藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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bluemoonblue@jcom.home.ne.jp まで。
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宝塚
宝塚バウホール公演が途中で中止となり、無観客で収録された舞台のディレイ配信を観た(5月8日、19時)。作・演出の栗田優香にとっては宝塚バウホール公演デビュー作。これが、実に骨太な芸術論が展開される作品だった。竹久夢二の映画を撮影中の映画監督が、夢二の人生を通し、己の人生に思いを馳せていくという構成で、主演の和希そらが女優たちと浮名を流し続ける映画監督の白澤優二郎役と竹久夢二役を、天彩峰里が白澤の長年の恋人である女優の赤羽礼奈役と夢二の妻である他万喜役とを兼ね、揃って躍進の舞台を見せた。
タイトルからして鳥がモチーフになっていて、鳥かごを模した舞台装置の中で、羽根がたびたびキーアイテムとして登場。黒い鳥のラインダンスや黒燕尾服群舞まである充実のフィナーレでも、中森明菜の「赤い鳥逃げた」や「ララバイ・オブ・バードランド」が使用されるなど、鳥尽くし。激情に駆られた他万喜が切りつけた座布団からぱあっと赤い羽根が舞い散る瞬間の鮮烈さ。大正浪漫の世界、そして、それを撮影している昭和レトロの世界が、雰囲気たっぷりに繰り広げられていく。和希が、思いつめたまなざしの中に翳りある色気をただよわせて、他万喜を折檻しながら美人画の世界を探求し続ける夢二の業の深さを見せれば、天彩は、それで夢二が絵が描けるならと、夢二の妻にもらい受けるために愛人彦乃の実家を訪ねて行く他万喜の業の深さを夜叉の如き形相で見せる。二人のあの目が忘れられない…。『修禅寺物語』や谷崎潤一郎の世界をも思わせる展開だっただけに、結末には、…まだまだ行ける! と思わないでもなかったけれども――メーテルリンクの『青い鳥』が出てくる時点で想像できなくもなかったけれども――、これから演出家として生きていく中で、その芸術論がますます深まっていく様をじっくり見守りたいところ。
ヴィジュアル面の美しさもさることながら、娘役たちから充実の演技を引き出したところも特筆すべき点である。宙組は、男役陣の充実度に比べ、娘役陣に…もっとぐいぐい来ていいんだよ! …と思わないでもなかった。それが、天彩をはじめ、夢二を取り巻く女性たちを演じる娘役陣がそれぞれの個性で輝いて見えた。演出家の名前で検索すると、入団前の経歴に「“女の子を可愛く切なく描く”をモットーに、演劇の作・演出を務めてきた」との文言があり、納得。宝塚歌劇に新たな風を吹き込んでくれることを大いに期待したい。作品は10月のタカラヅカ・スカイ・ステージで放送あり。
タイトルからして鳥がモチーフになっていて、鳥かごを模した舞台装置の中で、羽根がたびたびキーアイテムとして登場。黒い鳥のラインダンスや黒燕尾服群舞まである充実のフィナーレでも、中森明菜の「赤い鳥逃げた」や「ララバイ・オブ・バードランド」が使用されるなど、鳥尽くし。激情に駆られた他万喜が切りつけた座布団からぱあっと赤い羽根が舞い散る瞬間の鮮烈さ。大正浪漫の世界、そして、それを撮影している昭和レトロの世界が、雰囲気たっぷりに繰り広げられていく。和希が、思いつめたまなざしの中に翳りある色気をただよわせて、他万喜を折檻しながら美人画の世界を探求し続ける夢二の業の深さを見せれば、天彩は、それで夢二が絵が描けるならと、夢二の妻にもらい受けるために愛人彦乃の実家を訪ねて行く他万喜の業の深さを夜叉の如き形相で見せる。二人のあの目が忘れられない…。『修禅寺物語』や谷崎潤一郎の世界をも思わせる展開だっただけに、結末には、…まだまだ行ける! と思わないでもなかったけれども――メーテルリンクの『青い鳥』が出てくる時点で想像できなくもなかったけれども――、これから演出家として生きていく中で、その芸術論がますます深まっていく様をじっくり見守りたいところ。
ヴィジュアル面の美しさもさることながら、娘役たちから充実の演技を引き出したところも特筆すべき点である。宙組は、男役陣の充実度に比べ、娘役陣に…もっとぐいぐい来ていいんだよ! …と思わないでもなかった。それが、天彩をはじめ、夢二を取り巻く女性たちを演じる娘役陣がそれぞれの個性で輝いて見えた。演出家の名前で検索すると、入団前の経歴に「“女の子を可愛く切なく描く”をモットーに、演劇の作・演出を務めてきた」との文言があり、納得。宝塚歌劇に新たな風を吹き込んでくれることを大いに期待したい。作品は10月のタカラヅカ・スカイ・ステージで放送あり。
2021-09-26 01:19 この記事だけ表示
第二次世界大戦中期のスイスはサン・モリッツを主な舞台に、戦時下の情報戦を戦う男たちと、芸術を愛し守ろうとする人々との闘いを描いた『Hotel Svizra House ホテル スヴィッツラ ハウス』(作・演出:植田景子)。バレエ・リュスで活躍した伝説のダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーが最後のパフォーマンスを行なったホテルで、療養中の彼のために開催されようとしているチャリティ公演が、この作品の大きなモチーフとなっている。ということで、作品の表テーマは言うまでもなくニジンスキー&バレエ・リュスであり、装置(國包洋子)にもニジンスキーの絵がいろいろと使われていて、…熊川哲也芸術監督が所有しているジョルジュ・バルビエの絵はどれなんだろう、コレクションの中からニジンスキーのバレエシューズは去年映像で披露してくれたけど…と思いながら舞台を観ていたあひる。なのであるが。…これ、裏テーマはフィギュアスケートなんじゃないかな…と思わないでもなく。宙組トップスター真風涼帆演じる英国情報部のスパイキャッチャー、ロベルトに良き影響を与えた人物として「ネイサン・ヒューズ」なる人物が登場することは前にも書きましたが(http://daisy.stablo.jp/article/481039494.html?1632556804)、この名前からついつい連想するのは、共にアメリカ出身のフィギュアスケーター、ネイサン・チェンとサラ・ヒューズ。作中、1948年にサン・モリッツで開かれる予定の冬季五輪への言及もあり。そしてそして。遥羽らら演じる若く美しい未亡人アルマは、かつて貧しいピアニストのラディックと愛し合っていたものの、家族の反対に遭い、他の男性と結婚する。そんな彼女があるときラディックのピアノ・リサイタルを聴きに行き、彼の紡ぎ出すピアノの音色を聴きながら、…言葉を交わすことがなくても、私は心の中で夫を裏切っていた…と、ラディックへの愛を確信して語るとき、流れているのは、羽生結弦の名プログラムとして名高いショパンの「バラード第1番」なのだった――このときの遥羽アルマの無邪気に幸せそうな表情がツボ。考えてみれば、羽生結弦の「Origin」も、エフゲニー・プルシェンコが使用した曲「ニジンスキーに捧ぐ」をアレンジしたもの。ということで、ロベルトが追っているターゲットのコードネーム“ウィリアム・テル”は、スイス出身のステファン・ランビエルがかつてプログラムに使用した「ウィリアム・テル序曲」にもちなんでいたりするのかな…と、いろいろ楽しく思いをめぐらし。
チャリティ公演では『シェエラザード』が踊られ、心動かされた人々は劇場讃歌を歌い上げる。――客席で観ていたときは、ちょっと言わずもがなの感じがしないでもなかった。しかし、梅田芸術劇場公演が中止となり、その無観客ライブ配信を観た際、…あの広いメインホールに誰も観客がいない様に思いを馳せると、痛切に響いてくるものがあった。
この作品は、宙組新トップコンビ、真風涼帆&潤花のプレお披露目公演。潤花が演じるのは、チャリティ公演で踊る機会を求めてサン・モリッツまでやって来たバレエ・ダンサー、ニーナ・デュボワ役。彼女は声が実に魅力的である。女性のかわいらしさから大人っぽさまで、幅広く表現できる。その声を駆使してしっとりと情感あふれる演技を展開できるのが素晴らしく、かつての月組トップ娘役、風花舞を彷彿とさせる。その一方で、プレお披露目ながらすでに貫禄があり、円熟期にある真風涼帆との相性の良さにうなるばかり。『カサブランカ』や『グランドホテル』、『凱旋門』等、宝塚でも上演された作品群のエッセンスを感じさせるストーリーということもあって、配信映像で観ていると、トップコンビがますます、往年のハリウッドの名作映画を観ているようなクラシックな香りを感じさせて。真風涼帆は、スーツやコートをさっそうと着こなし、任務と良心の狭間で揺れる様を演じてかっこよすぎである。
実業家ヘルマン役の芹香斗亜は、アルマへの愛を心に秘めつつ、その愛あればこそ、芸術への愛をも貫き通す様を体現。男のやせ我慢が似合う男役になってきた。チャリティ公演のプリンシパル・ダンサーと振付家を兼ねるユーリー・バシリエフを演じ、潤ニーナと『シェエラザード』をエネルギッシュに踊ったのは桜木みなと。植田景子はかつてジョン・ノイマイヤー率いるハンブルク・バレエ団に留学していたことがあり、そのときの経験もまた、芸術への愛に満ちたこの作品に大いに生かされているであろうことを思った。
さて。舞台を一生懸命観ていると、お腹が空く。そしてあひるは、舞台に出てきた食べ物につられがちである。この作品では、ホテルで提供されるホワイトチョコのホット・ショコラーデ(ホット・チョコレート)への言及が何度かあり、…おいしそう〜…と。そして、東京公演終演後、劇場から歩いて数分の場所で、発見。もう一年以上、人とお茶していませんが、この日はあひるの大好きなこの方も同席してくれました。
ラテアートの下にはホット・チョコレート。そして焼きドーナッツはホワイトチョコがけ。満足。
(4月12日14時の部、宙組東京建物 Brillia HALL&5月5日16時半の部、ライブ配信)
チャリティ公演では『シェエラザード』が踊られ、心動かされた人々は劇場讃歌を歌い上げる。――客席で観ていたときは、ちょっと言わずもがなの感じがしないでもなかった。しかし、梅田芸術劇場公演が中止となり、その無観客ライブ配信を観た際、…あの広いメインホールに誰も観客がいない様に思いを馳せると、痛切に響いてくるものがあった。
この作品は、宙組新トップコンビ、真風涼帆&潤花のプレお披露目公演。潤花が演じるのは、チャリティ公演で踊る機会を求めてサン・モリッツまでやって来たバレエ・ダンサー、ニーナ・デュボワ役。彼女は声が実に魅力的である。女性のかわいらしさから大人っぽさまで、幅広く表現できる。その声を駆使してしっとりと情感あふれる演技を展開できるのが素晴らしく、かつての月組トップ娘役、風花舞を彷彿とさせる。その一方で、プレお披露目ながらすでに貫禄があり、円熟期にある真風涼帆との相性の良さにうなるばかり。『カサブランカ』や『グランドホテル』、『凱旋門』等、宝塚でも上演された作品群のエッセンスを感じさせるストーリーということもあって、配信映像で観ていると、トップコンビがますます、往年のハリウッドの名作映画を観ているようなクラシックな香りを感じさせて。真風涼帆は、スーツやコートをさっそうと着こなし、任務と良心の狭間で揺れる様を演じてかっこよすぎである。
実業家ヘルマン役の芹香斗亜は、アルマへの愛を心に秘めつつ、その愛あればこそ、芸術への愛をも貫き通す様を体現。男のやせ我慢が似合う男役になってきた。チャリティ公演のプリンシパル・ダンサーと振付家を兼ねるユーリー・バシリエフを演じ、潤ニーナと『シェエラザード』をエネルギッシュに踊ったのは桜木みなと。植田景子はかつてジョン・ノイマイヤー率いるハンブルク・バレエ団に留学していたことがあり、そのときの経験もまた、芸術への愛に満ちたこの作品に大いに生かされているであろうことを思った。
さて。舞台を一生懸命観ていると、お腹が空く。そしてあひるは、舞台に出てきた食べ物につられがちである。この作品では、ホテルで提供されるホワイトチョコのホット・ショコラーデ(ホット・チョコレート)への言及が何度かあり、…おいしそう〜…と。そして、東京公演終演後、劇場から歩いて数分の場所で、発見。もう一年以上、人とお茶していませんが、この日はあひるの大好きなこの方も同席してくれました。
ラテアートの下にはホット・チョコレート。そして焼きドーナッツはホワイトチョコがけ。満足。
(4月12日14時の部、宙組東京建物 Brillia HALL&5月5日16時半の部、ライブ配信)
2021-09-26 01:17 この記事だけ表示
シャープな長身から甘い魅力をただよわせる彩風咲奈。ほんわかしたルックスからシャープなかっこよさを放ってくる朝月希和。信頼感で結ばれた雪組新トップコンビの絶妙なバランス。『Fire Fever!』のスパニッシュのシーンでの、ふわっと浮遊感あるリフトの美しさにぞくぞく。トップ娘役ながら、男役ショースターの魅せ方――それも、花組男役系の!――までマスターしている朝月希和なら、娘役の地平を新たな次元へと推し進められるのではないか。それはすなわち、男役トップスター彩風咲奈の新たな可能性を拓くことにもつながり、ひいては宝塚歌劇のさらなる発展にもつながっていくのではないか…と、興奮さめやらず。
ちなみに、『CITY HUNTER』宝塚化が決まったときから、舞台で流れて欲しいアニメ版の挿入歌をたびたび歌うなどして観劇準備に余念のない夫。本日も有給休暇を取得してのライブ配信視聴を模索していたのですが、敢えなく出勤となり。その彼から一言。
「TOKYO CITYで待ってるぜ!」
ちなみに、『CITY HUNTER』宝塚化が決まったときから、舞台で流れて欲しいアニメ版の挿入歌をたびたび歌うなどして観劇準備に余念のない夫。本日も有給休暇を取得してのライブ配信視聴を模索していたのですが、敢えなく出勤となり。その彼から一言。
「TOKYO CITYで待ってるぜ!」
2021-09-13 23:53 この記事だけ表示
人気漫画のミュージカル化で、新生雪組の個性はじける。雪組新トップコンビの彩風咲奈&朝月希和、二人が演じる冴羽獠&槇村香の関係性、いい! セリフかぶりからの「Get Wild」銀橋渡りに思わず涙。そしてハンマーにはもちろん大爆笑!
2021-09-13 14:47 この記事だけ表示
雪組宝塚大劇場公演『CITY HUNTER』『Fire Fever!』千秋楽ライブ配信観ます。♪Get wild and tough!
2021-09-12 23:49 この記事だけ表示
花組新トップコンビ、柚香光と星風まどかが、歌に、踊りに、芝居に、心を通わせ合い、ときに火花を散らし合う様に、見入っていた…。男役、娘役として、そして、舞台人として高みを目指し続ける姿勢に、響き合うものがあるのだと思う。ヴィジュアル的な相性もすばらしく、それぞれ色っぽさが増した感あり。
柴田侑宏の1985年初演の傑作を、樫畑亜依子が演出した『哀しみのコルドバ』。スペインの焼けつくような日差しと滾るような血を感じさせる宿命の物語で、柴田作品ならではの心に残るセリフ満載。スター闘牛士エリオ(柚香)は、昔の恋人エバ(星風)と8年ぶりに再会、そこから運命が動き出す。研ぎ澄まされた一挙手一投足、シャープなマントさばきで闘牛士の美学を体現する柚香エリオ。その姿に、劇作家が宝塚歌劇作品のヒーローに闘牛士なる題材を選んだことの意味を考えずにはいられない。星風は運命に生きるヒロインが似合う。そして、踊る際のスカートの裾の翻し方に見惚れる。高翔みず希扮するエリオの母マリアと鞠花ゆめ扮するエバの母パウラの言い合いシーンは凄まじい演技バトル。美穂圭子が謎めいた占い師マルーカ役で物語のムードに華を添える。エバの今の恋人リカルド・ロメロに扮した永久輝せあはヒゲ姿もしっくり来て、雪組時代に培った経験が花開いてきた。
宝塚大劇場&東京宝塚劇場公演から続演となった『Cool Beast!!』(作・演出:藤井大介)では、柚香と星風のダンス・シーンが見どころ。二人にエールを送るが如く、美穂圭子が熱唱を聴かせる。中詰め、熱い! そこからのラインダンスは、音楽的な流れが身体を駆り立てるのか、…踊るしかないでしょう! と、またもや参加。手拍子するうち作品あっという間に終了〜。
お互いまだちょっと照れと緊張を感じないでもなかったけれども、これからの作品で花組新トップコンビが拓く新境地にますます期待!
柴田侑宏の1985年初演の傑作を、樫畑亜依子が演出した『哀しみのコルドバ』。スペインの焼けつくような日差しと滾るような血を感じさせる宿命の物語で、柴田作品ならではの心に残るセリフ満載。スター闘牛士エリオ(柚香)は、昔の恋人エバ(星風)と8年ぶりに再会、そこから運命が動き出す。研ぎ澄まされた一挙手一投足、シャープなマントさばきで闘牛士の美学を体現する柚香エリオ。その姿に、劇作家が宝塚歌劇作品のヒーローに闘牛士なる題材を選んだことの意味を考えずにはいられない。星風は運命に生きるヒロインが似合う。そして、踊る際のスカートの裾の翻し方に見惚れる。高翔みず希扮するエリオの母マリアと鞠花ゆめ扮するエバの母パウラの言い合いシーンは凄まじい演技バトル。美穂圭子が謎めいた占い師マルーカ役で物語のムードに華を添える。エバの今の恋人リカルド・ロメロに扮した永久輝せあはヒゲ姿もしっくり来て、雪組時代に培った経験が花開いてきた。
宝塚大劇場&東京宝塚劇場公演から続演となった『Cool Beast!!』(作・演出:藤井大介)では、柚香と星風のダンス・シーンが見どころ。二人にエールを送るが如く、美穂圭子が熱唱を聴かせる。中詰め、熱い! そこからのラインダンスは、音楽的な流れが身体を駆り立てるのか、…踊るしかないでしょう! と、またもや参加。手拍子するうち作品あっという間に終了〜。
お互いまだちょっと照れと緊張を感じないでもなかったけれども、これからの作品で花組新トップコンビが拓く新境地にますます期待!
2021-09-12 23:49 この記事だけ表示
実に見応えあり! 柴田侑宏のロマンあふれる世界に酔いしれるひととき。花組新トップコンビ、柚香光&星風まどかが見せる今までと違った魅力、新鮮!
2021-09-12 17:13 この記事だけ表示
花組全国ツアー神奈川県民ホール公演『哀しみのコルドバ』『Cool Beast!!』ライブ配信観ます。
2021-09-11 23:59 この記事だけ表示
つかこうへいの『蒲田行進曲』を原作にした『銀ちゃんの恋』。宝塚では1996年に久世星佳主演で初演され、2008年と2010年には大空祐飛主演で再演。水美舞斗主演でのこのたびの上演は三度目となる。潤色・演出は石田昌也。3月に月組で上演された『幽霊刑事〜サヨナラする、その前に〜』でも、歌舞伎ネタや最近の宝塚ネタまで入れ込んだ軽妙な脚本・演出が冴え渡っていたが、今回の舞台もパロディ満載で笑いを誘う。
スター俳優の銀ちゃん。その子分である大学出の大部屋俳優ヤス。そして、銀ちゃんの子を身ごもるも、ヤスに押し付けられる女優の小夏。三人が織り成す、愛と嫉妬と卑屈に彩られた奇妙なトライアングル。今回、改めて、初演当時の状況、そして、演出家がそのトライアングルに込めた想いに心を馳せ。
ヒロイン小夏に扮した星空美咲の演技は、初代ヒロイン風花舞、二代目ヒロイン野々すみ花の影響下にあるが、その取り入れ方にセンスと芝居心を感じる。早口でのセリフの応酬でも演技のキャッチボールを心がけようとしているところが◎。入団三年目ながら、落ち目の女優の悲哀や、情感、昭和感を感じさせ、ヤスに対し包容力をも発揮してみせる瞬間があった。ヤスの母を演じて女の業のかわいさと母の愛の凄みを見せた京三紗とのやりとりも見応えあり。専科のベテランの演技に学んでさらに高みを目指したいとの姿勢が頼もしく、この人の芝居をもっと観てみたいと思わせる娘役である。カンパニー全体、今回の作品での経験を次の舞台での飛躍へとつなげていって欲しい。
スター俳優の銀ちゃん。その子分である大学出の大部屋俳優ヤス。そして、銀ちゃんの子を身ごもるも、ヤスに押し付けられる女優の小夏。三人が織り成す、愛と嫉妬と卑屈に彩られた奇妙なトライアングル。今回、改めて、初演当時の状況、そして、演出家がそのトライアングルに込めた想いに心を馳せ。
ヒロイン小夏に扮した星空美咲の演技は、初代ヒロイン風花舞、二代目ヒロイン野々すみ花の影響下にあるが、その取り入れ方にセンスと芝居心を感じる。早口でのセリフの応酬でも演技のキャッチボールを心がけようとしているところが◎。入団三年目ながら、落ち目の女優の悲哀や、情感、昭和感を感じさせ、ヤスに対し包容力をも発揮してみせる瞬間があった。ヤスの母を演じて女の業のかわいさと母の愛の凄みを見せた京三紗とのやりとりも見応えあり。専科のベテランの演技に学んでさらに高みを目指したいとの姿勢が頼もしく、この人の芝居をもっと観てみたいと思わせる娘役である。カンパニー全体、今回の作品での経験を次の舞台での飛躍へとつなげていって欲しい。
2021-09-10 23:40 この記事だけ表示
小夏役の星空美咲、奮闘中!
2021-09-10 14:29 この記事だけ表示