コナン・ドイルの著したキャラクターに拠る”との長い副題にあるように、ドイルの著したシャーロック・ホームズ・シリーズの人気キャラクターを登場させ、数々の作品を引用しつつ、宝塚版へとうまく着地させている。ホームズが壁に銃弾で「V.R.」の文字を撃ち抜くシーンもあり、あひる大喜び。そして、この物語におけるホームズ(真風涼帆)&アイリーン・アドラー(潤花)&モリアーティ教授(芹香斗亜)の関係性は、『スカーレット・ピンパーネル』におけるパーシー・ブレイクニー&マルグリット・サン・ジュスト&ショーヴランの関係性に重なるものがある――主人公が共に変装を得意とし、ヒロインが共に演じることを職業としているという共通点もあり。背筋がちょっとゾクッとするラストも味わい深く、太田健作曲の壮大な主題歌「鎖の一環」が作品世界を盛り上げる。
名探偵ホームズを演じて、真風涼帆は実に生き生きと自由である――その姿が、男役として到達した境地を示している。ホームズおなじみのファッションの着こなしも抜群。と同時に、女性としての美しさも見えてくるところに、男役芸というもののおもしろさがある。失った恋人への想いを胸に秘めながら、難事件に、悪に挑む名探偵の心意気がよく似合い、ライヘンバッハの滝におけるモリアーティとの対決で見せる矜持が最高にかっこいい。推理を飄々と楽しみ、桜木みなと演じる相棒のワトソンと繰り広げる軽快なやりとりも弾んで、またしても当たり役。
『シャーロック・ホームズ−The Game Is Afoot!−』、『Délicieux!−甘美なる巴里−』とも、「Introducing潤花」という具合に、宙組新トップ娘役潤花が幕開きにフィーチャーされるのがいい。そして、彼女は演出家の愛に堂々応えられる人である。芝居では、のっけから男を手玉に取る悪女ぶりをコケティッシュに発揮、声の魅力が際立つ。真風ホームズと「ボヘミアの醜聞」のナンバーで心理的駆け引きを繰り広げるあたりもスリリング。
芹香斗亜が演じるモリアーティ教授は、小池修一郎のオリジナル作品に出てくる世界征服の野望をたぎらせる悪役の趣。高い声をも響かせて、芹香、怪演である。桜木みなとはホームズの相棒ワトソン役。このホームズとワトソンの関係性もいいなと思わせるコンビぶり。和希そらが演じるはスコットランド・ヤードのレストレード警部。だみ声のおっさんぶりがいい。『夢千鳥』主演を経て、男役としての芯が太くなった感あり、雪組に異動しての活躍が非常に楽しみに。ホームズの兄、マイクロフトに扮した凛城きらも軽妙にすっとぼけたおかしみを見せた。専科に行ってもその味わいを発揮されんことを。
スウィーツをテーマにしたパリ・レヴュー『Délicieux!−甘美なる巴里−』の作・演出は野口幸作。男役と娘役、その辛さと甘さのバランス感覚が素晴らしい。宝塚の作品でおなじみの楽曲もふんだんに、『ベルサイユのばら』のパロディ風シーンまで盛り込まれ、それでいて、清新な魅力にあふれている。そして、数々のスウィーツをモチーフにした衣装(加藤真美)がかわいすぎる! ケーキのヘッドドレスをかぶってみたい帽子好きのあひる。パリの街で迷う一人の少女(潤花)の前に、粋なパティシエ(真風涼帆)が現れて見せる、魅惑の世界――。潤が、チェック柄のかぼちゃパンツ風衣装から、白いドレス姿へと舞台上で早替わりする瞬間の鮮やかさ。潤は『くるみ割り人形』に乗ってのフレンチカンカンで芯を務めてダンサーぶりをキュートに発揮するが、トップ娘役という立場になり、自分がこれまで積み重ねてきた芸を大いに披露できることの喜びに満ちて、実に幸せそうな笑顔で舞台を務めていたのが印象的。
『ベルサイユのばら』パロディ風シーンでは、マリー・アントワネットに扮した芹香が、そして、ダークな“フォレ・ノワール”のシーンではホットパンツにブーツという姿の桜木が、これぞ男役の“女装”という濃厚な魅力を発揮するところに、男役としての充実度をうかがわせて。そして、美脚も露わにする芹香アントワネットに対してフェルゼンを演じても、“フォレ・ノワール”でセクシーな潤と桜木に激しく争われる美青年を演じても、真風が悠然と魅力を発揮。
そして、「パリの散歩道」に乗っての黒燕尾服のシーン。男役同士で組んで踊る振りもあり、妖しい色気が光る――演出家の男の部分に、ぐっと来た。芹香の歌声に乗っての新トップコンビのデュエットダンスは、二人の踊りの相性の良さを大いに感じさせて。…宝塚で描かれるパリは、この世のどこにもない、宝塚の舞台にしかない幻想のパリなのかもしれず、長きにわたって紡がれてきたからこそのその幻想の美しさを、心ゆくまで味わうひととき。
ほっこりとした温かさを感じさせる娘役、花音舞は、『Délicieux!』のフレンチカンカンへと至る場面で、スパイスとなるコメディ要素を担当。そのフレンチカンカンでも見事な踊りを披露した綾瀬あきなは、長らく名ダンサーとして宙組の舞台を支えてきた娘役である。芝居でもショーでも彼女の切れ味鋭い踊りとクールビューティぶりに目を奪われていることが多かった。なかでも、ヴェルマを演じた『ウエスト・サイド・ストーリー』のダンスは、作品のムードを大いに盛り上げていて、心に強い印象を残している。美月悠は、『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』に続き、『シャーロック・ホームズ』でもピシッとした紳士姿を見せた。星月梨旺は『Délicieux!』でタップのソロを披露。
そして、遥羽らら。『シャーロック・ホームズ』で演じたハドスン夫人もかわいらしかったが、『Délicieux!』の、娘役たちを率いて銀橋を渡る“キャンディ・ケーン”の場面でキューティ爆弾炸裂! 目がとろけてなくなってしまうような彼女のあの笑顔がはじけて、女の子たちの繊細なかわいらしさが詰まっていて、永遠に心に留めておきたい名シーンである。退団を惜しむ。退団者たちがフィーチャーされたシーンの、パンツルックの上半身に、並ぶと淡い虹色になる布があしらわれた衣装も美しく、素敵な餞。みんな、スウィートに幸せな一日を!
子供のころ、まずはアルセーヌ・ルパン・シリーズを読みふけり、そこからシャーロック・ホームズ・シリーズへと至り、現在NHK BSプレミアム版で再放送中のジェレミー・ブレット主演のテレビドラマにはまり。20代はじめにロンドンに初めて行った際にはベーカー街にあるシャーロック・ホームズ博物館へ。その後、やはりベーカー街にあるシャーロック・ホームズ・ホテルに泊まる機会があったのだけれども、クリスマスだったので、ハドスン夫人の賄いが出なくて…じゃなくて、ホテルのレストランがクローズしていて、近くのお店もエスニック系しかやっていなくて、食べられる場所を探して寒い中歩き回った記憶があり。作品ゆかりの地をめぐってロンドンの街を散策したのも楽しい思い出。ヴィクトリア朝の文化に尽きせぬ興味があるのも、シャーロック・ホームズの存在が大きかったように思う。
『シャーロック・ホームズ−The Game Is Afoot!−』の作・演出は生田大和。“サー・アーサー・コナン・ドイルの著したキャラクターに拠る”との長い副題にあるように、ドイルの著したシャーロック・ホームズ・シリーズの人気キャラクターを登場させ、数々の作品を引用しつつ、宝塚版へとうまく着地させている。ホームズが壁に銃弾で「V.R.」の文字を撃ち抜くシーンもあり、あひる大喜び。そして、この物語におけるホームズ(真風涼帆)&アイリーン・アドラー(潤花)&モリアーティ教授(芹香斗亜)の関係性は、『スカーレット・ピンパーネル』におけるパーシー・ブレイクニー&マルグリット・サン・ジュスト&ショーヴランの関係性に重なるものがある――主人公が共に変装を得意とし、ヒロインが共に演じることを職業としているという共通点もあり。背筋がちょっとゾクッとするラストも味わい深く、太田健作曲の壮大な主題歌「鎖の一環」が作品世界を盛り上げる。
名探偵ホームズを演じて、真風涼帆は実に生き生きと自由である――その姿が、男役として到達した境地を示している。ホームズおなじみのファッションの着こなしも抜群。と同時に、女性としての美しさも見えてくるところに、男役芸というもののおもしろさがある。失った恋人への想いを胸に秘めながら、難事件に、悪に挑む名探偵の心意気がよく似合い、ライヘンバッハの滝におけるモリアーティとの対決で見せる矜持が最高にかっこいい。推理を飄々と楽しみ、桜木みなと演じる相棒のワトソンと繰り広げる軽快なやりとりも弾んで、またしても当たり役。
『シャーロック・ホームズ−The Game Is Afoot!−』、『Délicieux!−甘美なる巴里−』とも、「Introducing潤花」という具合に、宙組新トップ娘役潤花が幕開きにフィーチャーされるのがいい。そして、彼女は演出家の愛に堂々応えられる人である。芝居では、のっけから男を手玉に取る悪女ぶりをコケティッシュに発揮、声の魅力が際立つ。真風ホームズと「ボヘミアの醜聞」のナンバーで心理的駆け引きを繰り広げるあたりもスリリング。
芹香斗亜が演じるモリアーティ教授は、小池修一郎のオリジナル作品に出てくる世界征服の野望をたぎらせる悪役の趣。高い声をも響かせて、芹香、怪演である。桜木みなとはホームズの相棒ワトソン役。このホームズとワトソンの関係性もいいなと思わせるコンビぶり。和希そらが演じるはスコットランド・ヤードのレストレード警部。だみ声のおっさんぶりがいい。『夢千鳥』主演を経て、男役としての芯が太くなった感あり、雪組に異動しての活躍が非常に楽しみに。ホームズの兄、マイクロフトに扮した凛城きらも軽妙にすっとぼけたおかしみを見せた。専科に行ってもその味わいを発揮されんことを。
スウィーツをテーマにしたパリ・レヴュー『Délicieux!−甘美なる巴里−』の作・演出は野口幸作。男役と娘役、その辛さと甘さのバランス感覚が素晴らしい。宝塚の作品でおなじみの楽曲もふんだんに、『ベルサイユのばら』のパロディ風シーンまで盛り込まれ、それでいて、清新な魅力にあふれている。そして、数々のスウィーツをモチーフにした衣装(加藤真美)がかわいすぎる! ケーキのヘッドドレスをかぶってみたい帽子好きのあひる。パリの街で迷う一人の少女(潤花)の前に、粋なパティシエ(真風涼帆)が現れて見せる、魅惑の世界――。潤が、チェック柄のかぼちゃパンツ風衣装から、白いドレス姿へと舞台上で早替わりする瞬間の鮮やかさ。潤は『くるみ割り人形』に乗ってのフレンチカンカンで芯を務めてダンサーぶりをキュートに発揮するが、トップ娘役という立場になり、自分がこれまで積み重ねてきた芸を大いに披露できることの喜びに満ちて、実に幸せそうな笑顔で舞台を務めていたのが印象的。
『ベルサイユのばら』パロディ風シーンでは、マリー・アントワネットに扮した芹香が、そして、ダークな“フォレ・ノワール”のシーンではホットパンツにブーツという姿の桜木が、これぞ男役の“女装”という濃厚な魅力を発揮するところに、男役としての充実度をうかがわせて。そして、美脚も露わにする芹香アントワネットに対してフェルゼンを演じても、“フォレ・ノワール”でセクシーな潤と桜木に激しく争われる美青年を演じても、真風が悠然と魅力を発揮。
そして、「パリの散歩道」に乗っての黒燕尾服のシーン。男役同士で組んで踊る振りもあり、妖しい色気が光る――演出家の男の部分に、ぐっと来た。芹香の歌声に乗っての新トップコンビのデュエットダンスは、二人の踊りの相性の良さを大いに感じさせて。…宝塚で描かれるパリは、この世のどこにもない、宝塚の舞台にしかない幻想のパリなのかもしれず、長きにわたって紡がれてきたからこそのその幻想の美しさを、心ゆくまで味わうひととき。
ほっこりとした温かさを感じさせる娘役、花音舞は、『Délicieux!』のフレンチカンカンへと至る場面で、スパイスとなるコメディ要素を担当。そのフレンチカンカンでも見事な踊りを披露した綾瀬あきなは、長らく名ダンサーとして宙組の舞台を支えてきた娘役である。芝居でもショーでも彼女の切れ味鋭い踊りとクールビューティぶりに目を奪われていることが多かった。なかでも、ヴェルマを演じた『ウエスト・サイド・ストーリー』のダンスは、作品のムードを大いに盛り上げていて、心に強い印象を残している。美月悠は、『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』に続き、『シャーロック・ホームズ』でもピシッとした紳士姿を見せた。星月梨旺は『Délicieux!』でタップのソロを披露。
そして、遥羽らら。『シャーロック・ホームズ』で演じたハドスン夫人もかわいらしかったが、『Délicieux!』の、娘役たちを率いて銀橋を渡る“キャンディ・ケーン”の場面でキューティ爆弾炸裂! 目がとろけてなくなってしまうような彼女のあの笑顔がはじけて、女の子たちの繊細なかわいらしさが詰まっていて、永遠に心に留めておきたい名シーンである。退団を惜しむ。退団者たちがフィーチャーされたシーンの、パンツルックの上半身に、並ぶと淡い虹色になる布があしらわれた衣装も美しく、素敵な餞。みんな、スウィートに幸せな一日を!
2021-09-26 01:37 この記事だけ表示