夫が7月より東京勤務となり、先週、福岡・唐人町の家を引き払ってきました。私が福岡をENJOYしていたことに刺激を受けた母が「私も行きたい」となり、最後の週は母も天神のホテルに滞在。那珂川クルーズ中に船から発見した、夫と同名の屋台ラーメン屋が大当たりだったり、太宰府まで足を伸ばして梅が枝餅を食べたり、楽しい時間を過ごしました。
 この一年、本当にあっという間でした。トータルで3カ月半ほどの九州・福岡滞在中、近代建築巡りや街歩きにいそしんでいたら、歴史や地理、文化に加え明治維新の流れも今まで以上に理解でき、普段住んでいる東京との物理的心理的距離も実感できるように。地元の人感覚で博多座等で観劇できたのも楽しく、人生でも非常に充実した一年でした。
 昨年、長い夏がようやく終わろうというころ、夕暮れ時に新天町の「メルヘンチャイム」付近にたたずんでいたら、秋を感じさせる少しせつない風と一緒に心に吹き込んできた歌があって。
「♪One day いつか離れていく日が来ても I LOVE FUKUOKA」
 青春時代に聴いていた感じのポップスだなと思ったのですが、それもそのはず、1986年に新天町創設40周年を記念して作られた商店街のテーマソング「I LOVE FUKUOKA SONG」だった(作詞・作曲・歌:新居昭乃)。そのときから心にこの曲がずっとあって。ずっといるわけじゃない、いつか離れていく日が来る。そんなことを思いながら、福岡で過ごしていた。旅というには長い、住むというには短い、そんな日々。福岡での最後の日、唐人町ともお別れし、高速経由で天神に向かうバスに乗って大好きな湾岸の景色を眺めていたら、胸の中でこの曲に乗ってさまざまな思い出が甦ってきて……。今こうして書いていても、唐人町の潮風が恋しく。
 それにしても、九州ではたびたび不思議なことがありました。そんなこともこれから少しずつ振り返っていきたく。そして、福岡、また訪れたいと思います。
 福岡にやって来ました。夫が赴任するまで福岡の冬がそんなに寒いとは知らず、大変な寒がりゆえ春の訪れを待っていました。昨日、桜が開花した東京を発ってこちらに着いたのですが、本日、福岡でも桜が開花。早速、大好きな文房具店「JULIET’S LETTERS」とその系列店「とうじ」に行き、桜モチーフのカードやブックカバーを入手。文房具だけでなく手芸用品やおしゃれな雑貨もある「JULIET’S LETTERS」(名前も好き)はアクロス福岡の1階にあるのですが、1階から地下に向かう階段は宝塚の大階段ごっこができそうな感じ。きらめき通り地下通路にある「とうじ」は和雑貨が充実しています。そう言えば本日、博多大丸レストラン街で「しゃぶ禅 花柚香」というお店を発見。「柚香」は「ゆずか」ではなく「ゆこう」と読むそうですが、花組前トップスターの名前「柚香光」を思わず連想。というわけで、博多座での宝塚花組公演観劇が楽しみです。
 先週後半まで20日間ほど福岡に行っていました。ちょうど福岡ソフトバンクホークスのリーグ優勝が決まろうかという頃、福岡の家のある唐人町は本拠地「みずほPayPayドーム福岡」のお膝元なので、夜分、近所を晴れやかな感じではなく歩いている人々の姿で、……あ、今日は勝てなかったのね、と察したり。そしていざ優勝したらば、博多阪急の素敵なカフェでお茶していても「♪玄界灘の潮風に〜」と応援歌「いざゆけ若鷹軍団」が流れてきて、街をあげて応援しているんだなと。優勝の夜は唐人町商店街も大変盛り上がったそうなのですが、あひるはその日、導かれるようにたどり着いた父方のルーツにつながる街で、ちょっと不思議な体験をしていたという。その話はまたいずれするとして、街を探索したり、本を読んだり、向こうではのんびり過ごしており。白鳥ボートが池に浮かぶ大濠公園&舞鶴公園散歩がすっかりお気に入りになったのですが、夫が開発した散歩コースというのがけっこうアップダウンが激しく、体力がつきました。その際、……昔、ここで野球やってたんだな……と、今は原っぱとなった平和台野球場跡にたたずんだり。昨年秋の博多座観劇の際にも足を運んだ大好きな街、門司港(近代建築と現代建築の調和がすばらしい)にも行くことができ、……去年来たときには、一年後に夫と一緒にまた来ることになるなんて思ってもみなかったな、と。生まれてからこの方、東京とカナダのオタワ以外住んだことがなかったので、日本の地方都市での生活に刺激を受け、少し新たな視野が拓けたみたいだなと、帰京して劇場の客席に座っていて思ったり。残りの10月は東京で頑張ります〜。
 7月中旬に夫が福岡に転勤になり、新生活立ち上げの手伝いで最初の十日間ほどついていっていました。6月下旬に『blast ブラスト!』の取材で山形に出張して以来忙しく、福岡でもオンライン取材をしたり原稿を書いたり。そして東京に戻ってからも忙しく、パリ五輪もほぼ観られず、気づいたら8月が終わっていたという。
 去年秋も博多座観劇で訪れ、楽しく近代建築めぐりをした福岡。住まいがある唐人町は、近くのバス停から天神までバスで15分ほど、博多座まで地下鉄経由で30分ほど。天神までのバスは高速道路を走るのですが、車窓から見える湾岸風景が昼も夜も心に残り。海にも「みずほPayPayドーム福岡」にも歩いて行ける距離で、玄関のドアを開けると潮の香り、近所で福岡ソフトバンクホークスのユニフォームを着たファンを見かけるのですが、ケーブルテレビの工事ができないので、久方ぶりの地上波オンリー視聴生活、大河ドラマ『光る君へ』(全然書けていませんが観ています)も18時からのBSプレミアムでの放送は観られず。8月には夫が出張兼お盆休みで東京に帰ってきていたのですが、……何だか、唐人町の家にも私たちがいて、のんびりした生活を送っているようなパラレル・ワールドを夢想したり。
 それにしても福岡は食べ物がおいしい! 焼肉、水炊き、寿司、ブイヤベース、豚骨ラーメン、鉄鍋餃子……といろいろ食べてみるうち、これは気をつけないと、と夫とひたすら散歩。ちなみにタイトルは博多土産「博多の女(ひと)」(あひると同じ1972年誕生!)から来ていますが、ようかんをバームクーヘンで包んだこのお菓子を食べたことがあるかどうかはっきりと記憶にございません。ので、今度チェックしないと。それと、ローソンの九州限定商品「近藤の熱弁 鹿児島黒豚とんかつおにぎり」(福岡ソフトバンクホークスの近藤健介選手監修)も気になっており。ということで、これからしばしば福岡を訪れる予定です。夫も私も父方のルーツが九州なので、その地をたどる旅もしてみたく、東京と福岡の中間地点あたりで夫婦落ち合うのもおもしろいかも等いろいろ計画中。