藤本真由
(舞台評論家・ふじもとまゆ)
1972年生まれ。
東京大学法学部卒業後、新潮社に入社。写真週刊誌「FOCUS」の記者として、主に演劇・芸能分野の取材に携わる。
2001年退社し、フリーに。演劇を中心に国内はもとより海外の公演もインタビュー・取材を手がける。
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宝塚
作・演出は岡田敬二。彼が手がけてきた“ロマンチック・レビュー”シリーズの名場面集の趣で、懐かしいシーンが多く、…これは、あの作品であの人が演じていた…! と、イントロ・クイズのように楽しく。一度聞いたら絶対サビを口ずさめるようになる主題歌もツボ(作曲の吉崎憲治は、1933年生まれの大ベテラン!)。男くさく濃ゆい男役像を、専科の凪七瑠海が体現。こってりねっとり歌い踊っても、自身の持ち味でどこかすっきりさわやかに中和されていくところが面白い。共に雪組から出演した16名の宝塚愛の深さも伝わってきて。彩みちるが、名ダンサー娘役トップ星奈優里を思わせる大人っぽいムードで魅了。「YOUME AMOR (夢・アモール)」を歌う千風カレンが、ロマンチック・レビューの世界に没入していた姿が印象的。
2020-10-25 23:07 この記事だけ表示
凪七瑠海の男役芸を満喫中〜!
2020-10-25 15:11 この記事だけ表示
凪七瑠海コンサート ロマンチック・ステージ『パッション・ダムール−愛の夢−』千秋楽ライブ配信観ます!
2020-10-24 23:39 この記事だけ表示
充実の内容〜。共演の若手も気合十分で、チームワーク◎。そして、やっぱり登場、みんな大好き“アヤナギ先生”(笑)。辛口から甘口まで、二枚目から三枚目まで、男役彩凪翔の芸の幅は広い!
2020-10-20 23:38 この記事だけ表示
雪組公演『NOW! ZOOM ME!!』で披露した“アヤナギ先生”(某名作教師テレビドラマのタイトルロールのパロディ)もおもしろすぎた彩凪翔1Day Special LIVE『Sho−W!』無観客ライブ配信夜の部観ます〜。「うたコン」は録画で必ずや観ます!
2020-10-20 12:02 この記事だけ表示
2017年の日本青年館ホール公演も好評を博した『はいからさんが通る』、一段とスケールアップして東京宝塚劇場に登場! 原作は言わずと知れた大和和紀の名作少女漫画。まずは、小柳奈穂子の脚色のすばらしさに唸るばかりである。3年前の公演から大劇場公演用に変更もなされているが、なかでも、今回新たに加わった構造が、今のこの困難な状況下にあって、終幕、大いに効いている。描き切れなかった原作のエピソードのエッセンスもふんだんに盛り込まれており、原作ファンなら「あ、これはあのエピソードの変奏曲だ〜」とうれしくなってしまうはず。日独ハーフの金髪軍人、伊集院忍少尉を演じるのは、花組新トップスター柚香光。「…二次元のキャラクターが、な、なぜか、立体的に動いている〜」と何度も驚愕に襲われるほど、漫画のページからそのまま抜け出してきたよう! 「少尉、本当に生きてたのね〜」と、原作のヒロイン紅緒さん同様、ギャグめいた感慨を漏らしそうに。そんな柚香少尉を筆頭に、出演者たちがはつらつと登場人物それぞれの物語を生きる姿に、思いを馳せずにはいられない。物語の舞台である大正時代を実際に、懸命に生きた人々の姿を。スペイン風邪。米騒動。関東大震災。そのときもやはり困難はあった。そんな困難を乗り越えて人々が生き抜いてきたからこそ、今がある。そして、今このときはいつか過去となり、後の世を生きる人々の未来を照らす灯となる。
少女時代から大好きな漫画である。というか、振り返ってみて、この漫画に出逢っていなければ、こんなにも大正時代に憧れを抱くことはなかっただろうし、紅緒が生き生きと仕事に励む姿に感銘を受けなければ、出版社に入って記者になろうとは思わなかったのではないか――と思う。大きな影響を受けた作品である。そんな作品を、出演者、スタッフ、そして観客、多くの人々と今こうしてわかち合えることが幸せである。
本日昼の部のフィナーレは“浪漫バージョン”。名曲「黒い瞳」に乗り、柚香光を筆頭に、花組男役陣が、黒燕尾服姿で踊る。絶品である。黒燕尾服の舞で6年ぶりとなる高水準の心拍数を記録(←あひる体感基準による)。
なにせ大好きな作品、大好きな時代ゆえ、これからもいろいろ書く予定ですが、まずは一つ蘊蓄をば。東京宝塚劇場からほど近い「泰明小学校」は、関東大震災後に建てられた“復興小学校”の中でも名高い建築。人々が大災害を乗り越えた一つの証である。
少女時代から大好きな漫画である。というか、振り返ってみて、この漫画に出逢っていなければ、こんなにも大正時代に憧れを抱くことはなかっただろうし、紅緒が生き生きと仕事に励む姿に感銘を受けなければ、出版社に入って記者になろうとは思わなかったのではないか――と思う。大きな影響を受けた作品である。そんな作品を、出演者、スタッフ、そして観客、多くの人々と今こうしてわかち合えることが幸せである。
本日昼の部のフィナーレは“浪漫バージョン”。名曲「黒い瞳」に乗り、柚香光を筆頭に、花組男役陣が、黒燕尾服姿で踊る。絶品である。黒燕尾服の舞で6年ぶりとなる高水準の心拍数を記録(←あひる体感基準による)。
なにせ大好きな作品、大好きな時代ゆえ、これからもいろいろ書く予定ですが、まずは一つ蘊蓄をば。東京宝塚劇場からほど近い「泰明小学校」は、関東大震災後に建てられた“復興小学校”の中でも名高い建築。人々が大災害を乗り越えた一つの証である。
2020-10-14 23:59 この記事だけ表示
個人サイトでの通し舞台稽古に関する記事掲載はNGになったので、本番の舞台を観てから書きたく。
2020-10-08 23:25 この記事だけ表示
自粛期間を経てさらにかっこよく美しくなった雪組トップスター望海風斗が、雪組メンバーと共に東京宝塚劇場に降臨! 作・演出の齋藤吉正と見事合体、繰り出すそのパワーたるや、「DAIMON!」コールのみならず「YOSHIMASA!」コールしたいほど(←心の中で)。仕事が山積みの上、明日も朝から取材なので今宵はこれにて〜。「うたコン」にもパワーもらいました! こちらもまた後日〜。
2020-09-29 23:11 この記事だけ表示
2020年9月20日をもって、約21年半の宝塚人生に別れを告げる専科・華形ひかる。――忘れられない瞬間がある。花組時代、『銀ちゃんの恋−つかこうへい作「蒲田行進曲」より−』(2008)で、スター俳優銀ちゃんに、妊娠してしまった恋人小夏を押し付けられる、銀ちゃんの子分である大部屋俳優ヤスを演じたときのこと。作品のラスト近くで、「銀ちゃん、かっこいい!」というセリフがあるのだけれども、――それまでの彼女の演技すべてがその一言に見事収斂していったのだった。華形ヤスが舞台上で繰り広げてきた悲喜こもごもが、その一言を成り立たせるためにあったのだと得心した、あの瞬間――。派手な演技をする人ではない。器用なタイプでもない。実直に、まっすぐに、役柄を構築していっていた。その姿勢がいつも、好ましかった。
不思議なもので、『銀ちゃんの恋』より前の下級生時代には、…キラキラアイドル路線で行く人なのかな…と思っていた。そうしたら、ヤスが似合った。しかし、渋い重厚路線にも行かなかったのが実におもしろいところである。専科に行っても、いつまでも、若い! それが彼女の円熟なのだった。男役、舞台人としての技量は確かに磨かれながらも、みずみずしい。
あの世が舞台の『ANOTHER WORLD』(2018)で演じたのは貧乏神。地獄に行って死神になるのではなく、極楽に行って福の神になりたいという切なる願いをもつ、キュートな“びんちゃん”。びんちゃんのいじらしい悪戦苦闘もまた、心に深く残っている。そして、“キザってナンボ”の花組で培われた男役精神は、専科時代に出演したショー作品の数々でも大いに生きていた。キラキラとした円熟。男役下級生に与えた影響も少なからずあったと思う。
2011年3月11日、東日本大震災。――そのとき東京宝塚劇場で上演されていた雪組公演が何とか千秋楽までこぎつけた後、次に初日を迎えたのは、華形がいた花組だった。初日の幕を開けるか否か、タカラジェンヌの間でもいろいろと議論がなされたと聞く。そして幕は開いた。その舞台を客席で見守る観客も、大震災後の不安な日々を、舞台上の人々と共に闘っていたところがあったと思う。それから9年後、コロナ禍という予想もつかない事態となって、華形ひかるの退団公演となった星組『眩耀の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray−星の光線−』の舞台も、宝塚大劇場・東京宝塚劇場公演共、一時公演中止を余儀なくされながらも、何とか千秋楽の日までたどり着いた。今は、今日の一日が、そして、宝塚を去って後のこれからの人生が、華形ひかるにとって幸せにあふれるものであることを祈るばかりである。――これまで、劇場で共に過ごした時間が濃厚だったから、それだけの深い縁で結ばれていたと思うから、今こうして書いているのは決して別れの言葉ではない、何故か、その確信が不思議と心の中にある。
不思議なもので、『銀ちゃんの恋』より前の下級生時代には、…キラキラアイドル路線で行く人なのかな…と思っていた。そうしたら、ヤスが似合った。しかし、渋い重厚路線にも行かなかったのが実におもしろいところである。専科に行っても、いつまでも、若い! それが彼女の円熟なのだった。男役、舞台人としての技量は確かに磨かれながらも、みずみずしい。
あの世が舞台の『ANOTHER WORLD』(2018)で演じたのは貧乏神。地獄に行って死神になるのではなく、極楽に行って福の神になりたいという切なる願いをもつ、キュートな“びんちゃん”。びんちゃんのいじらしい悪戦苦闘もまた、心に深く残っている。そして、“キザってナンボ”の花組で培われた男役精神は、専科時代に出演したショー作品の数々でも大いに生きていた。キラキラとした円熟。男役下級生に与えた影響も少なからずあったと思う。
2011年3月11日、東日本大震災。――そのとき東京宝塚劇場で上演されていた雪組公演が何とか千秋楽までこぎつけた後、次に初日を迎えたのは、華形がいた花組だった。初日の幕を開けるか否か、タカラジェンヌの間でもいろいろと議論がなされたと聞く。そして幕は開いた。その舞台を客席で見守る観客も、大震災後の不安な日々を、舞台上の人々と共に闘っていたところがあったと思う。それから9年後、コロナ禍という予想もつかない事態となって、華形ひかるの退団公演となった星組『眩耀の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray−星の光線−』の舞台も、宝塚大劇場・東京宝塚劇場公演共、一時公演中止を余儀なくされながらも、何とか千秋楽の日までたどり着いた。今は、今日の一日が、そして、宝塚を去って後のこれからの人生が、華形ひかるにとって幸せにあふれるものであることを祈るばかりである。――これまで、劇場で共に過ごした時間が濃厚だったから、それだけの深い縁で結ばれていたと思うから、今こうして書いているのは決して別れの言葉ではない、何故か、その確信が不思議と心の中にある。
2020-09-20 00:25 この記事だけ表示
歌声と笑いに大いに元気づけられたステージでした。東京でお待ちしてます!
2020-09-18 23:59 この記事だけ表示