雪組公演『NOW! ZOOM ME!!』で披露した“アヤナギ先生”(某名作教師テレビドラマのタイトルロールのパロディ)もおもしろすぎた彩凪翔1Day Special LIVE『Sho−W!』無観客ライブ配信夜の部観ます〜。「うたコン」は録画で必ずや観ます! 
2020-10-20 12:02 この記事だけ表示
 2017年の日本青年館ホール公演も好評を博した『はいからさんが通る』、一段とスケールアップして東京宝塚劇場に登場! 原作は言わずと知れた大和和紀の名作少女漫画。まずは、小柳奈穂子の脚色のすばらしさに唸るばかりである。3年前の公演から大劇場公演用に変更もなされているが、なかでも、今回新たに加わった構造が、今のこの困難な状況下にあって、終幕、大いに効いている。描き切れなかった原作のエピソードのエッセンスもふんだんに盛り込まれており、原作ファンなら「あ、これはあのエピソードの変奏曲だ〜」とうれしくなってしまうはず。日独ハーフの金髪軍人、伊集院忍少尉を演じるのは、花組新トップスター柚香光。「…二次元のキャラクターが、な、なぜか、立体的に動いている〜」と何度も驚愕に襲われるほど、漫画のページからそのまま抜け出してきたよう! 「少尉、本当に生きてたのね〜」と、原作のヒロイン紅緒さん同様、ギャグめいた感慨を漏らしそうに。そんな柚香少尉を筆頭に、出演者たちがはつらつと登場人物それぞれの物語を生きる姿に、思いを馳せずにはいられない。物語の舞台である大正時代を実際に、懸命に生きた人々の姿を。スペイン風邪。米騒動。関東大震災。そのときもやはり困難はあった。そんな困難を乗り越えて人々が生き抜いてきたからこそ、今がある。そして、今このときはいつか過去となり、後の世を生きる人々の未来を照らす灯となる。
 少女時代から大好きな漫画である。というか、振り返ってみて、この漫画に出逢っていなければ、こんなにも大正時代に憧れを抱くことはなかっただろうし、紅緒が生き生きと仕事に励む姿に感銘を受けなければ、出版社に入って記者になろうとは思わなかったのではないか――と思う。大きな影響を受けた作品である。そんな作品を、出演者、スタッフ、そして観客、多くの人々と今こうしてわかち合えることが幸せである。
 本日昼の部のフィナーレは“浪漫バージョン”。名曲「黒い瞳」に乗り、柚香光を筆頭に、花組男役陣が、黒燕尾服姿で踊る。絶品である。黒燕尾服の舞で6年ぶりとなる高水準の心拍数を記録(←あひる体感基準による)。
 なにせ大好きな作品、大好きな時代ゆえ、これからもいろいろ書く予定ですが、まずは一つ蘊蓄をば。東京宝塚劇場からほど近い「泰明小学校」は、関東大震災後に建てられた“復興小学校”の中でも名高い建築。人々が大災害を乗り越えた一つの証である。
2020-10-14 23:59 この記事だけ表示
 個人サイトでの通し舞台稽古に関する記事掲載はNGになったので、本番の舞台を観てから書きたく。
2020-10-08 23:25 この記事だけ表示
 自粛期間を経てさらにかっこよく美しくなった雪組トップスター望海風斗が、雪組メンバーと共に東京宝塚劇場に降臨! 作・演出の齋藤吉正と見事合体、繰り出すそのパワーたるや、「DAIMON!」コールのみならず「YOSHIMASA!」コールしたいほど(←心の中で)。仕事が山積みの上、明日も朝から取材なので今宵はこれにて〜。「うたコン」にもパワーもらいました! こちらもまた後日〜。
2020-09-29 23:11 この記事だけ表示
 2020年9月20日をもって、約21年半の宝塚人生に別れを告げる専科・華形ひかる。――忘れられない瞬間がある。花組時代、『銀ちゃんの恋−つかこうへい作「蒲田行進曲」より−』(2008)で、スター俳優銀ちゃんに、妊娠してしまった恋人小夏を押し付けられる、銀ちゃんの子分である大部屋俳優ヤスを演じたときのこと。作品のラスト近くで、「銀ちゃん、かっこいい!」というセリフがあるのだけれども、――それまでの彼女の演技すべてがその一言に見事収斂していったのだった。華形ヤスが舞台上で繰り広げてきた悲喜こもごもが、その一言を成り立たせるためにあったのだと得心した、あの瞬間――。派手な演技をする人ではない。器用なタイプでもない。実直に、まっすぐに、役柄を構築していっていた。その姿勢がいつも、好ましかった。
 不思議なもので、『銀ちゃんの恋』より前の下級生時代には、…キラキラアイドル路線で行く人なのかな…と思っていた。そうしたら、ヤスが似合った。しかし、渋い重厚路線にも行かなかったのが実におもしろいところである。専科に行っても、いつまでも、若い! それが彼女の円熟なのだった。男役、舞台人としての技量は確かに磨かれながらも、みずみずしい。
 あの世が舞台の『ANOTHER WORLD』(2018)で演じたのは貧乏神。地獄に行って死神になるのではなく、極楽に行って福の神になりたいという切なる願いをもつ、キュートな“びんちゃん”。びんちゃんのいじらしい悪戦苦闘もまた、心に深く残っている。そして、“キザってナンボ”の花組で培われた男役精神は、専科時代に出演したショー作品の数々でも大いに生きていた。キラキラとした円熟。男役下級生に与えた影響も少なからずあったと思う。
 2011年3月11日、東日本大震災。――そのとき東京宝塚劇場で上演されていた雪組公演が何とか千秋楽までこぎつけた後、次に初日を迎えたのは、華形がいた花組だった。初日の幕を開けるか否か、タカラジェンヌの間でもいろいろと議論がなされたと聞く。そして幕は開いた。その舞台を客席で見守る観客も、大震災後の不安な日々を、舞台上の人々と共に闘っていたところがあったと思う。それから9年後、コロナ禍という予想もつかない事態となって、華形ひかるの退団公演となった星組『眩耀の谷〜舞い降りた新星〜』『Ray−星の光線−』の舞台も、宝塚大劇場・東京宝塚劇場公演共、一時公演中止を余儀なくされながらも、何とか千秋楽の日までたどり着いた。今は、今日の一日が、そして、宝塚を去って後のこれからの人生が、華形ひかるにとって幸せにあふれるものであることを祈るばかりである。――これまで、劇場で共に過ごした時間が濃厚だったから、それだけの深い縁で結ばれていたと思うから、今こうして書いているのは決して別れの言葉ではない、何故か、その確信が不思議と心の中にある。
2020-09-20 00:25 この記事だけ表示
 歌声と笑いに大いに元気づけられたステージでした。東京でお待ちしてます!
2020-09-18 23:59 この記事だけ表示
 オープニング映像の「DAIMON!」(←望海風斗の愛称)コールから、齋藤吉正ワールド全開〜〜〜。宝塚歌劇団雪組トップスター望海風斗の心意気に打たれた!
2020-09-18 16:40 この記事だけ表示
 望海風斗 MEGA LIVE TOUR『NOW! ZOOM ME!!』ライブ配信観ます〜。
2020-09-17 23:59 この記事だけ表示
 …実に濃厚な時間だった!
2020-09-07 23:59 この記事だけ表示
 11時の部、日生劇場。思いっきりネタバレ。
 ――地球から脱出した人々が移り住んだ水星(ポルンカ)。人々の生命を維持する装置及びその記憶を吸い上げるシステムを開発してその場所を統べる総統(汝鳥令)は、“娘”(星風まどか)を後継者に指名する。記憶が4年分しかない主人公(真風涼帆)は、人々の意識の中に入り、共同体にとって危険と思われる思想を消す“兵士”だが、ひょんなことから“娘”と共に、望みが叶うというクレーター“SAPA”の奥地へと分け入っていくこととなる。物語のクライマックスで、主人公は総統と対峙する――総統は、後継者たる“娘”とすべての人々の意識とを一体化させる、新たな統治のシステムを開発していた。総統は主人公に、記憶を見せる。総統の過去の。“娘”の過去の。そして、主人公の過去の。
 その対峙を観ていて――私の中で、かつて、ある人が私に向かって手を差し出した記憶が呼び起こされたのだった。その記憶は、現実のものではない。夢で見た。舞台を観た後、夢で見た。その舞台によって、私の意識か無意識に何らかの作用があって、夢を見た。一週間ほど続いた一連の夢の中でもひときわ強烈な夢。――劇場とはときに恐ろしい場所である。今宵の私はどんな夢を見ることか。
 上田久美子作・演出の異色の舞台である。ほぼソロ曲がない。三宅純の音楽(座付きの青木朝子と共に担当)が、内面へ、深層へと分け入っていく作品世界、その道程を彩って蠱惑的である。“宝塚”と聞いて一般的に想像するような要素がないながらも、宝塚歌劇作品として見事に成立している。難しい意欲作に果敢に挑んだ出演者及びスタッフに心からの拍手を送りたい。3月に別の劇場にて上演される予定だったが、コロナ禍によって日生劇場での上演となった。建築家村野藤吾の代表作の一つである日生劇場は、劇場空間自体、何か神秘で深遠なものの内面の表象のように思われるところがあり、縁あって実現した作品世界との親和性をも楽しんだ。
2020-09-07 23:59 この記事だけ表示