藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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宝塚
実に見応えあり! 柴田侑宏のロマンあふれる世界に酔いしれるひととき。花組新トップコンビ、柚香光&星風まどかが見せる今までと違った魅力、新鮮!
2021-09-12 17:13 この記事だけ表示
花組全国ツアー神奈川県民ホール公演『哀しみのコルドバ』『Cool Beast!!』ライブ配信観ます。
2021-09-11 23:59 この記事だけ表示
つかこうへいの『蒲田行進曲』を原作にした『銀ちゃんの恋』。宝塚では1996年に久世星佳主演で初演され、2008年と2010年には大空祐飛主演で再演。水美舞斗主演でのこのたびの上演は三度目となる。潤色・演出は石田昌也。3月に月組で上演された『幽霊刑事〜サヨナラする、その前に〜』でも、歌舞伎ネタや最近の宝塚ネタまで入れ込んだ軽妙な脚本・演出が冴え渡っていたが、今回の舞台もパロディ満載で笑いを誘う。
スター俳優の銀ちゃん。その子分である大学出の大部屋俳優ヤス。そして、銀ちゃんの子を身ごもるも、ヤスに押し付けられる女優の小夏。三人が織り成す、愛と嫉妬と卑屈に彩られた奇妙なトライアングル。今回、改めて、初演当時の状況、そして、演出家がそのトライアングルに込めた想いに心を馳せ。
ヒロイン小夏に扮した星空美咲の演技は、初代ヒロイン風花舞、二代目ヒロイン野々すみ花の影響下にあるが、その取り入れ方にセンスと芝居心を感じる。早口でのセリフの応酬でも演技のキャッチボールを心がけようとしているところが◎。入団三年目ながら、落ち目の女優の悲哀や、情感、昭和感を感じさせ、ヤスに対し包容力をも発揮してみせる瞬間があった。ヤスの母を演じて女の業のかわいさと母の愛の凄みを見せた京三紗とのやりとりも見応えあり。専科のベテランの演技に学んでさらに高みを目指したいとの姿勢が頼もしく、この人の芝居をもっと観てみたいと思わせる娘役である。カンパニー全体、今回の作品での経験を次の舞台での飛躍へとつなげていって欲しい。
スター俳優の銀ちゃん。その子分である大学出の大部屋俳優ヤス。そして、銀ちゃんの子を身ごもるも、ヤスに押し付けられる女優の小夏。三人が織り成す、愛と嫉妬と卑屈に彩られた奇妙なトライアングル。今回、改めて、初演当時の状況、そして、演出家がそのトライアングルに込めた想いに心を馳せ。
ヒロイン小夏に扮した星空美咲の演技は、初代ヒロイン風花舞、二代目ヒロイン野々すみ花の影響下にあるが、その取り入れ方にセンスと芝居心を感じる。早口でのセリフの応酬でも演技のキャッチボールを心がけようとしているところが◎。入団三年目ながら、落ち目の女優の悲哀や、情感、昭和感を感じさせ、ヤスに対し包容力をも発揮してみせる瞬間があった。ヤスの母を演じて女の業のかわいさと母の愛の凄みを見せた京三紗とのやりとりも見応えあり。専科のベテランの演技に学んでさらに高みを目指したいとの姿勢が頼もしく、この人の芝居をもっと観てみたいと思わせる娘役である。カンパニー全体、今回の作品での経験を次の舞台での飛躍へとつなげていって欲しい。
2021-09-10 23:40 この記事だけ表示
小夏役の星空美咲、奮闘中!
2021-09-10 14:29 この記事だけ表示
花組梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演『銀ちゃんの恋』千秋楽ライブ配信観ます。出かける寸前のぎっくり腰で、KAAT神奈川芸術劇場公演は観られず…(幸い軽かったので数日で回復しましたが)。
2021-09-09 23:59 この記事だけ表示
楽しすぎて…観終わった後、今、生きている現実とのギャップが激しすぎて…泣いてしまった。と同時に、これまでだってみんなで乗り越えてきたのだから、これからだってみんなで乗り越えられる…という希望の光も遠くに感じて。真風涼帆率いる宙組が与えてくれた恵みのような幸せな時間の余韻に、しばらく浸ります。
新トップ娘役潤花に早くも女王感あり。もっと自分出してGO!
新トップ娘役潤花に早くも女王感あり。もっと自分出してGO!
2021-08-25 23:35 この記事だけ表示
よい楽でした。本日の『桜嵐記』は、終戦記念日にふさわしい、鎮魂の物語でした。――不思議な話である。本来の千秋楽は2月14日。コロナ禍で公演日程の見直しがなかったならば、この作品が8月15日に上演されることはなかったのだから。
暁千星は今日の感覚を忘れぬよう。舞台人として、大きな一歩を踏み出した。
暁千星は今日の感覚を忘れぬよう。舞台人として、大きな一歩を踏み出した。
2021-08-15 23:14 この記事だけ表示
…作品が、一段と深いところに行くのを観ていた。
今日が「8月15日」であることを、しみじみかみしめていた。
今日が「8月15日」であることを、しみじみかみしめていた。
2021-08-15 15:14 この記事だけ表示
月組東京宝塚劇場公演千秋楽『桜嵐記』ライブ配信観ます!
2021-08-15 01:27 この記事だけ表示
よく頑張った!
その一言を、今は贈りたい。
珠城りょうのトップ時代、月組には、『All for One』、『カンパニー−努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)−』、『BADDY−悪党(ヤツ)は月からやって来る−』、そして『桜嵐記』と、バラエティに富んだ傑作が生まれた。一番心に残る代表作としては、サラリーマンの役どころをまっすぐな魅力で見せた『カンパニー』を挙げたい。「愛している」という代わりに、「月がきれいですね」と言う、日本の男。その無骨な魅力は、愛する女に甘い言葉を与えることのない男、愛を「愛」以外の言葉で表現する男、『桜嵐記』で演じた楠木正行にもつながって。
『Dream Chaser』のラストで、珠城りょうは、飾りのない黒燕尾服姿で踊り続ける。男役陣を率いて。美園さくらとのデュエットダンス。次いで、月城かなとら、後を継ぐ者たちにエールを送るように踊り、そして、ソロ。その姿に、私は、元月組トップスター霧矢大夢の黒燕尾服の踊りをはっきりと思い出したのである。――継承されていた、と思った。継承されていく、と思った。そのことが、心からうれしかった。
愛希れいか、美園さくら、二人の超個性的な娘役を相手にして、本当によく頑張った!
宝塚大劇場の千秋楽のライブ配信を観て、…このまま退団してしまうのでは悲しい…
と思った。彼女が積み重ねてきたことを自分自身で信じられなくなっているのが淋しかった。しかし。珠城りょうは、宝塚への愛ゆえに、踏ん張った。『All for One』の戯曲を自分自身で読み解いたときのように、その愛は舞台であざやかにはじけた。だからこそ、座付き作家上田久美子が去り行く彼女に贈った『桜嵐記』は、傑作として人々の心に残り続ける。
月組を守ってくれて、ありがとう。
今日一日、そして人生の第二幕の幸せを、心から祈っています。
その一言を、今は贈りたい。
珠城りょうのトップ時代、月組には、『All for One』、『カンパニー−努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)−』、『BADDY−悪党(ヤツ)は月からやって来る−』、そして『桜嵐記』と、バラエティに富んだ傑作が生まれた。一番心に残る代表作としては、サラリーマンの役どころをまっすぐな魅力で見せた『カンパニー』を挙げたい。「愛している」という代わりに、「月がきれいですね」と言う、日本の男。その無骨な魅力は、愛する女に甘い言葉を与えることのない男、愛を「愛」以外の言葉で表現する男、『桜嵐記』で演じた楠木正行にもつながって。
『Dream Chaser』のラストで、珠城りょうは、飾りのない黒燕尾服姿で踊り続ける。男役陣を率いて。美園さくらとのデュエットダンス。次いで、月城かなとら、後を継ぐ者たちにエールを送るように踊り、そして、ソロ。その姿に、私は、元月組トップスター霧矢大夢の黒燕尾服の踊りをはっきりと思い出したのである。――継承されていた、と思った。継承されていく、と思った。そのことが、心からうれしかった。
愛希れいか、美園さくら、二人の超個性的な娘役を相手にして、本当によく頑張った!
宝塚大劇場の千秋楽のライブ配信を観て、…このまま退団してしまうのでは悲しい…
と思った。彼女が積み重ねてきたことを自分自身で信じられなくなっているのが淋しかった。しかし。珠城りょうは、宝塚への愛ゆえに、踏ん張った。『All for One』の戯曲を自分自身で読み解いたときのように、その愛は舞台であざやかにはじけた。だからこそ、座付き作家上田久美子が去り行く彼女に贈った『桜嵐記』は、傑作として人々の心に残り続ける。
月組を守ってくれて、ありがとう。
今日一日、そして人生の第二幕の幸せを、心から祈っています。
2021-08-15 01:27 この記事だけ表示